劇場公開日 2024年4月5日

アイアンクローのレビュー・感想・評価

全213件中、121~140件目を表示

4.0寄り添うことの大事さ

2024年4月9日
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鑑賞方法:映画館

フリッツ・フォン・エリックが「鉄の爪(アイアンクローではないのですよ)」を馬場さんのこめかみに食い込ませ、ダラダラと血を流させたシーンも、その息子たちが全日のリングに登場し、裸足のおにいちゃんがいたとか、兄弟全員が強かったわけじゃなかったとかをTVで見ていたワタシにとっては懐かしさもありましたが、呪われた一族のストーリー全てあ知らなかったので、観ながら肌がゾワゾワしました。
死んだら楽かなぁと思ったことはあっても、死のうとしたことは無いワタシなので、死のうとしたのに死にきれなかった奴は、もうその後死のうと思わないだろうなんて高をくくっていたのに、その身内にある日あっさり逝かれてしまい「なにかできなかったのだろうか」なんておいてけぼり感に苛まされていた立場からすると、両親の立ち位置が全く理解できませんでした。
自分の希望(いや野望?妄想?)を押し付けるだけで、悩み事は「兄弟で話し合え」と投げっぱなしジャーマン的な父、そんなフリッツの事を言葉だけはラブラブ的に語りながらも全てを神に委ねる母、どちらも究極の胸糞悪どもに感じました。
先に逝ってしまった兄弟たち(5歳で亡くなったジュニア以外)は、父への信仰心と、その洗脳が解けた後、どうすればよいのか自己を形成することができなかったのかもしれない、純粋さが産んだ耐性の弱さだろうか、とても悲しかった。
一人残ったケビンだが、彼は愚直に努力する勤勉さ、裏を返せば才能の無さ、そして兄弟に寄り添うことのできる愛情の深さ。そんな彼だからこそ得られた伴侶に寄り添ってもらえる心の支えによって呪いから解放されたのではないだろうか。
本当に悲しい実話ベースの作品だったけれど、ケビンが大家族に恵まれて良かった。
重厚な家族の物語でした。

余談ですが、リングに登場した「シーク」役の人、エンドロールを眺めていたら「チャボ・ゲレロJr.」の文字が、うーん、懐かしかった!

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ニコラス

3.5プロレス版、実話「巨人の星」

2024年4月9日
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悲しい

怖い

このところ実話ベースの映画が多いが(オッペンハイマー、パリ・ブレスト、ラインゴールド、等々)本作も実在のプロレス一家であるフォン・エリックファミリーのお話し。
A24としてはちょっと毛色が変わった作品に思える。

プロレスという題材である以上、登場人物のカラダの作り込みが必須で、この点、ザック・エフロンの身体改造は見事。ストーリーに十分なリアリティをもたせている。 (なかには残念な体型のひともいるが、全員このレベルに合わせるってのは土台無理ですから)

親父の夢を子供に仮託してスパルタ教育するっていう、まあプロレス版巨人の星みたいなもんで、星飛雄馬同様、子供たちはボロボロになって櫛の歯を折るように他界します。(9年間に3人死んでる) 兄弟でただひとり生き残るケビンのラストシーンは、ほっとするやら泣けるやら。

なおフォン・エリック兄弟は映画では早逝した長男含めて5人兄弟として描かれているが、実際は6人兄弟で映画に登場しない末弟の6男も自殺しているという映画以上に悲惨なファミリーだった。

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ばとー

4.0家族と言う呪いと家族と言う救い。偶然か選択か、敷かれたレールから外...

2024年4月9日
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家族と言う呪いと家族と言う救い。偶然か選択か、敷かれたレールから外れた先に差し込んだ光。テンポよく進んでいくお話に、次々と突きつけられる衝撃的な出来事。まさに事実は小説より奇なり。面白かった。

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こち

4.0とにかく再現度が凄いのだが、クリス関連もきちんと描いて欲しかった

2024年4月9日
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悲しい

興奮

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Dr.Hawk

3.5期待度○鑑賞後の満足度○ もう一息で佳作になり損ねた作品。でも演出はしっかりしている。小学生の頃、野球よりプロレスの方が好きだった曾ての少年には『アイアンクロー』というだけで懐かしい。

