結婚哲学

解説

オーストリーの首府ウィーンを背景とした結婚問題劇で、ロタール・シュミットの原作を、パウル・ベルンが脚色し、エルンスト・ルビッチが「ロジタ(1923)」に続いて第2回米国作品として監督したものである。「本町通り」のフローレンス・ヴィダー、「本町通り」「舞姫悲し」のモント・ブルー、「結婚とは」「女は曲者」のマリー・プレヴォー、「巴里の女性」「世界の喝采」のアドルフ・マンジュウ、「女の魅力」のクレイトン・ヘール等が主役の立派な役割をもって演じられている。

1924年製作/アメリカ
原題:The Marriage Circle

ストーリー

ストック教授は結婚生活に嫌悪を覚えていた際とて、若く浮気な妻のミッツィが、彼女の親友シャーロットの友フランツ・ブロウンに近付いて行ったとき、離婚の材料ができるとかえって喜んだぐらいであった。シャーロットは夫のフランツを深く愛している。愛しているだけに嫉妬も強かった。一寸の争いからフランツが家を飛び出した後へ、かねてシャーロットを恋していたフランツの友グスターヴ・ミューラーが来て彼女に接吻したが、彼女は夫を愛しているとて彼を拒けた。一方フランツはミッツィに誘われたが、彼も妻を愛しているとて彼女のもとを去った。しかしシャーロットは夫とミッツィとの仲を誤解したが、ミッツィから夫に宛てた恨みの手紙を見て、夫に後ろ暗いところのないのを知った。1度は破れようとした2人の仲は幸福にかえったが、ミッツィとミューラーの新しい友情はまだストック教授をして望み通りの離婚を得させるほど激しいものではなかったのである。

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映画レビュー

3.0映画史のお勉強

2021年12月1日
PCから投稿

大正時代の無声映画をいきなり観ると、どう面白がればいいのか戸惑います。つまらなくもないけど、面白いわけでもないし、やっぱ時代背景とかわからないと評価しようがありませんが、名匠ルビッチ君に敬意を表して3点としましょう。
ただ女の人たちが白黒で同じような顔で同じような髪形なので見分けがつかなくて困った。

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越後屋

4.0ルビッチ・タッチ

2021年3月18日
Androidアプリから投稿

有名な〈ルビッチ・タッチ〉というものが凝縮されている映画だった

不仲なカップルが 他を巻き込んでゆく… みたいな展開で、カップルを一つの単位と考えていた(いる?)欧米社会には有りがちなことかもしれない… とも思った

不仲の方が 圧倒的に面白い
(アドルフ・マンジュー/マリー・プレヴォー)

妻はまさに〈嵐を呼ぶ女〉で
誘惑者、破壊者であるだけでなく、人間の自惚れや底意地の悪さも垣間見せ
例の「女の間に友情は成立するのか…」という問いかけを思い出したりした
プレヴォーをルビッチが気に入っていたことも理解

また貞淑な妻(フローレンス・ヴィダー)も悪気は無いが 勘は悪く、事態を混乱させる

この辺の女性観というか、女性を見る目も的確で感心させられる
(ルビッチが女系家族であることも関係しているらしい)

今見ても 軽妙洒脱
BGMがピアノだけというのも 今日的で、何となくお洒落

しかし私には これがヒーリング・ミュージックになってしまい
何回か中断しながら視聴した

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jarinkochie

4.5子供には見せられない映画のケッサク艶笑喜劇の古典

2020年4月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

洒脱で明朗なルビッチタッチは少しの嫌らしさも無く、いつの時代でも理解しがたい夫婦関係を皮肉とユーモアで面白可笑しく描きます。きつねとたぬきのような女と男の騙しあいや悪ふざけを危険水域ギリギリの一歩手前で切る抜ける巧妙さ。当時のR指定が納得の大人のための内容でも表現は敬服ものです。

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Gustav
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