さよならパリ

劇場公開日:

解説

フランスの新進作家ロジェ・ニミエの小説『ある愛の歴史』を原作に新人のジャン・ヴァレールが監督した、愛の真実を追究する異色作。脚色と台詞はニミエとバレールが共同で担当。撮影も新人のラウール・クタール、音楽は女流作曲家のジェルメーヌ・タイユフェール。出演は、「太陽がいっぱい」のモーリス・ロネ、「俺の墓標は立てるな」のジーン・セバーグ、「ひと夏の情事」のミシュリーヌ・プレール。ほかにフランソワーズ・プレボー、アンニバレ・ニンキ。

1960年製作/フランス
原題:Les Grandes Personnes
配給:東和
劇場公開日:1961年6月21日

ストーリー

パリのデパートのデザイナーで三十代の女ざかりのミシェール(ミシュリーヌ・プレール)が睡眠薬自殺をはかった。理由は三角関係の清算。彼女とフィリップ(モーリス・ロネ)とは七年もつづいていたが、その間にミシェールのアシスタント、グラディスが入ってきたのだ。ミシェールはアメリカ人医師セベリン博士の手当で一命を取止め、看護をしてくれた博士の娘で十九歳のアン(ジーン・セバーグ)と友達になった。アンはパリのデザイナーという職業をもち魅力的なミシェールにあこがれた。彼女と一緒に住みたいという希望も適えられたが、同時にミシェールを死に追いやった青年に興味をもった。ある夜、ナイトクラブでミシェールと連れだったアンは問題の男フィリップに会った。ドン・ファンを想像していたアンは裏切られた。そして魅かれた。一方ミシェールの心の動きは、奇妙なことだが、仕事でニューヨークに発つとき自分の留守にアンをフィリップに結びつけるのが自然なような気がした。たとえアンの苦しみになろうとも。すべては予期した通り、戻ってみるとフィリップはアンにとって失えない存在になっていた。が、フィリップにとってはそれは一つの経験にすぎなかった。彼は自動車メーカー、ロシュローの御曹子で目前に迫ったオート・レースに社運を賭けていた。が、レースは惨敗。結婚を望むアンの気持ちもはねつけた。ネブラスカからフィアンセがアンを迎えにきた。アンはアメリカに帰ろうと決心した。ミシェールとフィリップが相かわらずの交際をつづけていくであろうこのパリに、とても止まることはできないからだった。別れを前に二人の女は抱き合った。パリの街を後にしてアーブルに向って走る列車の中で婚約者と向い合せに坐りながら、アンは思い出というには余りにもなまなましい出来事を反すうしていた。親切なフィアンセの声がうつろにアンの耳の外を通りぬけていく。そしてフィリップの声だけが大きく彼女の心の空洞にこだましていた。その頃、フィリップはミシェールのもとに疲れた体を休めていた。

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