2024年4月8日
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鑑賞方法:映画館

①アメリカ合衆国の南部のある家族を活写している点では成功していると思う。でも何かもう一つ足りないという感じ。

②フリッツ・フォン・エリックの息子がプロレスラーになったというのは当時のプロレス界で話題になったし、その息子が日本で巡業中に亡くなったというのは結構ニュースになったのを覚えている。

③キャストに有名スターが一人は必要(リリー・ジェームズもいるけど)、ということでザック・エフロンがキャスティングされたのかも、と思うが、熱演だけれどもプロレスラーにしては身体が小さいので違和感は否めない。
それとボディビルダー並みの筋肉を付けての登場だが、実はボディビルダーの様な筋肉モリモリはプロレスラーには適さない。適度に脂肪がないとスタミナが続かないし、それは当時のプロレスラー達の体型を見ればわかる。(最近のプロレス界は違うようだけれども。)その点でも違和感が拭えなかった。

④基本的にはフォン・エリック家の息子達(兄弟)の話だが、実は父親役・母親役の俳優さん達の演技に注目である。

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もーさん

4.5鉄の爪

2024年4月8日
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泣ける

知的

幸せ

肉体は鍛えられる、精神は鍛えられない。
人間追い詰められると行き着く所がそこになる。
実話であるが良くまとめられている。

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こえん

4.0家族をも握りつぶすアイアンクロー

2024年4月8日
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泣ける

悲しい

興奮

プロレス好きの父の影響で、プロレス中継を観たり、観戦に行ったりしたこともあり、昔のレスラーも多少は知っています。そんなわけで、アイアンクローと言えば真っ先にフリッツ・フォン・エリックを思い出しますが、その息子たちのことはよく知らず、本作を通して初めて知ることが多かったです。

ストーリーは、アイアンクローの異名をもつプロレスラー、フリッツ・フォン・エリックに育てられた息子たち、ケビン、デビッド、ケリー、マイクの兄弟は、父の期待に応えるようにプロレス界にデビューし、華々しい活躍を見せるが、その絶頂期に三男のデビッドが病死したことを皮切りに、他の息子たちも次々と悲劇に見舞われたという実話をベースに、“呪われた一家”とまで噂されるようになったフォン・エリック家の姿を描くというもの。

強い絆で結ばれていた家族に降りかかる悲劇は、とても実話ベースとは思えないほどのドラマチックな展開で、ぐいぐい引き込まれます。あのアイアンクロー・フリッツの息子たちに、こんな数奇な運命があったとは全く知りませんでした。厳格な父であったかもしれませんが、愛情をこめて息子たちをたくましく育て上げたフリッツにとって、大切な息子を失うことは身を裂かれるような悲しみだったことと思います。まして、我が子が自死を選択するなんて、親としてこれ以上の深い悲しみはありません。

劇中“呪われた一家”という言葉が何度も登場しますが、終わってみれば、それは父フリッツの呪いだったのでないかと思います。プロレスを愛し、プロレスに取り憑かれたかのように見えるフリッツ。そんな父の姿を見て、父の果たせなかった夢を代わりに叶えたい、父の喜ぶ顔をみたいと、息子たちは自然とそのような思いを抱いたことでしょう。そこに強制はなく、現に円盤投げや音楽の道を目指す息子たちもいましたが、父の心の奥の思いをひしひしと感じ、最終的にはプロレスの道を歩むことを選びます。フリッツが言葉に出さずとも、そこには父の呪縛が確かにあったのだと思います。

そんな息子たちが、少しずつプロレスに心を侵され、蝕まれていくような描写が痛々しいです。父の呪縛によって心を追い詰められた息子たちが、そこからの解放を求めて悲劇的な行為に走ってしまったように映ります。天国で再会した息子たちが穏やかな表情で抱き合うシーン、一人残ったケビンがプロレスから離れて幸せに暮らすシーンが、じわりと沁みてきます。必殺のアイアンクローが、家族の絆を堅く結びつけたものの、その強さゆえに息子たちの人生や命までも握りつぶし、結果として大切な家族を跡形もなく壊してしまったかのように見えたのは、なんとも皮肉なものです。せめてケビンと彼の家族だけは、天国にいる兄弟たちの分まで永く幸せに暮らしてほしいです。

