友川カズキ : ウィキペディア(Wikipedia)
友川 カズキ(ともかわ かずき、1950年2月16日 - )は、日本の歌手、競輪評論家、画家である。本名:及位 典司(のぞき てんじ)。2004年に「友川かずき」から現在の表記へと改めている。
略歴
中学生時代に中原中也の作品に出会い詩を書き始める。1年間浪人して、のちに高校バスケットボールの名門となる秋田県立能代工業高等学校建築科に進学。バスケットボールの練習に明け暮れた。高校時代や一時故郷にいた頃のエピソードは、能代工業時代の恩師である加藤廣志著の『高さへの挑戦』に詳しく描かれている。中学校時代の小野秀二を鍛えたのは友川だった。また、NBAでプレイした田臥勇太も後輩にあたる。
二十歳のころ、行きつけの赤提灯で岡林信康の歌を聴いてフォークシンガーを志す。1971年、全日本フォークジャンボリーに飛び入り参加。1974年3月、宇崎竜童に見出され、シングル「上京の状況」でデビュー。1977年、「夜へ急ぐ人」をちあきなおみに楽曲提供。同年のNHK紅白歌合戦でちあきが歌った同曲は大きな反響を呼ぶ。
大島渚から『戦場のメリークリスマス』のヨノイ大尉役をオファーされていたが、秋田訛りを直すことを求められたために固辞。坂本龍一が演じることになった。2004年、三池崇史監督のカルト映画『IZO』に出演。
1980年代以降は、画家としても評価されている。また、小説家の中上健次は友人であり、友川の絵を高く評価していた。 3枚目のアルバム『千羽鶴を口に咥えた日々』に収録の「生きてるって言ってみろ」は、TBSドラマ「一家だんらん物語」の主題歌に採用されシングル発売された。
現在は学芸大学アピア40をホームに、ライブ活動を行っている。ただし、平日のライブでは冒頭に「どうも今日はやる気がおこらない」などとこぼすことがある。
エピソード
- 熱狂的な競輪ファンであり、SPEEDチャンネル『競輪ウォーカー(富山編)』では、大穴狙いで三連単2120倍の高配当車券を的中させている。
- 1998年秋から2003年春まで、TBCテレビの報道番組『週刊パパラビゾーレ』でレギュラーコメンテーターを務めた。
- 2012年5月、ナインティナインの岡村隆史がYoutubeで偶然に動画を見たことにより友川のファンになり、『ナインティナインのオールナイトニッポン』で友川の楽曲が毎週のようにオンエアされる。6月14日の放送では友川自身がゲスト出演し、最後には生演奏を披露した。当時、友川は歌うことを止めようと思っていたが、このおかげでライヴに若い客が来るようになり、続けることにしたと言う(下記『ゴロウ・デラックス』出演時に本人談)。
- 寿司屋のガリが大好き。隣のテーブルの残ったガリも、チャンスがあれば食べたいぐらい好きとコメントしている。
- 好きな芸人は(上記『オールナイトニッポン』より)。
- 友川が以前担当していたレギュラー番組に江頭2:50を出演させようとしたが実現せぬまま番組が終了した。
- 酒好きであり、『ゴロウ・デラックス』にもカップ酒を呑みながら出演した。
- 代表曲の一つ「生きてるって言ってみろ」は、2013年に泉谷しげるがアルバム『昭和の歌よ、ありがとう』で中村中とのデュエットでカバーしている。
作品
アルバム
- やっと一枚目(1975年)
- 肉声(1976年)
- 千羽鶴を口に咬えた日々(1977年) ※ハーベストレコード:YC-9003【発売元は徳間音楽工業】
- 俺の裡(ウチ)で鳴り止まない詩(モノ) 〜中原中也作品集〜(1978年)
- ※ベルウッドレコード:SKS-1004【発売元はキングレコード】
- ※中原中也の詩に、友川かずきが曲を付けた作品集。ライナーノーツで、中也の実弟である中原思郎氏が解説文を寄せている。
- 桜の国の散る中を(1980年)
- 海静か、魂は病み(1981年) ※キングレコード:K28A-206
- 無残の美(1986年、PSFD-33)
- 花々の過失(1993年、PSFD-29)
- まぼろしと遊ぶ(1994年、PSFD-43)
- 一人盆踊り(1995年、PSFD-59)
- ぜい肉な朝(1996年、PSFD-82)
- 夢は日々元気に死んでゆく(1998年、PSFD-96)
- 空のさかな(1999年、PSFD-8003)
- 赤いポリアン(2000年、PSFD-8005)
- エリセの目(2001年、PSFD-8008)
- 顕信の一撃(2002年、PSFD-8013)
- いつか、遠くを見ていた(2004年、PSFD-8019)※映画『IZO』(三池崇史監督)『17歳の風景』(若松孝二監督)使用曲のコンピレーション
