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山岡
「課長、なんで今回も「幸せ」なんですか?」
課長
「おお、山岡か。あ~ケツかいいの。あんな、お前はまだアレじゃけ、しらんけどの、この業界の・・・」
ズキューーン
山岡
「か、課長っっ!! だ、誰か、誰かっ!」
部長
「なんやっ!うっ課長っ・・・。眉間に1発。間違いないっ、あの男の仕業だ」
(気を取り直して)
「山岡・・・お前、課長となんの話をしとったんなら?」
山岡
「今回の新作『WE BOUGHT A ZOO』の邦題が『幸せへのキセキ』になった理由を教えていただいてた最中だったんですが・・」
部長
「ぐっっ、お、お前、その話最後まで聞いたんかっ?」
山岡
「いえ、その前に課長は・・・」
部長
「そうか。いいか、山岡、それ以上その邦題については詮索すんな。課長のようになりとうなければな・・・」
山岡
「(心の中で)なんだ、この部長の言い回しは?いったい「幸せ」にはどういった秘密があるんだ・・・」
部長
「(心の中で)この男もいらんことしよるのう。あの男に連絡せにゃいけんかのう」
あの男
「・・・・・・・」
2ヶ月ぶりの劇場鑑賞。なぜコレ?と言われたら、ホームでほかにいいのやってなかった、が正解である。ギドク先生の「弓」の呪いからは特に無理なく抜け出せたような気がする。というか別にギドク先生が悪いわけでなく、それをみた俺が悪いわけで。
まあ、久々、ということも多分にあろうが、結構面白かった。
果てしなくバリバリのファンタジーなので、カリカリしてはダメである。ファンタジーの中にあるちょっとしたリアルの見せ方が最高に楽しい。
改装修繕費を試算したあとのデイモンが一人叫びやつ当たる姿をスタッフは「ありゃ逃げ出す」とヨハンソンに話した後に、聞こえていないけどデイモンは我に返り、やつ当たった樽を元に戻す姿にヨハンソンはニヤ~って笑う。
人はダメなときはやっぱりダメだ。
だけどもそんなときでもその人らしさを失わない、ということはどんなにすごいことか、どんなに勇気づけられることか。
俺自身本当にそういう人はすごいって思うから、ヨハンソンのニヤケ顔はリアルに共感できるんだよ。
この映画にでてくる人はみんなファンタジーに出てくるキャラクター。それはここにでてくる動物もまったく同等。
生活観も危機感もまるで感じない。
だけれど、こういう気持ちでいけたらいいよね、という点はズバっズバっと心を突いてくる。
きっかけはファンタジーであれ、キセキであれ、なんであれ、立ち上がること、立ち直ること、立ち直る勇気や喜び、美しさを気持ちよくみせてくれる。
いささか伏線やセリフがあざとい、ラストがやりすぎ、て気も2ヶ月前なら思ったかもしれないが、2ヶ月ぶりの映画でこれなら、ちょうどイイネ、イイネ。
でもそれを差っぴいても、これはほんとに見てよかった。
何一つ共感できない男にリアルを感じるなんて、キャメロン・クロウの味ってそうだったよ、そういえば。
素晴らしい映画でした。