主演はザック・エフロンで、父のいちばんの信奉者であるがゆえに悩み苦しむケビンを好演しています。脇を固めるのは、ハリス・ディキンソン、ジェレミー・アレン・ホワイト、スタンリー・シモンズ、ホルト・マッキャラニー、リリー・ジェームズら。兄弟役は全員みごとにビルドアップしており、バキバキに鍛え上げた肉体はガチのレスラーのようです。

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おじゃる

4.0家族という欺瞞

2024年4月8日
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ケビン目線でストーリーは語られ、一族の紆余曲折を経て次男が父の呪縛から解放されて自立するまでを軸にした本作。

事実を元にしたファミリーストーリーなのかな?と思いきや…
随所に不穏さが散りばめられていきます。
例えば、マイクに対して父が厳しすぎるると、ケビンが母に進言を求めた時…
『兄弟のことは兄弟で解決して』
アバンの車内での一件、詳しくは語られない長男の死を経て、母親はとうに夫婦を諦めているのでしょう。
もっと言えば、男性的な象徴に囲まれた環境下で追いやられ、家族や人生を諦めてきたのかも知れません。
この家族の中では父が絶対であり、そこには絶対的な敬意と愛を示さなければならない。
その後も小さなエピソードを経て、この一家が愛情という幕を被った歪な集合体であることは浮き彫りになります。

そして、兄弟に深い愛情を示し続けるケビンもまた、歪です。
三男の体調不良を知りながら、病院に連れて行かずプロレスを優先させたり
四男がアルコールを摂取していると知りながら、バイクで夜道を走ることを止めなかったり
障害の残る末っ子を記者会見に引きずりだして、再起を誓わせたり…
つまり、彼もまた父の顔色しか見ていません。

自分が父親になっても常に人のせいにして、危うく家庭崩壊に追いやられるか…と思われた終盤からの、
父に対する決別と兄弟を失ったやり切れなさ。
一見すると幸せな家庭を手にした今のケビンは果たして幸せなのか…
見終わった後の切ない余韻が、改めて幸せとは何かを問いかける作品です。

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ゆる

4.0プロレス版亀田三兄弟と想像してはいけない

2024年4月8日
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私が少年時代、男の子は皆プロレスを経験していた。観るだけでなく、技をかけあった。好きじゃない子どもでも、いじめに近い形で技をかけられていたものだ。四の字固めや卍固めコブラツイスト…、本作のタイトルであるアイアンクローも。私も子どものときにやった記憶がある。それくらいメジャーな技ということだ。でもフリッツ・フォン・エリック(本作の父親)の試合を観た記憶はない。マンガのプロレススーパースター列伝で見たということかもしれない。
それくらいプロレスにハマらなかったのに今回観ようと思ったのはザック・エフロンの役作りに驚いたから。予告編で見た彼はプロレスラーそのままだった。実際に本編を観てもその印象は変わらない。なんてすごい俳優になってしまったのだろう。
プロレスがそんなに好きではないから予備知識がほぼゼロの状態で観たが、こんなことが本当に起こるんだという驚きしかなかった。こんなのリアリティがないと修正を求められる脚本だよ。「呪われた一家」と言われるのもわかるし、ケビンにとっては自分にも何かが起こると考えて妻や息子と距離を置こうとする気持ちもわかる。だから、最後のシーンでとてもケビンの未来が明るくなったし、観ているこちらも救われた。この映画の評価はあのラストで爆上がりした感さえある。
正直、親が息子たちを厳しく鍛え上げて世界チャンピオンにしたって話だと、日本では亀田三兄弟を想起してしまう。あれはあれで面白い物語になりそうだが、さすがに本作ほどにはドラマティックにならないだろう。プロレス版の亀田家物語みたいな話なのかと思っている人がいたら全力で否定して諭してあげたい。

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kenshuchu

3.5父親の圧

2024年4月8日
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世界タイトルを取れなかった父親の息子達に対する期待と圧力
父親の指示にイエスとしか答えられないもどかしさ
やがて自分自身を追い詰めて行く息子達
悲劇としか言えない家族愛
せつない映画でした。

