シン・エヴァンゲリオン劇場版のレビュー・感想・評価
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エヴァではじめて楽しめました
伏線とも呼べないくらいに
いままで乱暴に放り投げられていた物語の残骸を
シン・エヴァンゲリオンではなるべく丁寧に拾い上げようという決意が感じられた
いまが一番若いんだから
というセリフのおかげで
自分を大事に出来そうです
庵野監督
卒業おめでとうございます
自分がリアルタイム世代じゃなかったら楽しめた
TVアニメでリアリティを感じたのは庵野監督の宮村優子への失恋と他者との断絶。
シン・エヴァでリアリティを感じたのは庵野監督の鬱からの再生と安野モヨコとの惚気。
前者は失恋や他者との不理解に共感を感じられたが後者は全く共感要素がなくて困った。
他人の主観的な自己再生恋愛話ほど共感できないものはないが友人なら「良かったね」ですませられる。
しかしこれは作品でキャラクターがいてそれらは監督の生み出したものかもしれないが作品と作者は別物だ。
現実世界で一つの幸せを得た庵野監督が「俺が幸せになったのはこう」という台本をキャラクター達に渡し演じさせた。
そしてそれはキャラクター達の物語ではなかった。
わたしはエヴァンゲリオンの結末を見たのではなく、エヴァンゲリオンを作った庵野監督の区切りを見た。
それはキャラクター達の結末を見に行った私にはお金を払って見る価値のないものだった。
庵野さんの手のひらの上
傑作です。ただし(いつものとおり)一見様お断り。
自分としてエヴァは序・破・Qで見限っていたのですが、
NHK「仕事の流儀」庵野特集で、
・父親が事故で片足をなくし、ずっと世界を恨んでいた
・TVエヴァ終了後のファンからの殺人予告等で、自殺を考えた
・立ち直ったのは周囲の映画仲間や関係者、特に
何より、妻「安野モヨコ」が彼を支えた
・今回の一作で、決着をつける
という姿を見て、劇場に足を運んだ次第です。
こうした前情報があったせいか、徐々にシンジと庵野さんが
オーバーラップしていき、
「どうしてみんな、僕を放っておいてくれないんだ」
「それは、みんなあなたを愛しているから」のセリフや
今までどちらかというとサブキャラだったマリの唐突な
「何処にいても必ず迎えに行くから」のセリフに、
シンジ=庵野、 マリ=モヨコ、 同級生=映画仲間 という
構図があると気づいた次第です。
そうなると、後半にエヴァンゲリオンの映画製作風景が出てくるのは
映画と現実が侵犯しあっているということで納得。
となるとアスカは妹(実際に庵野さんには妹が実在)ということか?
ということでこの映画は、シンジの成長物語? 庵野さんの再生物語?
そしてNHKで庵野さんが語っていた「アングルと編集がすべて。内容は二の次」という
言葉から、結局自分の好きな絵をつくりたかっただけ?というすべてを多義的に
含んだ、実に奥行のある映画となったと思います。
さらに言うならば、庵野さんは、何故「仕事の流儀」に出演することを了解されたのか?
と聞かれた時に、「映画の為(番宣)」とちゃっかり答えておられました。
その手に引っかかって、見に行ったわけですが・・・
つまり全ては庵野さんの手のひらの上ということか。
それはそれでいいんです。
最後のホームの場面で、マリの手を引っ張って階段を
駆け上っていくシンジの姿を1日たった今もじんわりと思い返しています。
。
最初から最後まで難解。そしてやっぱり妄想オチ?
2021年映画館鑑賞30作品目
3月29日(月)イオンシネマ石巻
テレビアニメも劇場版も全て観た
前作の映画から久々のエヴァンゲリオン
鬼滅の刃と違いコナンくん同様これまでのあらすじを紹介する気配り
けれどもコナンくんと違い少々ちんぷんかんぷん
テレビアニメの終盤からずっとこの調子だった
庵野秀明監督自身もわけわからない状態なのだろう
周りは成長したけどシンジだけは成長しない
シャアより赤い世界
とはいえシャアは赤というよりピンクだけど
改めて見るとシンジってアムロ・レイより厄介
結局のところ母の死から引き篭もる少年が引きこもりを卒業し大人になる物語なのか
コミック版のラストとたいして変わらん
アスカのヌードあり
っていうか露出狂
こんなキャラだった?
