ムーンライト 特集: アカデミー賞の歴史を変えた、きらめく映像美とともに後世まで語られる愛の物語 今《作品賞》を見る準備は整った──文句なしの傑作、本作こそが我々が映画を見る理由

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ムーンライト

劇場公開日 2017年3月31日
2017年3月27日更新

アカデミー賞の歴史を変えた、きらめく映像美とともに後世まで語られる愛の物語 
今《作品賞》を見る準備は整った──
文句なしの傑作、本作こそが我々が映画を見る理由

劇場・配給会社が映画ファンの期待に応えるため、予定を約1カ月前倒しにして公開! 劇場・配給会社が映画ファンの期待に応えるため、予定を約1カ月前倒しにして公開!

第89回アカデミー賞で作品賞、助演男優賞、脚色賞に輝いた「ムーンライト」が、いよいよ3月31日に待望の日本公開を迎える。マイアミを舞台に、アイデンティティを模索する1人の少年の成長を、3人の俳優が3つの年代で演じ分けた構成と、きらめくような映像美が話題のヒューマン・ドラマ。ブラッド・ピットが製作総指揮に名を連ね、「007」シリーズのナオミ・ハリス、「ハウス・オブ・カード 野望の階段」のマハーシャラ・アリが脇を固めた注目作に迫る。


すい星のごとく現れ、世界中から愛され、時代に求められて頂点に──
日本の映画好きにこそ後押ししてほしい「私たちが見ないで誰が見るのか」

アイデンティティを探し求める主人公シャロンを、異なった3人の俳優が年代別に演じる アイデンティティを探し求める主人公シャロンを、異なった3人の俳優が年代別に演じる

「早く見たい!」という映画ファンの声と、劇場、配給会社の熱意によって、当初の予定よりも約1カ月も公開が早まった「ムーンライト」。アカデミー賞授賞式でのまさかの発表間違いで、一般的にも一躍知名度が高まることになったアカデミー賞作品賞の真の魅力が、いよいよ日本でもお披露目となる。

「リトル」と呼ばれる幼少期のシャロンを演じるのは、アレックス・ヒバート 「リトル」と呼ばれる幼少期のシャロンを演じるのは、アレックス・ヒバート

マイアミの貧しい家庭で、麻薬中毒の母親とのふたり暮らし。孤独を抱えながらも自分の居場所を探し続ける主人公シャロンの姿を、幼少期、少年期、青年期の3つの時代に分け、色鮮やかな映像美と情緒的な音楽で繊細に映し出していく。過去に1作しか長編を手掛けたことのないバリー・ジェンキンス監督が、同じ境遇を持つタレル・アルビン・マクレイニーが著した戯曲と出合い、小規模ながらも尊い思いを強く込めて、自伝的ともいえる映画として撮り上げた。

少年期のシャロン役に扮したのは、アシュトン・サンダース(右) 少年期のシャロン役に扮したのは、アシュトン・サンダース(右)

閉塞感や排他性を強めていく世情と、そうした状況の中で湧き起こっている多様性を受け入れようとする人々の心の変化。並みいる大作や話題作を退けて数々の映画賞を受賞し、ついにはアカデミー賞で作品賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)、脚色賞の栄誉に輝いた躍進は、まさに時代が求めた結果と言えるだろう。タイトルが示す通り、主人公、そして見る者を、ほのかに温かく照らす月明かりのような作品。「ムーンライト」は、映画好きにぜひ注目してほしい、そして後押ししてほしい一作だ。

よろいのような筋肉をまとった青年期役は、元アスリートのトレバンテ・ローズ(右) よろいのような筋肉をまとった青年期役は、元アスリートのトレバンテ・ローズ(右)
史上初の“事件”ともなってしまった、栄えある第89回アカデミー賞授賞式での様子 史上初の“事件”ともなってしまった、栄えある第89回アカデミー賞授賞式での様子

