銀座三四郎

劇場公開日:

解説

製作は「東京カチンカ娘」の青柳信雄。原案は「姿三四郎」の作家、富田常雄で、脚本は「痴人の愛(1949)」(木村恵吾と協同)の八田尚之が書き、「果てしなき情熱」の市川崑が監督した。カメラは「人生選手」の安本淳の担当である。主演は「帰国」「人生選手」の藤田進、「待っていた象」の志村喬、「影を慕いて」「妻と女記者」の山根寿子、「小原庄助さん」の風見章子でそれに「脱線情熱娘」の河村黎吉、「恋愛三羽烏」の飯田蝶子らのほか木匠久美子、江見渉らが出演する。

1950年製作/82分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1950年4月9日

ストーリー

柔道六段の荒井熊介は大陸から引き揚げた医者で、今、銀座裏で「アライ診療所」を開いている。彼を毎朝起こすのは「鳥銀」の娘絹江で、彼女は熊介を起こすのを楽しみにしているらしい。熊介には忘れられぬ人がいる。それはカナリヤさんこと立花マリエである。今度逢うときは結婚しようと別れて五年、今だに生死もわからない。友人で先輩の松原大三は北海道の妻のところへ帰ったが、妻が死んでいたので「アライ診療所」に身をよせ、二人は貧しい人に親切をつくしていた。熊介は柔道六段だが、腕力を振るうのは禁じていた。それは鳥銀の亭主、絹江の父親銀平と固い約束があるからだ。熊介は学生時代銀平の片眼をつぶした。銀平はそれを許したので、熊介は恩に着て、銀平と暴力を振るわぬ約束をしたのだ。銀平は熊介に絹江を貰ってもらいたいが何かいい出しにくいのである。ある夜負傷者の報に熊介と松原が駆けつけたところはバー「カナリヤ」。そこにマリエを発見した。熊介はマリエに約束の結婚を申し込んだが、マリエは「許して、私には夫があります」と。熊介はあきらめた。そして絹江と結婚することにした。絹江一家は大喜びだった。その挙式も近付いたある日、マリエが倒れ、それを診察した熊介は、マリエが暴力団の親方の情婦にされていて、逃げるにも逃げられなかったことを知った。熊介は松原に頼んでマリエを郊外の病院へうつした。それを知った暴力団ではある夜熊介に呼出をかけた。夜ふけの銀座街頭。与太者にかこまれた熊介は公衆電話のボックスに飛び込んで銀平に「約束を破るぞ」とどなると、猛然と与太者をなぎ倒した。翌日の新聞は「銀座三四郎」の登場だと賛美したが、彼の心は重かった。不幸なマリエは自分の心づくしで幸せになれるのではないか、絹江には他に幸せを求められるだうろ、と、だが松原は、それは違う、本当の絹江さんの意志を聞いてみろ、と、そこで再び絹江に逢った熊介はそこでせっぱつまった女の愛情に抱きしめられた--幾日かすぎて、新婚旅行に旅立つ熊介、絹江を蔭ながら見送るマリエの姿があった。

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