綾波レイのそっくりさんが溶けて消えちゃうのは悲しい
写実化された巨大な綾波レイは圧巻
CGが良い
終盤はともかく全体的にテンポが悪い
難解な言葉が飛び交いこれは子供向けではない
解釈をめぐってオタクがネットで激しい議論するんだろう
自分と解釈が違うとブチギレる大人気ない人々
考えても無駄無駄
理屈じゃない
感じろ
これは芸術映画
なぜか宇部新川駅
なぜか山口県宇部市
これで本当に終わりだよね?
終劇!傑作!
キューブリックが2001年宇宙の旅のラストシーンで本当に表現したかったイメージが、エヴァンゲリオンでは実現されていているような気がする。膨大な映像情報で彩られたポップアートであり、音楽も良い。
さて、肝心のドラマは?というと、これまた良い。
日常生活の展開も良いなぁ。相変わらず凄い世界観だ。
大団円になってるし、謎も結構解かれ、アスカは叫びすぎ?とか思ってたけどラストは可愛いし、
シンジもマリもあれで良かったです。
アニメの歴史を変え、25年の永きに渡りテンションを保ち、この最終回を仕上げた監督スタッフに脱帽。
相変わらず異様な傑作でした。
どっこい、肩の力を抜いて楽しめる、大衆芸術でもありますし、一人でも多くの方々にオススメ。
タイトルの楽譜記号は 反復 なので‥ちょっとモヤッ
はっきりは分からない結末だけれど、完結して良かったです。カヲルくんが上官みたいなシーンは、未来なのかな。
最後はアニメから実物の映像に変わって、エヴァンゲリオンが存在していた世界から脱出したってことを表しているのかな。
タイトルの楽譜の記号としては反復だから、父が母を生き返らせるためだけに、何度も反復して世界を作り替えようとしたことが明らかになるって意味だったのかな。
何となくモヤモヤしますが、エンドロールで宇多田の歌を二曲聞けたのは良かったです。
エヴァの終わりとしては申し分なし!
だけどやっぱりテンポが悪かった。
私は新劇から入り、アニメ、旧劇と追ったので割と記憶が新しい方で、さらに鑑賞前には新劇を復習した。
しかし、アニメと旧劇を復習するまでの興味と気力がなく、アニメと旧劇の記憶が薄いままこの映画を鑑賞してしまい、素晴らしいまとめ方をしたこの映画も感動が半減してしまっている気がした。
Qから公開延期せずにテンポ良く公開していれば、にわかファンを離さずにもっと盛り上がって、世間的にも話題性があったのかもしれない。
でも、逆に20年以上投げ出さず、エヴァを作り続けてまとめ上げてくれた監督に感謝。
ありがとう全てのエヴァンゲリオン。
愛されてますね
不安でしたが多分ファンの方も、納得の風呂敷の畳み方だったのでは。
帰納法での作劇は分からないことが多いけど、エヴァンゲリオンというか、庵野さんという人はとても愛されているのだと感じました。幸せなことです。シンエヴァ評は評論家の薄い批評より、素人のファンの方の評論の方が当たってるし、気持ちが入って納得できる気がしました。
シナリオがとてもよく練られているように感じ、もう一度見に行きたいと思っているので、間違いなく面白い作品でした。同時にシンウルトラマンの期待が爆上がりでとても楽しみです。
それぞれの贖罪。それぞれの落とし前。
何もかもが圧倒的すぎて抜け殻状態。
「とりあえず観た」という感想しか残らない。
まずは自分のエヴァンゲリオン歴について語らせてもらおう。
私がエヴァンゲリオンと出会ったのは25年前、と言いたいところだけど2020年5月なのでたかが10ヶ月前。
初めてのエヴァンゲリオンは『新劇場版:序』
はっきり言って「単調でサービスシーン多すぎでシラけた」というのが第一印象。
次に観たのは『新劇場版:破』
これも前半は退屈だったけど「今日の日はさようなら」引用シーンから作風がガラッと変わり一気に引き込まれた。
そして『新劇場版:Q』
世界観がわけわかんないのは序からなので、むしろ世界観をリセットしてくれたおかげでかなり作品に乗り込むことができた。当然意味不明なわけですが、CGIをフル活用した未知なる映像体験に酔い痺れた。
新劇場版の次に観たのは2021年1月に劇場公開された『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air /まごころを、君に』です。
