桜庭一樹 : ウィキペディア(Wikipedia)

は、日本の小説家、ライトノベル作家。 島根県生まれ、鳥取県米子市出身桜庭一樹オフィシャルサイトプロフィール 2013年11月27日閲覧。。

1999年、「夜空に、満点の星」で第1回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。ゲームのノベライズやライトノベル、ジュブナイルなどの作品や、山田桜丸名義でゲームシナリオを数多く手がける。

2008年に『私の男』で直木賞を受賞した。他の作品に『GOSICK -ゴシック-』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』『赤朽葉家の伝説』などがある。

経歴

出生から学生時代まで

鳥取県米子市出身米子市出身作家の桜庭一樹さん〜日本推理作家協会賞受賞〜 2013年11月27日閲覧。(島根県生まれ)。

小説を書き始めたのは小学校4、5年生のときで、図書室でよく会う女の子がいて、仲良くなり、その子が小説みたいなものを書いていたので、「自分もやってみようかな」と小説の真似みたいなのをノートに書き出したのが最初である『週刊文春』(2008年2月21日号)124頁、「阿川佐和子のこの人に会いたい」。。

中高生時代は授業をさぼったり、塾をさぼったりして本を読んでいた。悩みは勉強ができなかったのと、勉強が嫌いだったことだった。鳥取県立米子東高等学校卒業。大学進学で東京にでる桜庭一樹 2013年11月27日閲覧。。大学時代、書いてはみるが、やはり書けないみたいなことを繰り返した。また、本を読んだりバイトをしたりした。 大学卒業後バブル崩壊の余波を受け就職しなかった。バイトをしながら書く仕事を始めた。

作家として

1993年にDENiMライター新人賞受賞。 1999年、「夜空に、満天の星」(のち『AD2015隔離都市 ロンリネス・ガーティアン』と改題)でファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作。中村うさぎが選考委員にいて、推してくれてギリギリ入選して、デビューできた対談 2013年11月27日閲覧。。デビューした後もあまり仕事がなかったし、出した本も売れないという迷走期間があった。

2003年ライトノベル『GOSICK -ゴシック-』シリーズで注目を集める『週刊文春』(2008年2月21日号)122頁、「阿川佐和子のこの人に会いたい」。。さらに2004年に発表した『推定少女』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が高く評価される少女には向かない職業 桜庭一樹 2013年11月27日閲覧。。2005年に刊行した『少女には向かない職業』は、初の一般向け作品として注目を集めた。

2006年刊行の『赤朽葉家の伝説』(東京創元社)で、2007年、第60回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編部門)受賞。同作で第28回吉川英治文学新人賞候補。第137回直木三十五賞候補になる。2008年、『私の男』で第138回直木賞を受賞した。

人物

  • 桜庭は一人っ子で、母親が真面目な人だったため禁止するものが多かった『週刊文春』(2008年2月21日号)123頁、「阿川佐和子のこの人に会いたい」。。テレビではドラマ『毎度おさわがせします』やバラエティ番組を見てはダメだった。
  • 地元鳥取について、桜庭によれば「鳥取の好きなところは、人柄が穏やかで、地に足が着いている(いまだにバブルっぽい、ギラギラしたこわい人とかいない)ところ作家桜庭一樹さんインタビュー、著作紹介 2013年11月27日閲覧。。嫌いなところは、昔はやはり閉鎖的に感じて「こんなところ出ていったる!」と思っていました。作家になりたいと言って、先生に「なれない」と断言されて、呪いました。」という。
  • 桜庭一樹」という名前の由来について桜庭は「なんとなくつけて新人賞に応募したので、あまりよく憶えてないのです……。応募原稿の主人公が「一樹」だったので、つい自分にもつけちゃったような気がします。」と述べている。
  • 作家になるために必要なこと、続けるために必要なことについて桜庭は「たくさん書くこと。たくさん読むこと。群れないこと。」と述べている。
  • インタビューに来る人に対して桜庭は『桜庭一樹オフィシャルサイト』に「wikipediaは不正確ですので、できれば参考にせずきていただけると助かります。」と書いている。
  • 2009年にお笑い芸人・放送作家の友野英俊と結婚したが、2011年末に離婚したことが2014年7月に報道された。
  • 29歳ごろから空手を始め、4年ほど続けていた。極真空手初段。試合にも何度か出ており、関東大会で準決勝に進出したことがある嗜好と文化:第35回 桜庭一樹さん「不気味が大好き」 毎日新聞 2014年2月3日。

