劇場公開日 2016年11月12日

「鮮やかで温かい描写と、胸に迫るドラマ」この世界の片隅に focusonthさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0鮮やかで温かい描写と、胸に迫るドラマ

2017年2月27日
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昭和初期の広島、呉が舞台のアニメ。
主人公すずのおっとりした雰囲気と、平和で穏やかな日常が温かなタッチで描かれています。

広島弁、街の様子、瀬戸内海の風景、土地の風習などからきちんと作り込まれていることを感じました。

嫁入りしたすずや、周囲の人たちの日常がリズムよく展開され、感情移入しながら飽きることなく楽しめました。

後半は戦争激化と原爆による被害を、まざまざと感じさせるシリアスな一面がありました。
いろんな葛藤と向き合い、ぶつかり、それを支え合う家族、、、そんな姿に胸が締め付けられます。

温かみのある作画と、劇中に流れるコトリンゴの挿入歌が、どこか懐かしく、そして侘しい世界観を作ってくれています。

幅広い世代に、それぞれ異なるメッセージを伝えられる良い作品だと思いました。

focusonth