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とやひろ

3.0ザック・エフロンの成りきり肉体がすごい

2024年4月8日
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次男以外、男兄弟4人すべてが早世し、「呪われた一家」と呼ばれたプロレス一家の物語り。プロレス界では有名な話らしい。
ザック・エフロンのマッチョな肉体がすごいし、プロレスシーンも本格的。しかし、ドラマとしては深みに欠け、イマイチ盛り上がらなかった。

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ファランドル

4.0レクイエムカット

2024年4月8日
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おもてたんとちがうー。

父フリッツが、
悪役レスラーらしく、
極悪非道、傍若無人、
そんな父を子どもたちが乗り越える・・作品、

まったく違った。

家族思い、
子どもたちへの深い愛、
ゆえの、
厳格さ、
からの、
悲しい実話ベースのストーリーだった。

作る側の愛情も深く、
長い鎮魂カットに、
心を震わされた。

長い鎮魂カットとは。

昨今の映画では、
5秒以上の長いカットは、
基本的に少ない、
周知の事実なので、
理由はここでは触れない。

本作では、
60秒以上の長いカットが
(それ以上かもしれないし、
以下かもしれない)数カットあった。

デビッドの最期の前のカット、
マイクの最期の前の、、
ケリーの最期の前の、、、。

それぞれ、
トイレ、リング、ベッドサイド、
延々と長回しをしていた、
1秒でも1コマでもいい、
長く話していたい。

マイクの最期の前、
リング上で、
ケビンとケリーが練習、
遠くには懐中電灯の灯りが、、、おそらくマイクだろう。
(遠くて懐中電灯の灯りは写らないと推測される、かなり大きなライトを点けているのだろう、技術的には疑問が残るが、思いが技術を超え、常識を破る必殺技だ)

これらの鎮魂カットの、
デビッドで1、
マイクで2、
ケリーで3、
ゴングが響きつつ、
座席から立てなくなった。

ラストの子どもたちに救われた気にもなった。

長いカットや暗いシークエンスは、
良くない評価も出るだろうが、
そんな事に一喜一憂しない、
A24ブランドの必殺技を生み出すスタンスなんだろう。

【蛇足】

本作の三男ケリー、
ジェレミー・アレン・ホワイトが、
スター街道爆進中!

成績優秀だけど気持ちで動くナイスガイ、
ゆえに苦労が多いリップ。
イアン、デビー、カールにリアム、もちろんフィオナも応援してそう・・・
『シェイムレス』

『一流シェフのファミリーレストラン』
カーミー、

そして、
ボス、
ブルース・スプリングスティーン!

うれしい!

ダイナマイトキッドやマスカラスの映画、
日本で公開しないのかなー。

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蛇足軒妖瀬布

3.5世代だからね

2024年4月8日
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ちょうど全日本プロレスにエリックブラザーズが来てたの見てたから余計に面白かったね。
次男だったとは知らんかったけど
ケビン 大家族で幸せに暮らしているのわかっただけでもよかったです

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れっどでび

4.0あちらのスターはここまで体張る根性に驚き

2024年4月8日
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泣ける

悲しい

 いい大人が自らの父親に真顔で「yes sir」と返事をする。フォン・エリック家での常識がこれ。実在のプロレス一家の軌跡を描く、「呪われた一家」と呼ばれるまでの悲劇の連鎖の根底に多分これがある。だからと言って、これの是非を映画は問うている訳でもない。「それは兄弟同士で解決せよ」と突き放すシーンも多々描かれるものの、親子としての注ぎうる愛情は十分に見える。スパルタによる狂信的環境でもなく、むしろ信仰心は厚い。絶対君主のような存在と言うほどでなく、「お前の選択の自由は尊重する、その上でプロレスをやってくれれば嬉しい」と言う。ただし、息子自らが決断した以上それへの徹底を強引に求めるのは確かですが。