TVシリーズの総集編的作品と聞いていたので「初心者にもってこいかな」と思い観たわけですが、これが初心者殺しのトンデモない映画だった。
またもや意味不明だし、脳みそをいじられるような感覚だったけど、とことん狂いに狂った「気持ち悪い」映像の虜になってしまった。旧劇は大好きです。
そして今作の公開前にやっと原点であるTVシリーズを鑑賞。観たからって何か分かったわけでもなく頭のモヤモヤは止まらないけれど、「エヴァ」という作品に馴染めたし愛情が出てきた気がする。
そして鑑賞前日に改めて新劇場版を見返した。
『序』は初見と対して印象は変わらなかったけど、『破』と『Q』が何故だか抜群にクソ素晴らしい映画に思えた。
と長々とエヴァ歴を失礼しました。
そんなわけで遂に完結編を観たのです。
どうせ理解できない事は目に見えているので「混乱するならとことん混乱してやるっ!」との思いで、日本で唯一、ユナイテッド・シネマ豊橋18にしかない4DX MAXシートで鑑賞することに。MAXシートは簡単に言えば、めっちゃ揺れる4DXって感じです。
「泣ける」とか「人生変わる」とか色々すごい噂は聞いていたからドキドキワクワクですよ!
はぁ…ここまではすらすら書けるんだ。
問題はこれから。
ネタバレしたく無いから多くは語れない、というのは口実で単純に理性が追いつかず語彙力喪失。
唯一ハッキリ言えるのは「スゲェもん観ちまった…」と「綾波はかわいい」ということだけ。
でもラスト「終劇」とでたとき「本当に終わっちゃうのか」と声が聞こえてきたし、隣のおじさんは無言で涙を流していたし、後ろの兄ちゃんは「やっば、サイコー!」と退場時話してたし、やっぱり完璧なピリオドなのかもしれないな。
自分に残ったのはとにかくヤバいもん観たという実感と、謎の罪悪感、敗北感。
一応、エヴァンゲリオンは一通り観たはずなんだけど今でも「エヴァ好き」とか名乗れないし「エヴァ初心者」である気しかしない。
音響効果が抜群なのは分かったので、また落ち着いたらIMAXとかで観ると思うので、その時に感想は書けたら書くつもりです。
ただいくつか気になるとこはあったのでそれは残しておこうと思う。
まず、CGIについて。
個人的にはTVシリーズや旧劇のどこか病的な画がとても好きだったんだけど、今回は複雑なビジュアルとかはほとんどCGIで表現していて、ポリゴンピクチュアズの作品を観ているようだった。平たく言えばめっちゃヌルヌルしてる。ヌルヌルはそれだけ滑らかだし表現の幅が広がるのでとてもいいことなんだけど、「なんかエヴァらしくない」と違和感を感じてしまう。
エヴァ素人に言われたく無いだろうけど、やはり背景とか戦闘シーンとかがヌルヌルし過ぎて浮いて観えてしまう。そこが少し残念かな、と。
あとラストシーン。
詳しいことは書かないけど「えーなんでそうなっちゃうのー!」と思ってしまった。
個人的にはTVシリーズ最終話にあった綾波が超陽キャの世界線で幕を閉じて欲しかった感はある。
そういうのも踏まえると初見の現時点では⭐︎4が妥当かな。
まあただの綾波推しの言うことなんで気にせんでください。
とりあえずまぁ、終わったと。別に大した思いいれないのに喪失感が半端ねぇ…
ちなみに題名にある「:Il」は音楽記号の反復という意味で、観れば分かるけど最初に戻るというコンセプトは実に庵野秀明らしい。序・破・Q(急)と筝(そう)の演奏形式だったからやはり音楽も大切なキーワードとなるのか。
3/23 ミッドランドスクエアシネマ2 スクリーン9 日本語字幕付き上映で鑑賞。
1回目のリピート(:||)なので2番ということで。
2回目ということもあり、冷静に観ることが出来た。字幕付きだったので状況や心理描写もすんなり理解。
シンジとゲンドウの対峙と辿り着く景色には感動すら覚えた。
真っ先に思い浮かんだ言葉は「カルタシス」
長年のエヴァファンが「人生変わる!」「泣ける!」と言う気持ちがよく分かる。対してエヴァに思い入れが無い自分でも「おぉ…終わった(´;ω;`)」となりました。
✩4から✩4.5に上げときます。
シンジとゲンドウのバトルからラストへの追い込みがすんごいのよ!