- サトル(2005年、TILIQUA-004LP)
- 赤い水、青い水(2008年、PSFD-8028)
- イナカ者のカラ元気(2009年、PSFD-8031)
- 青いアイスピック(2010年、PSFD-8035)
- 復讐バーボン(2014年、ML-20140130)
- 光るクレヨン(2016年、ML-20161111)
ベストアルバム
- 初期傑作集(1989年)
- 友川かずき・ゴールデン☆ベスト(2004年、TKCA-72787)
ライブアルバム
- 犬 〜秋田コンサート・ライブ〜(1979年) ※ベルウッドレコード:SKS-1029【発売元はキングレコード】
- 1979年3月17日、18日に秋田 "田中屋" で行われたライブの音源を収録。「友川かずきとピップエレキバンド」名義。
- ピップエレキバンド=友川かずき(Vo,G)、石塚俊明(Dr,Perc)、石井正夫(B)、古家恭子(P,Key)。
- Live-MANDA-LA Special(1994年、PSFD-36)
- 歴代ライブのベストテイクを選曲したものを収録。
- 渋谷アピア・ドキュメント(1995年、PSFD-65)
- 渋谷アピアで行われたライブでのベストテイクを選曲したものを収録。
- ライブ2005 大阪・バナナホール(2005年、PSFD-8022)
- 2005年8月13日に梅田バナナホールで行われたライブの音源を収録。
その他
- 御縁(1994年、PSFD-49)
- 三上寛とのジョイントコンサートの音源を収録。
- 星のプロセス(1998年、PSFD-101 - 103)
- 過去の音源、未発表ライブ音源、カバー曲、新曲がそれぞれ収録された3枚組アルバム。
- 友川かずきBOX(2003年、PSFD-134 - 146)
- デビュー30周年記念ボックス・セット。『無残の美』から『顕信の一撃』までの全アルバム、『初期ベストアルバム』、『中原中也作品集』、新作『サトル』を収録。13枚組。
- しらけ鳥音頭(1977年 ワーナーパイオニア): アルバム『デンセンマンありがとう』内の1曲。吹き込みとリリースは小松政夫版より先行している。
- ギャスパー・クラウスのアルバム『序破急』になまはげ役で参加 (MODEST LAUNCH)
メディア出演
- さすらい(1971年12月6日、NHK) - 映画看板店の先輩
- 夢の島少女(1974年10月15日、NHK) - 前出の「さすらい」と同じく佐々木昭一郎の監督作品。少年ケンの「友人」役
- 3年B組金八先生第1シリーズ(1979年10月 - 1980年3月、TBS) - 三原じゅん子が訪れたライブハウスで歌を披露する歌手の役
- ドラマスペシャル 鬼が来た 棟方志功伝(1983年10月3日、テレビ朝日)
- 週刊パパラビゾーレ(TBCテレビ) - コメンテーター
- ナインティナインのオールナイトニッポン(2012年6月14日、ニッポン放送) - ゲスト
- ゴロウ・デラックス(2012年11月30日、TBS) - ゲスト
- 毒島ゆり子のせきらら日記(2016年4月 - 、TBS) - 豊三郎
- 民衆の敵〜世の中、おかしくないですか!?〜 第2話(2017年10月30日、フジテレビ)
書籍
詩集
- 吹雪の海に黒豹が(1981年、無明舎出版)
- 朝の骨(1982年、無明舎出版)
- 地の独奏(1985年、矢立出版)
- 破れ犬-報復の青き前途(1986年、矢立出版)
エッセー
- 死にぞこないの唄(1977年、無明舎出版)
- 生きてるって言ってみろ(1985年、展転社)
- ちぎれた青いノド(1988年、三心堂)
- 天穴の風(1994年、実業之日本社)
- 友川カズキ独白録: 生きてるって言ってみろ(2015年、白水社)
絵本
- 青空(1992年、青弓社)文・立松和平
- 天の虫(1994年、読売新聞社)文・立松和平
競輪
- 友川かずきの競輪ぶっちぎり勝負(1995年、ベストブック)
- 競輪生活 バンクの風に吹かれて(1998年、ジャパン・ミックス
ドキュメンタリー映画
- 友川カズキ 花々の過失(2009年)
劇映画
- IZO (2004年)
- 私は絶対許さない (2018年)
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2018/05/21 12:40 UTC (変更履歴)
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.