さすらい(1957)
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さすらい(1957)

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解説

日本初登場のミケランジェロ・アントニオーニ監督作品。ローマの映画実験センターを出てロッセリーニ、カルネ、デ・サンティス等の作品に協力したことのある彼の、イデオロジカル・ロマンチシズム作品と評された一作である。ポー河流城を舞台にする一知識労働者の物語で、アントニオーニ自身の原案を、アントニオーニ、エンニオ・デ・コンチーニ、エリオ・バルトリーニの三人が共同でシナリオ化している。撮影はジャンニ・ディ・ヴェナンツォ、音楽をジョヴァンニ・フスコが担当している。出演するのは、「肉弾戦車隊」のスティーヴ・コクラン、「マーティ」のベッツィ・ブレアの二人がアメリカから招かれている他、「夏の嵐」のアリダ・ヴァリ、「屋根」のガブリエラ・パロッタ、新人リン・ショウ等。製作フランコ・カンチェリエーリ。

ストーリー

アルド(スティーヴ・コクラン)は、北イタリアの寒村に住む労働者である。彼は近くの精糖工場に勤め、イルマ(アリダ・ヴァリ)という女と同棲して七年になる。二人の間には女の子があるが、イルマはなぜか正式の妻になろうとしなかった。ある日、イルマのもとへ、濠州で働いている夫の死亡通知がとどいた。だが彼女の心には、アルドではない別の男への思慕が芽ばえていた。アルドは、イルマの愛情を取りもどそうと努力した。しかし、彼女の心はもどらなかった。彼は娘をつれて家を出た。目的も慰めもない放浪の旅がはじまった。七年前、アルドが愛したことのあるエルヴィア(ベッツィ・ブレア)を訪ねた。だが、イルマが忘れられず、長く居ることは出来なかった。父娘はハイウェイのかたわらにあるガソリン・スタンドまで来た。若い精力的な女ヴィルジニア(ドリアン・グレイ)と老父の二人がいた。二人は急速に接近し、アルドはガソリン・スタンドになくてはならぬ男になった。娘を故郷に帰した。ここでも、アルドはイルマの思い出に心を悩ませた。ヴィルジニアの手をふり切ってまた旅に出た。再び放浪生活がはじまった。彼はその日その日を送るにすぎなかった。彼は河岸の小屋で、アンドレイーナ(リン・ショウ)という肺病の女にあった。彼女は無邪気な娼婦で、彼と一緒に泥沼のような生活から浮び上ろうとした。が、失敗した。アルドの足は本能的に、自分の村へ向った。彼は真直ぐにイルマの家に行った。イルマは、彼の留守中に生んだ赤ん坊に湯を使わせていた。すべては終った。アルドは放心したように、精糖工場の塔に登った。眼下にはポー河が延び、田園が果てしなく広がっていた。イルマは彼の後を追って工場へ来た。アルドに塔から下りるようにいった。アルドは塔の真下のイルマをみた。彼の眼には涙があふれていた。突然、彼の体が揺れた。アルドの体は地上に落ちた。あたりにイルマの絶叫が響いた。...

作品データ

原題 The Cry
製作年 1957年
製作国 イタリア
配給 イタリフィルム=新外映

提供:株式会社キネマ旬報社

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