作品一覧

小説

シリーズ

  • B-EDGE AGE
    • 獅子たちはアリスの庭で(2002年7月 富士見ミステリー文庫)
    • 獅子たちはノアの方舟で(2002年11月 富士見ミステリー文庫)
  • GOSICK -ゴシック-(2003年12月 - 2011年7月 / 富士見ミステリー文庫)
  • 荒野(2006年1月 - 2008年5月 / ファミ通文庫、文藝春秋)

ノンシリーズ

  • AD2015隔離都市 ロンリネス・ガーディアン(1999年12月 ファミ通文庫)
  • ルナティック・ドリーマー(2001年12月 EXノベルズ)
  • Girls's guard 君の歌は僕の歌(2002年1月 ファミ通文庫)
  • 竹田くんの恋人 ワールズエンド・フェアリーテイル(2002年8月 角川スニーカー文庫)
  • 赤×ピンク(2003年1月 ファミ通文庫 / 2008年2月 角川文庫)
  • 推定少女(2004年9月 ファミ通文庫 / 2008年10月 角川文庫) - 角川文庫版にてエンディングを2パターン追加収録
  • 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or a bullet(2004年11月 富士見ミステリー文庫 / 2007年2月 富士見書房 / 2009年2月 角川文庫)
  • 少女には向かない職業(2005年9月 ミステリ・フロンティア / 2007年12月 創元推理文庫)
  • ブルースカイ(2005年10月 ハヤカワ文庫JA / 2011年4月 ハヤカワ文庫JA / 2012年5月 文春文庫)
  • 少女七竃と七人の可愛そうな大人(2006年6月 角川書店 / 2009年3月 角川文庫)
  • 赤朽葉家の伝説(2006年12月 東京創元社 / 2010年9月 創元推理文庫)
  • 青年のための読書クラブ(2007年6月 新潮社 / 2011年7月 新潮文庫 / 2017年5月 新潮文庫nex)
  • 私の男(2007年10月 文藝春秋 / 2010年4月 文春文庫)
  • ファミリーポートレイト(2008年11月 講談社 / 2011年11月 講談社文庫 / 2020年1月 集英社文庫)
  • 製鉄天使(2009年10月 東京創元社 / 2012年11月 創元推理文庫)
  • 道徳という名の少年(2010年5月 角川書店 / 2013年3月 角川文庫)
  • 伏 贋作・里見八犬伝(2010年11月 文藝春秋 / 2012年9月 文春文庫)
  • ばらばら死体の夜(2011年5月 集英社 / 2014年3月 集英社文庫)
  • 傷痕(2012年1月 講談社 / 2019年2月 文春文庫)
  • 無花果とムーン(2012年10月 角川書店 / 2016年1月 角川文庫)
  • ほんとうの花を見せにきた(2014年9月 文藝春秋 / 2017年11月 文春文庫)
  • 紅だ!(2022年7月 文藝春秋)

短編集

  • 桜庭一樹短編集(2013年6月 文藝春秋)
    • 【改題】このたびはとんだことで 桜庭一樹奇譚集(2016年3月 文春文庫)
      • 収録作品:モコ&猫 / このたびはとんだことで / 青年のための推理クラブ / 冬の牡丹 / 五月雨 / 赤い犬花
  • じごくゆきっ(2017年6月 集英社 / 2020年6月 集英社文庫)
    • 収録作品:暴君 / ビザール / A / ロボトミー /じごくゆきっ / ゴッドレス / 脂肪遊戯
  • 少女を埋める(2022年1月 文藝春秋)
    • 収録作品:少女を埋める / キメラ / 夏の終わり