テレビシリーズから旧劇、新劇場版の伏線をひとつずつ回収していって1人ずつキャラを救済していく。
シンジの贖罪と落とし前をする物語でありながら、庵野秀明のエヴァファンに対する「贖罪」と、独り歩きし伝説と化した「エヴァンゲリオン」というコンテンツに対する創造主としての落とし前でもある作品だなと。
そう考えると初見に感じたCGIの違和感も納得がいく。すなわち「これは作り物なんだよ」というメッセージ。ラストの空撮も見た感じ3DCGだったし、「お前らもシンジみたいに前を向いて成長しろよ!」という庵野流のメッセージなんじゃないか。「世界はこんなにも美しいんだよ(beautiful world)」という。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』とは創造主からファンに対しての『One last kiss』だ。
そして見後に落とし前をした庵野秀明は自画自賛する。「beautiful boy」と。(総監督 庵野秀明 とクレジットがでたときの曲が『beautiful world』の「beautiful boy」というフレーズ)
とりあえず庵野さん。お疲れ様でした!
あなたは真のプロフェッショナルです!
追記
宇多田ヒカルの『one last kiss』を0.75倍速にするとヤシマ作戦で流れる「デン・デン・デン・デン・デンデン」と同じリズムになるらしい?
こんにちは。ありがとう。
考察は書かない。
この何十年間、すべての物語にありがとうと言いたい。
すべての人間の抱える、青年期から大人になる過程で
抱える悩みを、素晴らしいエンタメで、楽しませてくれた。
シンジの物語でもあり、ゲンドウの物語でもあり、
自分でもあり、アスカでもあり。
人類がつづく限り、繰り返される物語。
この作品と共に歩んだ、年月はかけがえの無いもの。
監督も、作品も悩み、それをリアルタイムで見られた。
同じ時代を同じ流れで過ごすことの出来た、
奇跡的な年代だと感じる。
庵野作品。
長嶋も見た。王も見た。尾崎、青木、イチロー、野茂、大谷
羽生、羽生、藤井、Qちゃん、手塚治虫、
そして、宮崎駿、等々、、、。
その時代だからこそ感じられる現実感。
今の若者に、長嶋、王、の時代の熱狂は皮膚感覚として伝わらない。
それと同じで、庵野の熱狂も、同じ時代を生きたからこそ
わかるものが確実にある。
しかし、この感想もエゴだと感じる。
ゴジラも、ウルトラマンも、より進化して蘇り、
より素晴らしい作品となり、繰り返される。
多分、エヴァも、そうなる。
ああ、もう、エヴァはエヴァ後の作品で多大な影響を
すでに与えてるか。
ただ、アスカファンからすると、アスカの幸せな大人姿を
見たかったな。
惣流・アスカ・ラングレーの。
やはり世界観を残したかあ、、、という点はさすが!!
