劇場公開日 2024年2月23日

「この路線のヒーロー映画をもっと観たい!」マダム・ウェブ サブレさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0この路線のヒーロー映画をもっと観たい!

2024年2月25日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

予告で女性が黒いスパイダーマンから三人の女性を護る…ということ以外よくわからないまま鑑賞。本家マーベルはコケ始めたし、モービウスやカーネイジはピンと来なかったため、あまり期待していなかった。しかし…度肝を抜かれた。
何せヒーローがヒーローらしい姿で出てこない。にも関わらず、面白い。振り返ってみると、「超人的パワーを手に入れた悪党が、将来自分の地位を脅かす子供を殺そうとする。主人公はそれを護る」というだけなのだが、鑑賞中は終始次の展開が気になって仕方がなかった。

ここ最近のマーベルヒーローは「いかにも」な感じのヒーローコスチュームが多く、アイアンマンや旧キャプテン・アメリカのリアル向けアレンジを恋しく思っていたところだった。そこに現れたコスをまとわないヒーロー、マダム・ウェブ。展開に予想がつかなかったのは、彼女には不確かな未来予知しかない上に、ヒーローコスがなかったからだ。
もちろんサスペンスな作りが予想をさせない第一要素ではあるが、コスがないと誰がヒーローがわからないため、セオリーの指標がなくて予想がつけられなかった点はあったと思う。
そして、逆に敵だけがコスをまとっていた点も良い。暗躍するための黒いスーツがスパイダーマン特有の機敏で滑らかな動きに絶妙にマッチしていて、不気味な悪党感を醸し出していた。

だから、終幕後の展開は好みではない。キャシーたちの住居は「いかにも」な雰囲気があり、キャシーは「いかにも」なグラサンをかけてヒーロー職で食っていく気満々だ。そして、少女たちの「いかにも」なコスチュームはスパイダーマンとしての義務なのか…。あれだけ、すごく浮いていた。

サブレ