ノベライズ

EVEシリーズ
  • イヴ・ザ・ロストワン(1998年4月 扶桑社)- 山田桜丸名義
  • イヴゼロ The beginning Eve(2000年5月 ファミ通文庫)- 山田桜丸名義
  • EVE TFA 亡き王女のための殺人遊戯(2001年9月 ファミ通文庫)
  • EVE burst error plus サヨナラキョウコ、サヨナラセカイ(2003年8月 ファミ通文庫)
その他
  • アークザラッド(1996年12月 スーパーファンタジー文庫)- 山田桜丸名義
  • 学園都市 ヴァラノワール 未来は薔薇の色(2002年11月 ファミ通文庫)
  • ジェネレーションオブカオス3 〜時の封印〜(2003年5月 ファミ通文庫)
  • 555(2003年8月 角川書店) - 原作:石ノ森章太郎、原案:井上敏樹
  • 小説 火の鳥 大地編(2021年3月 朝日新聞出版【上・下】) - 原案:手塚治虫、協力:手塚プロダクション

アンソロジー編纂

  • 謎 スペシャル・ブレンド・ミステリー 007(2012年10月 講談社文庫)
  • 江戸川乱歩傑作選 獣(2016年2月 文春文庫)
  • E・A・ポー(2016年6月 集英社文庫ヘリテージシリーズ)- 共編:鴻巣友季子
  • ブロンテ姉妹(2016年11月 集英社文庫ヘリテージシリーズ)

アンソロジー収録

  • 異形コレクション オバケヤシキ(2005年8月 光文社文庫)「暴君」
  • Sweet Blue Age(2006年2月 角川書店)「辻斬りのように」
  • 異形コレクション 闇電話(2006年5月 光文社文庫)「脂肪遊戯」
  • 密室と奇蹟 J・D・カー生誕百周年記念アンソロジー(2006年11月 東京創元社 / 2020年8月 創元推理文庫)「少年バンコラン!夜歩く犬」
  • 午前零時(2007年6月 新潮社)「1、2、3、悠久! 」
    • 【改題】午前零時 P.S.昨日の私へ (2009年12月 新潮文庫)
  • ザ・ベストミステリーズ2007 推理小説年鑑(2007年7月 講談社)「脂肪遊戯」
  • 不思議の足跡 最新ベスト・ミステリー(2007年10月 カッパ・ノベルス)「暴君」
  • 金原瑞人YAセレクション みじかい眠りにつく前に III 明け方に読みたい10の話(2009年7月 ピュアフル文庫)「A」
  • 短編工場(2012年10月 集英社文庫)「じごくゆきっ」
  • 宮内悠介リクエスト!博奕のアンソロジー(2019年1月 光文社 / 2020年2月 光文社文庫)「人生ってガチャみたいっすね」

単行本未収録・未刊行作品

  • 釦と鈎の話 - 『小説現代』2008年7月号掲載
  • 解剖台の上のミシンと蝙蝠傘の話 - 『オール讀物』2008年12月号掲載
  • 人生ってガチャみたいっすね - 『小説宝石』2018年4月号掲載
  • コーリング - 『小説宝石』2018年7月号掲載
  • 紅だ! - 『オール讀物』2021年9・10月号
  • 波間のふたり - 『文藝』2022年春季号掲載
  • 月下老人 - 『オール讀物』2022年5月号掲載
  • 名探偵の有害性 - 『紙魚の手帖』vol.10 APRIL 2023 - 連載
  • 赤 - 『すばる』2023年8月号掲載

絵本

  • すたんだっぷ風太くん!(2005年6月 富士見書房)- 写真:イッセイハットリ
  • すきなひと(2019年5月 岩崎書店)- 絵:嶽まいこ

翻訳

現代語訳

  • 女殺油地獄 - 『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集 10 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵』(2016年10月 河出書房新社)