 根底には、一家での愛情が満ちていることに尽きる。だから些かエキセントリックではあるけれど普通の一家のホームドラマであり、運悪く悲劇に見舞われた不幸をどう乗り越えるかが描くべきポイントでしょう。ベテラン役者ホルト・マッキャラニー扮する父親フリッツの高圧にならない策略と言いましょうか、兄弟を巧みに競わせベストを引き出す能力は凄い。逆に母親は信仰には驚くほどに熱心だが、それ以上の存在感はまるでない。映画としてはもっと母親の役割を描き込めば悲劇も強調され深みも増しただろうにとも思う。

 このプロットを成立させるために、出演する役者への要求は凄まじく、体を張った鍛錬が要求されたでしょう。ボクシングの映画は数多ありますが、レスラーは少ないですね。米プロレス団体AEWが制作し、元WWE王者がプロレスシーンを指導のようですが、その迫力たるや素晴らしく、役者が見事にやり切っていますね。よくあるカットの積み重ねでやってる感を出すタイプと異なり、正真正銘スターが鍛錬の成果として体を床に叩き付けている。筆頭が長男ケビン役のザック・エフロンで、ティーン・アイドルとして大人気スターの面影払拭する完璧な肉体改造を施し、裸足での格闘をスクリーンに焼き付ける。「レスラー」2008年のミッキー・ロークのレベルです、凄いとしか言いようがありません。

 スターはザックだけかと思ったら驚きました。どっかで見た覚えの三男デビッド役が「逆転のトライアングル」2022年 で主役を張ったハリス・ディキンソンではありませんか。「ブルックリンの片隅で」2017年、「ザリガニの鳴くところ」2022年にも出てましたね。スウェーデンの長身モデル役でスリム体型だったのに、この変貌ですよ。次男ケリー役も四男マイク役も調べましたらキャリア十分な役者でしたね。ここまで役者が体を張ると思い出すのは「カリフォルニア・ドールズ」1981年で、名監督ロバート・アルドリッチの傑作では女子プロを舞台に美人女優が体当たり演技が圧巻でした。

 そして長男の彼女役にあの「シンデレラ」2015年 のリリー・ジェームズとは驚きですね。このキャスティングならば、専制的な義父に反発して一波乱のエピソードでもあるかしらん。でしたが、まるでそんなことはなく一家に馴染み次々と子沢山の古臭い「嫁」のまんまなのが意外でした。

 ラスト近く、天国で再会した者達(実の長男も)の描写には感涙です。エンドクレジットには予定通りに実際の一家の写真とともに彼等のその後がテロップで紹介される。映画化に際しメインとなったのはケビンその人で、逆に言えばそのために、もう一皮めくっての手前で抑えてしまったと推測されるのが惜しいところです。

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クニオ

2.0知ってる内容の答え合わせに。。。

2024年4月8日
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プロレスファンなら誰でも知っている話
というか知ってないなら、プロレスファンとは言えない話

史実なので、現実とは違う点は多々あった
ケビンがやたらマッチョだったり
ケリーがチビすぎたり
挙げればキリがないのでやめておきます

監督の意向なのか、悲劇的な描写には
直接的な映像は避けて
なんとなく察する展開に撮ったのは
プロレスファン以外の方が見た時には
きっと口がポカーンとなるだろう
かなり不親切な作りだった

上記が土台となるので
作品の出来はあまり芳しくない
悲劇的な一家を全面に押し出したい気持ちが強すぎて
一点一点の掘り下げが甘く
ストーリーの先を急ぎすぎてしまって
ケビンの苦悩を描きたいのか
ケリーの憂いを描きたいのか
フリッツの独りよがりがこれを引き起こしたことを描きたいのか
どこかに的を絞って、まとめあげればもっと出来栄えは変わったはず
何を伝えたいのかが
とてもぼんやりしてしまった
残念な感じでした

監督の手腕によって映画は180°変わるなと改めて思い知らさました。

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おっちょ

4.5魂が震える

2024年4月8日
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泣ける

悲しい

僕自身もともとプロレスに関しては昔からそこまで興味はなく、でも「アイアンクロー」という必殺技は聞いたことがあるぞ、というくらいの初心者レベル。なのでフリッツ・フォン・エリックというプロレスラー名までは記憶に無かったし、もちろん一家の悲劇も全く知らなかった。

