メグ・キャボット : ウィキペディア(Wikipedia)

メグ・キャボットMeg Cabot、本名:メギン・パトリシア・キャボット〈Meggin Patricia Cabot〉、1967年2月1日 - )は、アメリカ合衆国の小説家。ロマンス小説やパラノーマル小説を、ティーン向けとアダルト向けとでペンネームを使い分けていたが、近年は専ら本名のメグ・キャボット名義のみで活動している。代表作は『プリンセス・ダイアリー』シリーズで、これはウォルト・ディズニー・ピクチャーズによって同名で(邦題は『プリティ・プリンセス』)映画化もされた。ニューヨーク公共図書館ティーン作品賞など、多くの賞を受賞しているPrincess Diaries I (1) | Author Meg Cabot. Megcabot.com. Retrieved on 2012-12-31.All-American Girl | Author Meg Cabot. Megcabot.com (September 1, 2002). Retrieved on 2012-12-31.。子供向け、ヤングアダルト向け、大人向け、全ての年代を合わせると、世界中で2500万部が発行されている。

経歴

インディアナ州ブルーミントンに生まれるMeg Cabot Biography. Notablebiographies.com. Retrieved on 2012-12-31.Historical Romance Writers Author: Patricia Cabot. Historicalromancewriters.com (December 3, 2012). Retrieved on 2012-12-31.。インディアナ大学卒業後、イラストレーターを志して1991年にニューヨークへ移住。しかし、程なくして仕事を辞めると、ニューヨーク大学の新入生寮の管理人補佐の仕事を始める。

1993年4月1日、金融ライターで詩人のベンジャミン・D・イグナッツと結婚。エイプリルフールを選んだのは夫で、こんな日に結婚するのは自分たちみたいな愚か者だけだと考えたことによる。式は駆け落ち同然にイタリアで挙げた。著書の"Every Boy's Got One" は、やんわりとだが彼女のこの時の経験に基づいている。ヘンリエッタ(片目が見えない)とジェムという2匹の猫を飼っており、ブログに度々登場する。

インディアナ、カリフォルニア、ニューヨーク、フランスに暮らしたことがあり、現在はニューヨーク、フロリダ州キーウェスト、ブルーミントンを転々としているBiography of Meg Cabot, Meg Cabot

作品リスト

ヤングアダルト向け作品

プリンセス・ダイアリー シリーズ

40か国以上で出版されておりMeg Cabot Biography – Airhead Author – CosmoGIRL! . Cosmogirl.com (February 1, 1967). Retrieved on 2012-12-31.、キャボットの作品の中でもっとも有名な作品。シリーズ第1作は2000年10月に上梓され、シリーズ全体で『ニューヨーク・タイムズ』の子供向けシリーズのベストセラー・リストに38週ランクインした。

2001年と2004年にウォルト・ディズニー・ピクチャーズで『プリティ・プリンセス』と『プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング』として、アン・ハサウェイジュリー・アンドリュース主演で映画化された映画第1弾はシリーズ第1作「プリンセス・ダイアリー」を原作としているが、第2弾はオリジナル作品である。。

#邦題原題刊行年月USA刊行年月Japan訳者出版社
1プリンセス・ダイアリーThe Princess Diaries, Volume I2000年10月2002年2月金原瑞人代田亜香子河出書房新社
2プリンセス・ダイアリー ラブレター騒動篇[[:en:The Princess Diaries, Volume II: Princess in the Spotlight>The Princess Diaries, Volume II: Princess in the Spotlight]]2001年6月2002年7月
3プリンセス・ダイアリー 恋するプリンセス篇[[:en:The Princess Diaries, Volume III: Princess in Love>The Princess Diaries, Volume III: Princess in Love]]2002年3月2003年1月
4プリンセス・ダイアリー ときめき初デート篇[[:en:The Princess Diaries, Volume IV: Princess in Waiting>The Princess Diaries, Volume IV: Princess in Waiting]]2003年4月2004年10月代田亜香子
41/2プリンセス・ダイアリー どきどきキャンプ篇[[:en:The Princess Diaries, Volume IV and 1/2: Project Princess>The Princess Diaries, Volume IV and 1/2: Project Princess]]2003年8月2004年12月
5プリンセス・ダイアリー ピンクのドレス篇[[:en:The Princess Diaries, Volume V: Princess in Pink>The Princess Diaries, Volume V: Princess in Pink]]2004年3月2005年6月
6プリンセス・ダイアリー 悩める見習いプリンセス篇[[:en:The Princess Diaries, Volume VI: Princess in Training>The Princess Diaries, Volume VI: Princess in Training]]2005年3月2006年5月
61/2プリンセス・ダイアリー クリスマスプレゼント篇[[:en:The Princess Diaries, Volume VI and 1/2: The Princess Present>The Princess Diaries, Volume VI and 1/2: The Princess Present]]2004年10月2007年10月
7プリンセス・ダイアリー パーティ・プリンセス篇[[:en:The Princess Diaries, Volume VII: Party Princess>The Princess Diaries, Volume VII: Party Princess]]2006年3月2008年3月
71/2プリンセス・ダイアリー スイート・シックスティーン篇[[:en:The Princess Diaries, Volume VII and 1/2: Sweet Sixteen Princess>The Princess Diaries, Volume VII and 1/2: Sweet Sixteen Princess]]2006年5月2008年8月
73/4 [[:en:The Princess Diaries, Volume VII and 3/4: Valentine Princess>The Princess Diaries, Volume VII and 3/4: Valentine Princess]]2006年12月
8プリンセス・ダイアリー がけっぷちのプリンセス篇[[:en:The Princess Diaries, Volume VIII: Princess on the Brink>The Princess Diaries, Volume VIII: Princess on the Brink]]2007年1月2009年5月代田亜香子河出書房新社
9プリンセス・ダイアリー 崖の下のプリンセス篇[[:en:The Princess Diaries, Volume IX: Princess Mia>The Princess Diaries, Volume IX: Princess Mia]]2008年1月2010年1月
10プリンセス・ダイアリー 永遠のプリンセス篇[[:en:The Princess Diaries, Volume X: Forever Princess>The Princess Diaries, Volume X: Forever Princess]]2009年1月2010年7月

