ブロンディ : ウィキペディア(Wikipedia)

ブロンディBlondie)は、アメリカ合衆国出身のロックバンド。

女性ボーカリスト デボラ・ハリーが在籍し、1970年代末から隆盛した「ニュー・ウェイヴ」の代表的グループとして知られる。1982年に一度解散したが、1997年に再結成。

全世界のアルバム・セールスは4000万枚以上。2006年『ロックの殿堂』入りロックの殿堂入りを果たした伝説のバンド、ブロンディが新録ベスト盤&ニュー・アルバムをリリース! - CDjournal。

経歴

1974年、ガールズ・バンド「スティレットーズ」に所属していたデボラ・ハリーと、バックバンドにいたクリス・シュタインが中心となって結成された。「ブロンディ」というバンド名は通りがかりのトラックの運転手がハリーにかけた言葉("Hey Blondie"=「よぉ、ブロンドのお姉ちゃん」)に由来する。1975年にはハリー、シュタイン、クレム・バーク、ジミー・デストリ、ゲイリー・バレンタインというメジャーデビュー時のメンバーが揃い、CBGBなどのニューヨークの有名クラブに出演することで徐々に地元で人気を獲得していく。

1976年12月、デビュー・アルバム『妖女ブロンディ(Blondie)』発表。直後にバレンタインが脱退(ただし、次作にも曲提供している)し、フランク・インファンテが新ベーシストとなるが、間もなく元シルヴァーヘッドのナイジェル・ハリスンがベーシストとして加わったため、インファンテはギターに持ち替えた。

1977年、前年に出した2枚目のシングル「愛してほしい(In the Flesh)」をクリサリス・レコードから再発売。同曲はオーストラリアで2位を記録した。

1978年2月、セカンド・アルバム『囁きのブロンディ(Plastic Letters)』発表。シングルカットされたカバー曲「デニスに夢中」がイギリスで2位、オランダで1位、ベルギーで1位、アイルランドで3位を記録。主にヨーロッパで人気に火が付く。

1979年、シングル曲「ハート・オブ・グラス」が米国、イギリスなど6か国で1位を記録。ハリーはセックス・シンボルとしても大いに注目されるようになる。

1980年2月公開の映画『アメリカン・ジゴロ』に、ハリーとジョルジオ・モロダーが共同で作詞作曲した「コール・ミー」を提供。同作品は米英で1位を記録した。同年10月に発表したカバー曲「夢みるNo.1」も米英で1位を記録。

途中メンバーのソロ作制作もはさみながら活動を続けたが、シュタインがまれな自己免疫疾患である 尋常性天疱瘡にかかっていることが判明。ハリーはシュタインの看病に当たることを決め、バンドは1982年に解散した。

1981年、映画『007 ユア・アイズ・オンリー』の主題歌候補として「For Your Eyes Only」(詞も曲も異なる)を歌うが、最終選考でシーナ・イーストンに敗れた。

再結成後

1997年に再結成。1999年、再結成後初のシングル「マリア」をリリースし、19年ぶりに全英ナンバーワンを獲得した。1999年には17年ぶりの7thアルバム『ノー・エグジット』を発表。

その後は『カース・オブ・ブロンディ』(2003年)、8年ぶりの作品『パニック・オブ・ガールズ』(2011年)ブロンディが8年ぶりの新作『Panic of Girls』をリリース - RO69、デビュー40周年作品『Blondie 4(0)-Ever』(2014年)ブロンディがニュー・アルバムと新録ベスト・アルバムをセットにした『Blondie 4(0)-ever』を5月発売 - amass、最新作『ポリネーター』(2017年)ブロンディ、3年ぶり新作にジョニー・マー、シーア、チャーリーXCXら集結 - BARKSなど、アルバムリリースを重ねている。

2006年にロックの殿堂入りブラック・サバス他、ロックの殿堂に決定!barks 2005-11-29。

評価

当初はニューヨーク・パンク・バンドの一つとされていたが、後に「ハート・オブ・グラス」でディスコ、「ラプチュアー」ではラップといった、当時最先端の音楽にも手を広げ、ニュー・ウェイブの範疇で評価されることもあった。同時に、ロックステディ・グループのパラゴンズの「夢みるNo.1」や、ドゥーワップ・グループのランディ&ザ・レインボウズの「Denise」(邦題は「デニスに夢中」)をカヴァーしたり、ガレージ・ビート系のアレンジを積極的に取り上げるなど、新旧織り交ぜた音楽性を魅せた。

メンバー

現ラインナップ

  • デボラ・ハリー (Debbie Harry) - ボーカル (1974年- )
  • (Chris Stein) - ギター (1974年- )
  • トミー・ケスラー (Tommy Kessler) - ギター (2010年- )
  • リー・フォックス (Leigh Foxx) - ベース (2004年- )
  • マット・カッツ=ボーエン (Matt Katz-Bohen) - キーボード (2008年- )
  • (Clem Burke) - ドラムス (1975年- )