ただ番宣で非常に惹かれて、思わず速攻で鑑賞してきた。結果…やられました。事前の予想を大きく超えてくれた。

実話に基づくとの事だが、ちょっと信じがたいほどの悲劇の連鎖。当初は一家の悲劇を淡々とドキュメンタリー的なタッチで描くのかと想像していたが、思いのほか家族ドラマとしてきっちり成立させていた。

特にケビン(ザック・エフロン)には泣かされた。優しさゆえの気弱で繊細な性格、実は次男なのに長男的な役割に徹し、父親との歪んだ主従関係に苦しみ、弟達への嫉妬と憎しみを一人で抱え、それでも何があっても家族を愛し続ける一途さ。なのに止まらぬ悲劇。そして何よりもプロレスラーとしては「平凡な才能」という悲しさ。

彼がどんな思いで生きた来たんだろうと想像するだけで号泣ものです。ケビンが色んな場面で見せる戸惑いの表情。たまらんかったなあ。優しい人ゆえに傷つきやすいのよね。地獄のような展開の最後、ケビンの現在がとても幸せである事が分かり、涙が止まらなかった。あのラストに本当に救われた気持ちになれた。

役者陣は肉体作りも含め素晴らしかった。
そのマッスルな仕上がりは決して「なんちゃって」などではなく、役者達がこの作品に真剣に打ち込んだであろう本気さを強く感じた。あと個人的に一番痺れたシーンはリック・フレアーの「煽りV」。TVの中で狂犬のごとく吠えまくるリック・フレアーがマジで凄過ぎて、ずっと鳥肌が止まらなかった。

ていうか登場したプロレスラー、みな似すぎてないか?(笑)

なお作品としては別に凝った作りでもないし、何の小細工もない。伏線もないから回収もない、おしゃれさも全く皆無。つまり何のひねりもないどストレートな作品と言える。でもそれが良いんだよね。だからこそこの作品は光るんだと思う。つまりはそういう意図で作られたのだろう。

プロレスに興味のない方でもおそらく存分に楽しめる作品じゃないかな。それにしても今年は「当たり」が多いなと思う。

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luna33

4.0家族の物語だった

2024年4月8日
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泣ける

悲しい

興奮

プロレスは子供の頃に見てた程度で全然詳しくないけど、A24製作でザック・エフロンが出てるのが気になり鑑賞。
結論としては、すごく良かった。
予告編をみる限りでは脳ミソ筋肉のスポ根映画かと思っていたら、プロレスではなく家族のありかたに焦点をあてた作品で、思わず最後泣いてしまった。
最初は兄弟同士すごく仲が良くて癒されていただけに、後半の悲しい展開とのギャップが凄い。
エンディングでは、かつて末っ子がバンドで歌っていた「Live that way forever」が流れるのが切なくも、新しい家族の始まりを予期させて心震えた。

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タブロー

3.0呪われた一族ではなく…

2024年4月8日
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単に無謀で不注意で思慮に欠けてるだけでは…。
実際、生き残った彼は子沢山で、とても呪われてるとは言い難い。

実話なので似せてるのかもしれないけど、
ザック・エフロンは年々汚ねえ見た目になってきて、
果たして元々のファンがどれぐらい残っているのか…。

客席はシニア男性お一人様率が異常に高くて、マナーが悪くて閉口。
・スナック菓子持ち込み、静かなシーンに袋パリパリ張り切って食べる
・大声の独り言(感想・予想)
耳が遠くなると、こうなってしまうのだろうか…。
どう考えてもザック・エフロンのファンではない。

日本で腸が破裂して死亡って、そこ見たかった。

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ababi

3.0男の中の男!

2024年4月7日
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役者さんは凄い!の範疇を超える映画ではないのが残念。
プロレスラーの魂の内面まで描く余裕はなく、悲惨なエピソードの羅列。
歪んマッチョイズムや父親からの呪縛からの開放みたいなテーマを引き出す事も、自分には出来ませんでした。
女の子のように可愛く育った息子達も、今じゃプロレスラーというオチつき。
奇しくも先日は、プロレス界の女帝ブル中野選手がWWE殿堂入り。
日本プロレス界じゃ女子の方がカッコいいです。
日本プロレス界の狂気の4兄弟、松永兄弟の映像化求む。
もしくはパット・パターソン!
彼こそ偏見と闘い続けた男の中の男でしょ!