日本語訳

  • おやすみ、ミユキ(2019年11月 岩崎書店)- 文:ロクサンヌ=マリ・ガリエズ、絵:セング・ソウン・ラタナヴァン

エッセイ集

桜庭一樹読書日記

  • 少年になり、本を買うのだ。 桜庭一樹読書日記(2007年7月 東京創元社 / 2009年8月 創元ライブラリ)
  • 書店はタイムマシーン 桜庭一樹読書日記(2008年9月 東京創元社 / 2010年11月 創元ライブラリ)
  • お好みの本、入荷しました 桜庭一樹読書日記(2009年12月 東京創元社 / 2012年3月 創元ライブラリ)
  • 本に埋もれて暮らしたい 桜庭一樹読書日記(2011年1月 東京創元社)
  • 本のおかわりもう一冊 桜庭一樹読書日記(2012年9月 東京創元社)

ノンシリーズ

  • 二代目のバカにつける薬(1996年12月 イーハトーヴ出版)- 山田桜丸名義
  • 桜庭一樹日記 BLACK AND WHITE(2006年3月 富士見書房)
  • 小説という毒を浴びる 桜庭一樹書評集(2019年5月 集英社)
  • 桜庭一樹のシネマ桜吹雪(2021年1月 文藝春秋)
  • 東京ディストピア日記(2021年4月 河出書房新社)

ムック

  • 桜庭一樹 物語る少女と野獣(2008年7月 角川書店)

漫画原作

  • 冒険時空タイムネット(『小学五年生』『小学六年生』1999年4月号 - 2000年2月号連載)- 山田桜丸名義。作画:征矢浩志
  • 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない(『月刊ドラゴンエイジ』2007年2月号 - 2008年2月号連載)- 作画:杉基イクラ
  • GOSICK -ゴシック-(『月刊ドラゴンエイジ』2008年1月号 - 2012年5月号連載)- 作画:天乃咲哉
  • 青年のための読書クラブ(『FlexComixフレア』2008年5月 - 2014年6月連載)- 作画:タカハシマコ
  • GOSICK W(『月刊コンプエース』2011年4月号 - 2012年4月号連載)- 作画:守姫武士
  • 荒野の恋(『なかよし』2011年9月号 - 2012年9月号連載)- 作画:タカハシマコ
  • 伏 少女とケモノの烈火譚(『月刊ビッグガンガン』2012年Vol.7 - 2014年Vol.4連載)- 作画:hakus

コンピュータゲームシナリオ

いずれも山田桜丸名義。

  • EVE The Lost One(1998年3月 シーズウェア)
  • サンリオタイムネット(1998年11月 イマジニア)
  • スペースネット コスモレッド・コスモブルー(2001年3月 イマジニア )
  • マーメイドの季節(2001年3月 ゲームビレッジ )
  • ときめきメモリアル Girl's Side(2002年6月 コナミ) - サブシナリオライターの一人

映像化作品

配信ドラマ

  • 少女には向かない職業(2006年5月26日 - 7月28日、全10話、主演:緑友利恵)

テレビアニメ

  • GOSICK -ゴシック-(2011年1月7日 - 7月1日、全24話、監督:難波日登志

映画

メディア出演

  • 王様のブランチ(2008年1月19日、TBS)
  • 大竹まこと ゴールデンラジオ(2008年2月4日、文化放送)
  • 情熱大陸(2008年2月24日、MBS)
  • トップランナー(2008年3月8日、NHK教育)
  • 女神の勝負食(2008年5月3日、テレビ朝日)
  • カシャッと一句!フォト575(2009年4月6日 - 4月10日、NHK衛星第2)

参考文献

  • 『週刊文春』(2008年2月21日号)122 - 126頁、「阿川佐和子のこの人に会いたい」

関連項目

  • 日本の小説家一覧
  • 推理作家一覧
  • ライトノベル作家一覧

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/08/10 01:13 UTC (変更履歴
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