シリーズ本編は以上10巻だが、チェルシー・マクラーレンのイラストで、シリーズのキャラクターを登場させながら、プリンセスの心得やエチケットについて書かれた"Princess Lessons" (2003年3月)、世界のプリンセスについて書かれた"Perfect Princess" (2004年3月)、"Holiday Princess" (2005年11月)などの関連本も出版された。

2009年1月6日、最終巻のキャンペーンに合わせて、主人公ミア・サモポリス名義のロマンス小説"Ransom My Heart"が刊行された。

2014年5月、キャボットはブログでシリーズの新作が2つあることを発表した。1冊は"Royal Wedding" 、もう1冊は長らく消息不明だったミアの姉妹オリヴィア・グレースの視点で描かれるスピンオフの"From The Notebooks of a Middle School Princess" であり、2015年夏に刊行予定とのこと。

メディエータ シリーズ

シリーズの主人公は16歳の女子高生、スザンナ・サイモン(愛称:スーズ)。スーズは“メディエータ”として、心残りがあり死後も現世を彷徨っている幽霊たちを手助けする。スーズは幽霊に触るだけでなく話すこともでき、必要とあらば殴ったり蹴ったりもする。シリーズは、スーズの母がアンディ・アッカーマンと再婚し、新しく家族となった3人の義兄たちとカリフォルニア州のカーメルの古めかしい住宅へ引っ越してきたところから始まる。スーズの寝室は、150年前に死んだイケメンの幽霊ジェシー・ド・シルヴァが出る部屋で、引っ越し前にニューヨークで占い師から、自分には霊能力があり永遠の恋に落ちると予言されたことを思い出す。かくして、スーズはジェシーに恋をするが、果たしてジェシーの思いやいかに?という内容である。

#邦題原題刊行年月USA刊行年月Japan訳者出版社備考
1メディエーター 霊能者の祈りShadowland2000年10月2003年7月布施由紀子集英社ジェニー・キャロル名義
メディエータ zero episode 1 天使は血を流さない2007年8月代田亜香子理論社
霊能者は女子高生!2012年10月ヴィレッジブックス理論社版の改題・再編集
2メディエーター 呪われた転校生Ninth Key2001年2月2004年8月布施由紀子集英社ジェニー・キャロル名義
メディエータ zero episode 2 吸血鬼の息子2007年10月代田亜香子理論社
嘆きのマリアの伝言2013年1月ヴィレッジブックス理論社版の改題・再編集
3メディエータ zero episode 3 復讐のハイウェイReunion2001年7月2008年1月代田亜香子理論社
4メディエータ ゴースト、好きになっちゃったDarkest Hour2001年12月2005年4月代田亜香子理論社
5メディエータ2 キスしたら、霊界?Haunted2003年2月2005年6月代田亜香子理論社
6メディエータ3 サヨナラ、愛しい幽霊Twilight2005年1月2006年2月代田亜香子理論社

4巻まではジェニー・キャロル名義で刊行された。これは、当時キャボットが別の出版社で働いていたためである。メグ・キャボット名義で出されるようになったのは5巻からで、6巻が刊行される際に、キャロル名義だった既刊もキャボット名義で再刊された。