長編は2作目の無名監督、主演俳優も無名という作品だっただけに、当初はノーマークだった「ムーンライト」。16年のテルライド映画祭での上映を皮切りに、瞬く間にその評判が広がっていくことになるのだが、最後までアカデミー賞作品賞の本命は「ラ・ラ・ランド」だと目されていた。だが、結果は周知の通り。オスカー前しょう戦ではゴッサム・インディペンデント・フィルム・アワードほか、ゴールデングローブ賞、インディペンデント・スピリット賞で作品賞を受賞し、作品賞の総獲得数は18。実は「ラ・ラ・ランド」の16を超えていたのだ(受賞数は米エンタメサイト「The Warp」による)。

(左から)ジュリア・ロバーツ、B・ジェンキンス監督、T・ローズ、B・ピット (左から)ジュリア・ロバーツ、B・ジェンキンス監督、T・ローズ、B・ピット

無名の監督&キャストによる小規模作品ながら、製作陣には、映画ファンにはおなじみ……それも信頼の置ける顔ぶれが名を連ねていることに注目したい。製作総指揮はブラッド・ピット。企画、製作手腕には定評があり、「それでも夜は明ける」ではプロデューサーとしてオスカーを手にしている。ピット率いるプランBエンターテインメントは、以前からジェンキンス監督を高く評価。素晴らしい脚本にすぐにGOサインを出した。さらに製作を支援したもう1社であるA24も、「ルーム」「エクス・マキナ」というアカデミー賞関連作を送り出した製作・配給会社なのだ。

(左から)幼少期、少年期、青年期それぞれの主演俳優をモチーフにしたビジュアル (左から)幼少期、少年期、青年期それぞれの主演俳優をモチーフにしたビジュアル

1人の主人公の人生が、幼少期、少年期、青年期の3つの時代で描かれる本作。演じている俳優はそれぞれアレックス・ヒバートアシュトン・サンダーストレバンテ・ローズという別々の人物だが、同じ内面を持つ、同じ1人の人物にしか見えないのが不思議だ。自我、性、自分の存在意義に各年代で目覚めていく内面を、“同じ瞳”が物語るのだ。これを実現させたのは、「映画において、“目”は観客のための窓である」というジェンキンス監督の強いこだわり。「同じフィーリング、同じ雰囲気、同じ要素をもつ俳優を探そうと思った」と、あらゆる手を尽くして、同じ光をたたえた目を持つ3人を探し抜いた。

シャロンの父親的存在となるフアン役のマハーシャラ・アリが、初のオスカーに輝いた シャロンの父親的存在となるフアン役のマハーシャラ・アリが、初のオスカーに輝いた

リトルとあだ名される内向的な少年が、貧しい家庭環境や過酷なイジメにさいなまれながらも、父親のような存在となる麻薬ディーラーや親友との関わりのなかで、1人の人間として成長を遂げていく。過剰なあおりなどない繊細なドラマが、どうにもならない日常へのあせりや、大切な人を思う切ない気持ち──あらゆる立場を超えた普遍的な思いを、見る者の心にしみ込むようなセリフとともに紡いでいく。「月明かりで、お前はブルーに輝く」という言葉は、どんな人種であろうとも、月明かりの下ではそれぞれが持つ個性がより輝くという意味にも捉えられるのだ。


本作は──《アカデミー賞の歴史を変えた1本》
映画ライター・よしひろまさみちが語る「これまでの傑作が成しえなかった快挙」

3人の映画ライター、評論家が見つめた「ムーンライト」。映画ライターのよしひろまさみち氏は、「ブロークバック・マウンテン」「キャロル」でも成しえなかった、アカデミー賞の歴史を変えた快挙について注目した。

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本作は──《最も美しい人生、そして愛の物語》
評論家・芝山幹郎が語る「後世にまで伝えたい詩的なラブ・ストーリー」

評論家の芝山幹郎氏は、本作の持つ静かで詩的な物語の美しさに注目。観客を巻き込む、普遍的な愛の物語を独自の感性で論じた。

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本作は──《光のマジックと名作オマージュが見る者を魅了》
映画ライター・萩原麻理が語る
「最新の映像技術で映し出される、きらめく程の映像美」

本作が放つ映像美に注目したのは、映画ライターの萩原麻理氏。監督が名作に捧げたオマージュとともに、こだわり抜かれた光のマジックについて明かした。

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