File:BlondieRoundhouse030517-17 (34284161962) (cropped).jpg|デボラ・ハリー(Vo) 2017年 File:Blondie - Chris Stein - Zwarte Cross 2011.jpg|クリス・シュタイン(G) 2011年 File:Kessler.jpg|トミー・ケスラー(G) 2010年 File:Blondie - Leigh Foxx - Zwarte Cross 2011.jpg|リー・フォックス(B) 2011年 File:Matt_Ky.jpg|マット・カッツ=ボーエン(Key) 2014年 File:Clem Burke.jpg|クレム・バーク(Ds) 2008年

旧メンバー

  • フレッド・スミス (Fred Smith) - ベース (1974年-1975年)
  • ビリー・オコーナー (Billy O'Connor) - ドラムス (1974年-1975年) R.I.P.2015年
  • アイヴァン・クラール (Ivan Kral) - ギター (1975年)
  • ティッシュ・ベロモ (Tish Bellomo) - バッキング・ボーカル (1975年)
  • アイリーン・ベロモ (Eileen Bellomo) - バッキング・ボーカル (1975年)
  • ゲイリー・バレンタイン(Gary Valentine)() - ベース (1975年-1977年、1997年)
  • ジミー・デストリ (Jimmy Destri) - キーボード (1975年-2004年)
  • (Frank Infante) - ギター (1977年-1982年)
  • ナイジェル・ハリスン (Nigel Harrison) - ベース (1978年-1997年)
  • ケビン・パトリック (Kevin Patrick (aka Kevin Topping)) - キーボード (2003年-2007年)
  • ジミ・K・ボーンズ (Jimi K Bones) - ギター (2003年)

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

アルバム名USチャートUKチャート
1976年妖女ブロンディ - Blondie--
1978年囁きのブロンディ - Plastic Letters7210
1978年恋の平行線 - Parallel Lines61
1979年恋のハートビート - Eat to the Beat171
1980年オートアメリカン - Autoamerican73
1982年ザ・ハンター - The Hunter339
1999年ノー・エグジット - No Exit183
2003年カース・オブ・ブロンディ - The Curse of Blondie16036
2011年パニック・オブ・ガールズ - Panic of Girls -73
2014年ゴースト・オブ・ダウンロード - Ghosts of Download (Blondie 4(0)-Ever)10916
2017年ポリネーター - Pollinator634

シングル

曲名USチャートUKチャートアルバム名
1976年"X-Offender"--Blondie
1976年"In the Flesh"--Blondie
1976年"Rip Her to Shreds"--Blondie
1977年デニスに夢中("Denis")-2Plastic Letters
1977年"(I'm Always Touched by Your) Presence, Dear"-10Plastic Letters
1978年"Picture This"-12Parallel Lines
1978年"Hanging on the Telephone"-5Parallel Lines
1979年ハート・オブ・グラス ("Heart of Glass")11Parallel Lines
1979年"Sunday Girl"-1Parallel Lines
1979年"One Way or Another"24-Parallel Lines
1979年ドリーミン ("Dreaming")272Eat to the Beat
1979年"Union City Blue"-13Eat to the Beat
1980年"The Hardest Part"84-Eat to the Beat
1980年コール・ミー ("Call Me")11アメリカン・ジゴロ ("American Gigolo soundtrack")
1980年銀河のアトミック("Atomic")391Eat to the Beat
1980年夢みるNo.1 ("The Tide Is High")11Autoamerican
1981年ラプチュアー ("Rapture")15Autoamerican
1982年誘惑の楽園("Island of Lost Souls")3711The Hunter
1982年"War Child"-39The Hunter
1999年マリア ("Maria")821No Exit
1999年"Nothing Is Real But The Girl"-26No Exit
1999年"No Exit"--No Exit
2003年"Good Boys"9612The Curse of Blondie
2006年"Rapture Riders"--Best of: Sight & Sound

備考

  • 「コール・ミー」はオリジナル・アルバムには収められていないが、『オートアメリカン』アナログ日本盤の発売当時、スパニッシュ・バージョン、「ヒーローズ (Live Version)」とのカップリングでシングル盤がオマケで付いていた。

日本公演

  • 1978年

2月10日 フェスティバルホール、11日・12日 中野サンプラザ、14日・16日 渋谷公会堂、18日 名古屋市公会堂

  • 1982年

10月4日・5日 日本武道館、6日 フェスティバルホール、7日 大阪厚生年金会館、9日 松山市民会館、11日 名古屋露橋スポーツセンター、13日 北海道厚生年金会館、16日 福岡九電会館

  • 2003年 SUMMER SONIC
  • 2006年

関連項目

  • ニューヨーク・パンク
  • ニュー・ウェイヴ (音楽)

外部リンク

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