激震!2017年ハリウッドを揺るがした3大不祥事
2017年12月27日 13:30
[映画.com ニュース] 2017年も終わりに近づいてきました。皆さんにとってどんな1年でしたか? 今年は洋画が豊作でしたが、ハリウッドではトラブルが続出。今回は、2017年ハリウッドを揺るがした3大不祥事を振り返ってみましょう。
映画界最大の祭典、アカデミー賞。ハリウッドの頂点ともいえる晴れ舞台で、発表ミスというまさかのハプニング。授賞式のクライマックス、作品賞受賞作として名前を呼ばれたのは「ラ・ラ・ランド」。キャスト・スタッフがステージに上がり、喜びのスピーチが始まったのですが……。
突然、プロデューサーのジョーダン・ホロウィッツが封筒を掲げて、「ムーンライト」が受賞作であると訂正したんです。「えっ、ウソでしょ!?」とテレビ中継を見ながら大パニック。こんな肝心なとこ間違えるなんて信じられない!!!
ホロウィッツが「ムーンライト」のバリー・ジェンキンス監督にオスカー像を譲り、正真正銘の受賞スピーチがスタート。予想外のアクシデントにも関わらず、後ろのほうでずっとニヤニヤしていたライアン・ゴズリングの顔が、いまだによみがえってきます。
前代未聞のミスは、舞台袖にいた担当者がTwitterに興じていて、プレゼンターのウォーレン・ベイティに誤った受賞結果のアタッシュケースを渡したのが原因。しっかりしてよね。大失態をしでかした担当者はもちろん出禁になったそう。この一件、来年の授賞式ではギャグのネタになりそうな予感。
夏には悲しい事故のニュースが連続して飛び込んできました。7月、人気サバイバルドラマ「ウォーキング・デッド」撮影現場で、建物の屋上からダイブしたスタントマンが、着地位置が悪かったために命を落としてしまいました。米Deadlineによれば、アメリカ国内でスタント事故による死亡者が出たのは17年ぶりだそう。翌8月には、異色のヒーロー映画「デッドプール2(仮題)」で、バイクのスタントに挑んだ女性レーサーが建物に衝突して帰らぬ人に……。本当に残念です。
手に汗握る迫力満点のアクションは大好きだけど、多くの人を楽しませる映画やドラマだからこそ、痛ましい事故とは無縁でいてほしいと願うばかりです。
そして、2017年ハリウッドをもっとも揺るがしたのは、相次いだセクハラ・性的暴行の告発。大物プロデューサーのハーベイ・ワインスタインの過去30年以上にわたるセクハラ行為をニューヨーク・タイムズ紙が暴露したのをきっかけに、大勢の女優や映画関係者たちが自分たちの体験談を次々に告白。その数、なんと80人以上! 傍若無人なふるまいが明らかになり失脚したワインスタインですが、セクハラ等の事実は認めておらず反省の色はなし。往生際が悪いったらありゃしない。
それにしても、出るわ出るわ。ピクサーの創設者ジョン・ラセターに、オスカー俳優のケビン・スペイシーにダスティン・ホフマンらビッグネームが次々と挙がり、「えっ、あの人もなの!?」と毎日のようにビックリしっぱなし。テレビ界でも大物キャスターや名物司会者がセクハラ疑惑で続々と退場。退任に追い込まれたスタジオ幹部も、1人や2人ではありません。ハリウッドが男性優位社会であることは以前から問題視されていましたが、ここまで女性軽視が横行していたなんて、怒りを通り越して悲しくなってしまいます。
性犯罪に対する抗議運動は、ショウビズ界にとどまらず一気にヒートアップ。SNSでは「#MeToo」のハッシュタグをつけた体験談であふれかえりました。そして、米タイム誌の恒例企画「今年の人」で選出されたのは「沈黙を破った人々」。ワインスタインの告発記事から2カ月あまりで、セクハラ問題が社会問題として認識されるまでになったのは、葛藤(かっとう)や偏見を乗り越えて声を上げた女性たちの勇気の賜物でしょう。
今回のセクハラ騒動でわかったのは、年齢・性別・職業に関わらず、不快な体験を我慢してきた人たちがこんなにも大勢いるということ。ハリウッドがこの問題をどのように改善していくのか。世界への発信力をもつ映画人たちの対応から目が離せません。
2018年はハッピーで楽しい話題をたくさんお届けできますように。それでは皆さん、よいお年をお迎えください。
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「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
ハングルを作り出したことで知られる世宗大王と、彼に仕えた科学者チョン・ヨンシルの身分を超えた熱い絆を描いた韓国の歴史ロマン。「ベルリンファイル」のハン・ソッキュが世宗大王、「悪いやつら」のチェ・ミンシクがチャン・ヨンシルを演じ、2人にとっては「シュリ」以来20年ぶりの共演作となった。朝鮮王朝が明国の影響下にあった時代。第4代王・世宗は、奴婢の身分ながら科学者として才能にあふれたチャン・ヨンシルを武官に任命し、ヨンシルは、豊富な科学知識と高い技術力で水時計や天体観測機器を次々と発明し、庶民の生活に大いに貢献する。また、朝鮮の自立を成し遂げたい世宗は、朝鮮独自の文字であるハングルを作ろうと考えていた。2人は身分の差を超え、特別な絆を結んでいくが、朝鮮の独立を許さない明からの攻撃を恐れた臣下たちは、秘密裏に2人を引き離そうとする。監督は「四月の雪」「ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女」のホ・ジノ。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
2012年に逝去した若松孝二監督が代表を務めていた若松プロダクションが、若松監督の死から6年ぶりに再始動して製作した一作。1969年を時代背景に、何者かになることを夢みて若松プロダクションの門を叩いた少女・吉積めぐみの目を通し、若松孝二ら映画人たちが駆け抜けた時代や彼らの生き様を描いた。門脇むぎが主人公となる助監督の吉積めぐみを演じ、「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」など若松監督作に出演してきた井浦新が、若き日の若松孝二役を務めた。そのほか、山本浩司が演じる足立正生、岡部尚が演じる沖島勲など、若松プロのメンバーである実在の映画人たちが多数登場する。監督は若松プロ出身で、「孤狼の血」「サニー 32」など話題作を送り出している白石和彌。
若松孝二監督が代表を務めた若松プロダクションの黎明期を描いた映画「止められるか、俺たちを」の続編で、若松監督が名古屋に作ったミニシアター「シネマスコーレ」を舞台に描いた青春群像劇。 熱くなることがカッコ悪いと思われるようになった1980年代。ビデオの普及によって人々の映画館離れが進む中、若松孝二はそんな時代に逆行するように名古屋にミニシアター「シネマスコーレ」を立ち上げる。支配人に抜てきされたのは、結婚を機に東京の文芸坐を辞めて地元名古屋でビデオカメラのセールスマンをしていた木全純治で、木全は若松に振り回されながらも持ち前の明るさで経済的危機を乗り越えていく。そんなシネマスコーレには、金本法子、井上淳一ら映画に人生をジャックされた若者たちが吸い寄せられてくる。 前作に続いて井浦新が若松孝二を演じ、木全役を東出昌大、金本役を芋生悠、井上役を杉田雷麟が務める。前作で脚本を担当した井上淳一が監督・脚本を手がけ、自身の経験をもとに撮りあげた。