見たい度推移(赤線は公開日)


このシナリオは「勝手にしやがれ」以前に書かれており、ゴダール自身は“これが本当の意味での処女作”と語っている。まさにその言葉にふさわしい、映画を“撮ること”と“観ること”の喜びが全編を駆け抜ける、幸福感あふれる作品になっている。物語は実にシンプルで、ある同棲カップルの痴話ゲンカの顛末。“どうしても子供が欲しい”女と、“結婚するまで欲しくない”男が、共通の知り合いであるもう一人の男を巻き込んで、ドタバタ騒動を繰り広げる。白を基調としたポップな色彩、生々しくもたおやかなカメラワーク、レイアウト感覚とポエジーが冴える字幕の挿入と、後年のゴダールの“登録商標”が若々しい雰囲気でひしめき合う様は圧巻。映像、音響、音楽が同一方向を目指さず、互いを高め合うような作用を働かせる独自のスタイルは、既にこの時点で完成していたことがわかる傑作だ。



