劇場公開日 2016年12月3日

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「2016年の邦画BEST10に確実に入ります」アズミ・ハルコは行方不明 まつこさんの映画レビュー(感想・評価)

5.02016年の邦画BEST10に確実に入ります

2016年12月4日
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同じ町の別の2人の女の話が時系列ばらばらに交差して進んでいくストーリー。蒼井優7年ぶりの単独主演映画。蒼井優も高畑充希も素晴らしかった…。太賀も葉山奨之も加瀬亮もいい。石崎ひゅーいも。菊池亜希子、落合モトキ、山田真歩も…演技が上手いプラス人間味溢れる人たちが集結していてキャストも私にとって極上だった。1シーン1シーンが全部目が離せない。あと、車移動とか車内からの風景が多くて”地方都市の20〜30代の人たちの話”というところが色濃く出ていてそこも良かった。如何に多くの映画ドラマ作品が、東京舞台にしてて東京在住者の目線で描かれてて、東京に住んでる人がより共感できる作りになっちゃってるんだなーということも実感!

そしてこれは常に作品が進化しつづける松居大悟監督の最高傑作。松居監督は新しい作品が出るたび自己の記録塗り替えるくらいめちゃ面白い映画つくってて、かといって過去の作品も1つ1つ良さがあって色褪せなくて、同じような内容のものはひとつも無い。才能に溢れてるというか才能の塊のような人!妥協しないでとことんこだわって作った感じも画面に出てて、きっと監督自体も作ってて楽しいんだろうなーと勝手に想像してしまいます。今回の作品は監督と同世代の主演、プロデューサーで作っていてそれもとても貴重だなと思いました。

とはいえ、私にとっては完璧な作品でも、一緒に観に行った人はわからなかったみたいです。
事前情報で女性が共感できるつくりになっていると知り、また高畑充希がインタビューで「男兄弟しかいない男性はわからない人いるかも」と言っていて、まさに上記の人は男兄弟しかいない人なのでなるほどなと笑。
鑑賞後の監督の挨拶にて、松居監督が「観た人全員が、面白かった、感動した…と同じ気持ちで観れる映画ではなくそれぞれ違う感想や見方をもつ映画作りをしていきたい」と言ってましたが、それこそが面白い映画のひとつの定義だよなと私は思いました。

私はこの映画、2016年の邦画BEST10に確実に入りますね。
あとの候補としては…
「ピンクとグレー」「知らない、ふたり」「漫画肉と僕」「ちはやふる」「リップヴァンウィンクルの花嫁」「あやしい彼女」「64」「ヒメアノ〜ル」「日本で一番悪い奴ら」「TOO YOUNG TOO DIE」「君の名は。」「怒り」「何者」「永い言い訳」とかですかね。

まつこ