地獄の貴婦人(1974)

解説

背徳的な快楽にふける貴婦人姉妹と弁護士がまきおこす猟奇事件を描く。製作はラルフ・ボームとアラン・コワフィエ、監督はフランシス・ジロー、脚本はジロー自身とジャック・ルーフィオの共同、原作はソランジュ・ファスケル、撮影はアンドレアス・ヴァインディング、音楽はエンニオ・モリコーネ、編集はクロード・バロウが各々担当。出演はミシェル・ピッコリ、ロミー・シュナイダー、マーシャ・ゴムスカ、アンドレア・フェレオル、モニカ・フィオレンティーニなど。

1974年製作/フランス
原題:Le Trio Infernal

ストーリー

一九三〇年代初頭のマルセイユ。フィロメーヌ・シュミット(ロミー・シュナイダー)は三十歳。ある老婦人の家の家政婦として働いていたが、夫人が死に、途方に暮れているところをジョルジュ・サレ(ミシェル・ピッコリ)という男に拾われた。サレは著名な弁護士だったが大変な悪党で、フィロメーヌはたちまち情婦に仕上げられてしまう。サレはやがて彼女に夫を世話するが、結婚一ヵ月後にその男は死んでしまう。その間サレは、フィロメーヌの妹カトリーヌ(マーシャ・ゴムスカ)をドイツから呼びよせ、情婦にしてしまう。サレは彼女にフランス語を教え貴婦人に仕立てあげた。そして病身で余生いくばくもないドルトイユという五十男とカトリーヌを結婚させることにした。目的は、生命保険詐欺で、ドルトイユとよく似ている健康な男を捜し、それをドルトイユの替玉に使って保険に加入させ、ドルトイユが死んだらカトリーヌが保険金を受取るという寸法だ。替玉は、僧職を剥離された元伝導師ミシェル・シャンボン(P・ブリザール)で、彼はノエミ(アンドレア・フェレオル)という女と暮らしてた。シャンボンの報酬は二五万フランで、加入手続きが終わり、あとはドルトイユの死を待つばかりだった。彼は三ヵ月後に死に、三人は保険金を山分けした。数か月後、シャンボンが保険金の半分をよこさなければ警察へ訴えるといってきたが、そのときは既に散財してしまっていた。サレはこの窮地を脱するにはシャンボンとノエミを殺す以外にないといい、ある夜、別荘で二人を射殺した。死体は、硫酸の入ったバス・タブで溶かし、液は庭に埋められた。さらにサレは二人の遺産まで手に入れ、その後しばらく身をひそめていた。数ヵ月後、サレは再び動きだし、今度はカトリーヌに保険をかけた。彼女の替玉はマガリ(モニカ・フィオレンティーニ)という病身で身よりのない娘だった。サレは夜な夜なマガリを歓楽街に連れだし疲労させ、さらにカトリーヌを使って同性愛に溺れさせたが、彼女の身体は弱まるどころか逆に元気になってしまった。いらいらしてきたサレは、マガリの誕生日に盛大なパーティを催した。バースディ・ケーキが運び込まれたとき、カトリーヌが二階に上がっていってしまうと、マガリも後を追った。突然、二階から悲鳴が聞こえ、何かが落ちる音がした。サレとフィロメーヌが庭に出てみると、そこにはカトリーヌの無惨な死体があった。それは原因の分からない謎の死だった。いずれにしても、サレの思惑どうり、事故死として多額の保険金がフィロメーヌに支払われた。カトリーヌの葬式が終わると、サレとフィロメーヌは結婚した。マガリを花嫁の付き添いとして……。

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