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こうた

4.0無事これ名馬?

2024年4月7日
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泣ける

興奮

難しい

昔のプロレスラーは
今にも増してキャラが立っていたなと思う。

例えば「吸血鬼」と呼ばれた『フレッド・ブラッシー』は
歯をやすりで研ぎながらの入場。

勿論、実際に歯に当てていないだろうし、
「噛みつき」そのものも反則技、とは言え
カウント4までなら許されるとのルール(?)を逆手に取った
一種のギミック。

それを斟酌せず、幼い頃は随分と興奮したもの。

また、技の名前とレスラーの名前が紐づいているのもお約束。

『ブル・ロビンソン』なら「人間風車(ダブルアーム・スープレックス)」、
『ブルーノ・サンマルチノ』なら「人間発電所」で「カナディアン・バックブリーカー」と、言うように。

で、今回のタイトルにもなっている「アイアン・クロー」。
本来なら「ブレーン・クロー」が正式名称も、
「アイアン・クロー」と呼称されれば、
第一の使い手『フリッツ・フォン・エリック』と一体化。

1960~70年代は『馬場』や『猪木』と抗争を繰り広げ、
利き手の右手首に左手を添え、大仰にこめかみを掴むシーンを今でも覚えている。

もっともその対抗措置として、
手を鉄柱に打ち付ける等を、やはり芝居っ気たっぷりに行うのだが(笑)。

本作は彼が引退しプロモーターになり、
四人の子供(実際子供は六人。長男は夭逝、六男はいないことになっている)を
プロレスラーとして育て上げることから始まる。

父親として『フリッツ』は「プロレス界で最強の一家」になることを目指すも、
不思議なことにプロレスラーになることを表立って強制はしない。

寧ろ息子たちが自発的にそうなるようにソフトに誘導。

とは言えそのスタンスが、後々息子たちを苦しめ、過剰なプレッシャーを与え、
悲劇の連鎖を生む要因に。

アドバイスやいたわりの言葉を求めても
「そんなことは兄弟間で解決しろ!」と言い放つ、
ある種の責任逃れ。

レスラーやプロモーターとしては優秀も
家族の長としてみた時には首を傾げざるを得ない。

そこが〔ドリームプラン(2021年)〕で描かれた父親像とは
かなり違っているのだが、どちらも
近付きにはなりたくないタイプ。

が、主人公はあくまでも「フォン・エリック・ファミリー」の長男としての(実際は次男)
『ケビン(ザック・エフロン)』。

一番最初にデビューしたものの、弟の『デビッド』ほど口も達者ではないし、
『ケリー』のように華もない。

ピンでは輝けずに「エリック兄弟」の構成員としての価値しかなく、
チャンピオンベルトへの挑戦権もままならず。

弟の二人ほど、自分の記憶にも残っていない。

もっとも自分がプロレスをよく見ていたのは
『デビッド』が日本で客死し、
『ケリー』が「狂乱の貴公子」こと『リック・フレアー』を破り
「NWA世界ヘビー級王者」戴冠の頃までで、
その後の「呪われた一家」となった背景も
この映画で初めて知ったくらい。

太く短く生きるのと
細く長く生きることはどちらが幸せとの命題は、
ここでは後者を是としているよう。

弟たちを思いやりつつ、
父親の頸木を断ち切った者は今でも存命、
大家族の長となっている。

ただ、自身の子供の何人かは
やはりレスラーになっており、血は争えない、か。

劇中「ショー」との表現が頻出し、
『ブルーザー・ブロディ』が試合前に「アングル」を段取りするシーンも挿入される。

じゃあ、まるっきり筋書きのあるドラマかと言えば、
リング上での怪我は日常茶飯時で、時として死者さえ出る現実。

当の『ブロディ』もロッカールームで同僚に刺殺される等の
事件も頻発。

有名な一家に仮託し、プロレス界の典型的な裏面史を語るのが目的なのか、
それとも心優しい男の半生を描くことが目的なのか、
焦点がぼやけてしまっているのはどうにも不満。

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ジュン一