2014年5月、キャボットはブログでシリーズの新刊"Remembrance" が2015年夏に刊行予定であることを明かした。

ミッシング シリーズ

主人公は、雷に打たれ、超能力を開花させた16歳の女の子ジェシカ・マストリアニ(愛称:ジェス)。ジェシカの能力は、行方不明になっている子供たちの写真を見ると、夢で正確な居場所が分かるというもの。4巻までは、連邦政府の精密検査の要請を避けながら子供探しに協力する1年弱の出来事を描いている。4年後に刊行された5巻では、ジェスは19歳になっており、ロブ・ウィルキンスという少年に恋に落ちていく。

4巻まではジェニー・キャロル名義で刊行されたが、売り上げが芳しくなかったため、シリーズは打ち切られた。2004年にキャボット名義で再版したところ、売り上げが良かったため、打ち切りに不本意だったキャボットは8巻まで続けたいと出版社に伝えたが、出版社側は続編1冊のみの出版を許諾し、シリーズは全5巻で終わった。

『ミッシング -サイキック捜査官-』としてテレビドラマ化され、2003年から2006年まで放送された。

#邦題原題刊行年月USA刊行年月Japan訳者出版社備考
1闇に消えた子供たちWhen Lightning Strikes2001年2月2004年2月鈴木美朋集英社ジェニー・キャロル名義
2 Code Name Cassandra2001年8月
3 Safe House2002年3月
4 Sanctuary2002年9月
5 Missing You2006年12月

アメリカン・ガール シリーズ

ワシントンD.C.育ちの女子高生サマンサ・マディソン(愛称:サム)が、下校途中に大統領の命を助けてしまい、一躍国民的英雄にされてしまう。1巻ではサムが有名になり、大統領の息子デヴィッドと恋に落ち、2巻ではデヴィッドがサムとの関係を進展させようとする。サムのホワイトハウスでの体験が描かれた短編"Another All American Girl" がアンソロジーに収録されている。

#邦題原題刊行年月USA刊行年月Japan訳者出版社
1恋するアメリカン・ガールAll American Girl2002年9月2004年1月代田亜香子河出書房新社
2 Ready or Not2005年7月

アヴァロン シリーズ

1巻は小説で、2巻は全3巻の漫画で刊行された。

2010年11月、ディズニー・チャンネルにて『アヴァロン 千年の恋』としてブリット・ロバートソングレッグ・サルキン主演で映画化された。

#邦題原題刊行年月USA刊行年月Japan訳者出版社
1アヴァロン 恋の〈伝説学園〉へようこそ!Avalon High2005年12月2007年2月代田亜香子理論社
2Avalon High: Coronation (漫画)
1. The Merlin Prophecy2007年7月作画:ジンキー・コロナド
2. Homecoming2008年6月
3. Hunter's Moon2009年9月

エアヘッド三部作

女子高生エマーソン・ワッツは事故に遭い、目覚めるとティーンのスーパーモデル、ニッキー・ハワードと入れ替わってしまっていた。

#邦題原題刊行年月USA刊行年月Japan訳者出版社
1エアヘッド! 売れっ子モデルになっちゃった!?Airhead2008年5月2012年8月代田亜香子河出書房新社
2 Being Nikki2009年5月
3 Runaway2010年3月

Abandon 三部作

  • Abandon (2011.4)
  • Underworld (2012.5)
  • Awaken (2013.7)

公式サイトでキャボットは、本作が映画化もしくはテレビシリーズ化される可能性が高いとして、非常に興奮していると述べた。

単独作(ヤングアダルト)

邦題原題刊行年月USA刊行年月Japan訳者出版社備考
ニコラと麗しの子爵Nicola and the Viscount2002年8月2011年7月宙出版長崎真央子作画の漫画
貴族令嬢と恋する将校Victoria and the Rogue2003年3月2012年9月宙出版綾部瑞穂作画の漫画
ティーン・アイドルTeen Idol2004年7月2005年11月代田亜香子理論社
人気者になる方法How to Be Popular2006年7月2008年7月代田亜香子理論社
嘘つきは恋のはじまりPants on Fire2007年5月2010年3月代田亜香子理論社
ジンクス 恋の呪いJinx2007年7月2009年3月代田亜香子理論社