この作品を観るにあたり、AMAZONで前3作品を観て、映画に望みました。
映画ではTV版の様にエヴァ独特の世界観、精神世界を盛り込んだ世界観がこれまでにない世界を出していましたが、今回の映画はやはりそこに終着点を持ってきたかという点はやはりエヴァですね。この少し現実的に割り切って、やれ誰が死んだ、壊れたといったすっきり感とは違う、いろいろ想像ができる世界観で終わらせたのは庵野さんのこだわりなのかなって感じました。
ストーリーも面白いですね。
Qがん??と思った部分はありましたが、今回の序編と考えると納得がいきます。
これまでの答え合わせが出来ます。そこは楽しかったですね。
いきなり観てもいいですが、出来れば新シリーズを観てから行っていただきたいですね。
これは鬼滅の刃もバイオレットエヴァーガーデンもそうですが、今までのを予習していくと
倍楽しめます(私は前記2本はそのまま行き、後でシリーズをみて後悔しました)。
これでいいのだ
幸せってなんだっけ
あの時は時間も金も柵もなかった
ああするしかなかった
成長したはずだった
ろくなことがなかった
人生なんてそんなものなのかもしれない
人間なんて
そうだ補完しよう
一日一歩三日で三歩
あれからどれくらい進むことができたのだろうか
生きてるだけで
ずっといつ終わるねん!って言ってたけどスグにエヴァロスww
これ以上はない最後のエヴァ作品。多くの伏線を回収し大風呂敷を広げた最高の作品もこれでしっかり終わってしまった。シンエヴァンゲリオン=新約聖書・マリ=マリアなのか色んな考察ともとれるが「エヴァンゲリオンはこれで御仕舞いです!」と言われた感じがして寂しくもあり感謝もありなんとも言えない気持ちになります。兎に角、監督お疲れ様でした♪永遠と語り継ぐ作品を残してくれて感謝です!またシンウルトラマンで逢いましょう♪
普通がイチバン!
物語の主要部分とは関係ない第3の村のエピソードが長いのだが、これは平凡な日常への憧れが強くあることを打ち出しているのだろう。なにしろ高度成長前の田植えまで戻ってしまうのである。
世界が破滅した後の状態から見慣れた日常に戻るというアクロバットをやり遂げているが(テレビ版最終話での失敗を挽回しようとしている)、この映画は非日常から日常へという「形式」が重要であって、ロンギヌスの槍とか神とかいった「内容」は瑣末なものである。それがキリスト教の用語でなくても仏教的な用語で語られていても違いはない。神秘的な場面の連続なので、そのイメージをどう解釈させるかは言葉の問題である。言葉で、これがこうなると言えばそう解釈するしかないのである。「インターステラー」の超科学的なご都合主義を思い出させる。
ゲンドウがシンジと同型に造形されていたのは、ちょっとベタな展開で驚いた。セカイ系の面目躍如であるが、25年かけてこれかよ、と。
よかった点は、わかりやすく作られていたこと。内容と形式の分離が進み、内容はどうでもよく、形式を語っているのだということがよくわかった。内容(キリスト教的な世界観の引用)はセリフによる説明で済まされ、これがお好きな人はどうぞご自由に解釈してくださいというシニカルさがあった。
ロボットものの見せ場はロボットプロレスだが、エヴァ初号機どうしの戦いは、戦い自体にもはや作り手の関心はないということを示すかのように茶化されていた。作品を賦活するためか『Q』で戦艦が出てきた時に、エヴァは一気に古びてしまった。作品のロボットもののテイストが薄くなってしまった。
何にせよ、これが最後なので、最後から理解できるということがわかりやすさになっている。最後なので今まで伏線とは思われなかった部分が伏線として立ち上がり、設定の裏の裏まで明らかにされた(ゲンドウ問題、ユイ問題、複数の大災害の意味とか)。もちろん後付けなんだろうけど。
また、最後だけにテレビ版最終話他すでに語られたエピソードへの仄めかし的な言及もあり、通底したものがあるかのようにまとめている。だがそれらに多少なりとも辻褄合わせやコジツケ感があることで、本作も多々あるエヴァ解釈の一つになってしまうのである。
それにしても、テレビ版の失敗がここまで作品を作り続けさせる意欲を持続させることになるとは! うまく締めくくれないとトラウマになるという奇妙な作例として後世に残るだろう。
全1010件中、321~340件目を表示