勝手に逃げろ/人生

劇場公開日:

解説

72年の「万事快調」以来、政治的/実験的な映画に専念していた映画作家ジャン・リュック・ゴダールが商業映画に復帰し、「パッション(1982)」「カルメンという名の女」をはじめとする80年代以降の充実したフィルモグラフィーの幕開けとなった作品。新旧の作品の連続公開で再びゴダールが注目を集めているさなか、15年目にして正式に初公開された。これ以後のゴダール作品に繰り返し現れるスイス・レマン湖畔の美しい自然を背景に、3人の男女の出会いと別れを描く。70年代のゴタール作品で追求されてきたコミュニケーション、労働、性、権力、家族制度といった主題が、スローモーションとストップモーションを多用した瑞々しく、躍動感溢れる映像でつづられている。奇妙な題名は二重の題名のモンタージュで、観客に第三の題名の創造を示唆しているという。「-1=勝手に逃げろ」「0=人生」という導入部に続く、「1=創造界」「2=不安」「3=商売」「4=音楽」の4つの章で構成されている。クレジットはcomposer=構成者となっているゴダール自身の原案を、公私に渡るパートナーであるアンヌ・マリー・ミエヴィル、ルイス・ブニュエル作品などで知られるフランスを代表する脚本家ジャン・クロード・カリエールの共同で脚色(ミエヴィルは編集も担当)。撮影は「ヌーヴェルヴァーグ」のウィリアム・ルプシャンスキーと、「ヘカテ」などダニエル・シュミット作品で知られるレナート・ベルタ。音楽は「愛人 ラマン」「ベティ・ブルー 愛と激情の日々」のガブリエル・ヤーレが担当。主演は「パッション(1982)」「愛・アマチュア」のイザベル・ユペール、「私の夜はあなたの昼より美しい」のジャック・デュトロン、「ゴダールの探偵」「夏に抱かれて」のナタリー・バイほか。

1979年製作/フランス・スイス合作
原題:Sauve qui peut/la vie
配給:広瀬プロダクション
劇場公開日:1995年4月29日

ストーリー

木曜日。テレビ番組のディレクター、ポール・ゴダール(ジャック・デュトロン)はホテルから同僚で別れた恋人、ドゥニーズ・ランボー(ナタリー・バイ)に電話している。彼はホテルを出て車に乗る。一方、ドゥニーズは自転車でレマン湖畔の田舎を走っている。彼女は元活動家で今は地方新聞を発行している旧友ミシェル・ピアジェ(ミシェル・カサーニュ)と出会う。ドゥニーズは田舎からテレビ局のポールに電話し、2年間暖めてきたマルグリット・デュラスが出演する番組の件について話す。ポールは自分の企画した番組を作るために戻ってきたドゥニーズと再会するが、デュラスがいないのを知った彼女はポールを激しくなじる。ポールは別れた妻のポーレット(ポール・ミュレ)、11歳の誕生日を迎えた娘セシル(セシル・タネール)と一緒に食事するが、ポーレットは小切手を、セシルはプレゼントを要求し、気まずい雰囲気になる。その後ポールは映画「街の灯」を観るために並んでいると、娼婦のイザベル・リヴィエール(イザベル・ユペール)に声をかけられ彼女を買う。金曜日。イザベルは売春の元締めロジェ(ロジェ・ジャンドリー)とベルトラン(ベルトラン・カザシュス)に捕まり、勝手に客を取った罰として尻を叩かれる。イザベルが女友達ミシェル(ミシェル・グレゼール)のアパートに帰ると田舎から出てきた妹(アンナ・バルダッチーニ)がいた。金が要るという彼女に売春について教えたイザベルはペルソンヌ氏(フレッド・ペルソンヌ)や実業家風のボス(ローラン・アムステュツ)に買われ、倒錯的なプレイを演じる。彼女はアパートを借りるため、ドゥニーズに電話する。土曜日。ドゥニーズのアパートを訪れたイザベルは、ポールがドゥニーズに飛びかかり、床に倒れるのを見た。ドゥニーズはイザベルにアパートの鍵を貸すことにした後、駅でポールに別れを告げ、自転車で田舎に戻る。水曜日。都会に戻ったポールは街でポーレットとセシルに偶然会った直後、イザベルの妹の乗った車にはねられた。

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映画レビュー

3.5印象に残ったのは商品に対して出せば抑圧する振る舞いの、その方法が提...

2022年5月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

印象に残ったのは商品に対して出せば抑圧する振る舞いの、その方法が提示されているところ。何らかの抑圧的なセリフを強制的にしゃべらせることもそうだし、命令に従わせることもそう。そういった形での4勝4映画の中のいくつかのシーンで現れていて、それは社長とその部下である社員間での抑圧もそうだったけれど、それが最も色濃く表現されるのは翔太園それを買った人との間の関係の中に現れるのではないかと思う。船船4割も我々が暮らしているような道下に管理された売春のシステムの中では、むしろその頭下のほうに暴力装置を持っているので開いた乱暴な振る舞いっていうのができずにあると言うのは悪いことでは無いような気がする。後向かされた個人が自分の体を織物にするとどこまでも際限がなく取り立てられてしまうんだろうけど、それよりはまだ何らかの組織の中足していた方が悪い結果にはならないのではないかと、。いやこんな考え方は多分間違っているんだろう。

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