子供向け作品

アリー・フィンクルの女の子のルール シリーズ

#邦題原題刊行年月USA刊行年月Japan訳者出版社
1アリー・フィンクルの女の子のルール 1 ドタバタひっこし篇Moving Day2008年2011年6月代田亜香子河出書房新社
2アリー・フィンクルの女の子のルール 2 転校生になっちゃった!篇The New Girl2008年2011年7月
3アリー・フィンクルの女の子のルール 3 友達?それとも親友?篇Best Friends and Drama Queens2009年2011年8月
4アリー・フィンクルの女の子のルール 4 主演女優はだれ?篇Stage Fright2009年2011年9月
5アリー・フィンクルの女の子のルール 5 お誕生日パーティ篇Glitter Girls and the Great Fake Out2010年2011年10月
6アリー・フィンクルの女の子のルール 6 遠足で大騒ぎ!篇Blast From the Past2010年2011年11月

大人向け作品

ボーイ・シリーズ

このシリーズでは、Eメール(インスタントメッセンジャー)での恋が描かれるラブコメディ作品である。

#邦題原題刊行年月USA刊行年月Japan訳者出版社備考
1となりのボーイフレンドThe Boy Next Door2002年10月2004年4月代田亜香子角川書店メギン・キャボット名義
2Boy Meets Girl2004年1月メギン・キャボット名義
3Every Boy's Got One2005年1月メギン・キャボット名義

ヘザー・ウェルズ シリーズ

作ってもらった曲ではなく、自分で書いた歌を歌いたいと言ったがためにレコード会社をクビになった元人気歌手のヘザー・ウェルズが主人公の、大人向けのミステリ作品。物語は、ヘザーがニューヨーク・カレッジの学生寮のコーディネータになったところから始まり、寮で女の子が死んでいるのを見つけてしまう。

#邦題原題刊行年月USA刊行年月Japan訳者出版社
1サイズ12はでぶじゃないSize 12 is Not Fat2007年6月2010年6月中村有希東京創元社
2サイズ14でもでぶじゃないSize 14 is Not Fat Either2006年11月2011年2月中村有希東京創元社
3でぶじゃないの、骨太なだけBig Boned2007年12月2011年11月中村有希東京創元社
4 Size 12 and Ready to Rock2012年7月
5 The Bride Wore Size 122013年9月

クイーン・オブ・バブル シリーズ

#邦題原題刊行年月USA刊行年月Japan訳者出版社
1ヴィンテージ・ドレス・プリンセスQueen of Babble2006年5月2010年1月松本裕原書房
2恋の続きはマンハッタンでQueen of Babble in the Big City2007年6月2010年7月松本裕原書房
3 Queen of Babble Gets Hitched2008年6月

Insatiable シリーズ

  • Insatiable (2010.6)
  • Overbite (2011.7)

ロマンス小説

パトリシア・キャボット名義で刊行された。

  • Where Roses Grow Wild (1998.3)
  • Portrait of My Heart (1999.1)
  • An Improper Proposal (1999.11)
  • A Little Scandal (2000.6)
  • Lady of Skye (2001.1)
  • Educating Caroline (2001.11)
  • Kiss the Bride (2002.5)
  • Ransom My Heart (2009.1) – 『プリンセス・ダイアリー』シリーズの主人公ミア・サモポリス名義で刊行された。

その他

  • She Went All the Way (2002.12) - メギン・キャボット名義

短編

  • "The Christmas Captive"
  • "Girl's Guide to New York through the Movies"
  • "Kate the Great"
  • "Party Planner"
  • "Connie "Hunter"
  • "Allie Finkle's Rules for Girls"
  • "Reunion"
  • "Cry, Linda, Cry: Judy Blume’s Blubber and The Cruelest Thing in the World"
  • "Ask Annie"
  • "The Exterminator's Daughter"
  • "Every Girl's Dream"
  • "Princess Prettypants"
  • "The Night Hunter"
  • "The Protectionist"
  • "Out of the Blue"

脚本

  • アイス・プリンセス(初期の脚本を担当)

映像化

プリティ・プリンセス
2001年公開。原作は『プリンセス・ダイアリー』。ミア・サモポリス役をアン・ハサウェイが、クラリス・レナルディ女王をジュリー・アンドリュースが演じた。2004年にはオリジナルの続編『プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング』が公開された。
ミッシング -サイキック捜査官-
カナダの放送局により制作され、2003年から2006年まで放送された。アメリカでも放送された。
アヴァロン 千年の恋
2010年にディズニー・チャンネルにより映画化された。主演はブリット・ロバートソングレッグ・サルキン

『クイーン・オブ・バブル』の映画化も決定している。主演の候補者はクリスティン・ベル。また、『メディエータ』も映画化かテレビシリーズ化される。

チャリティ活動

ボランティア団体メイク・ア・ウィッシュやスターライト・チルドレン財団と組んで、末期の重病児たちを支援している。

脚注
出典

参考文献・サイト

  • "Meg Cabot." Authors and Artists for Young Adults, Volume 50. Gale Group, 2003. Reproduced in Biography Resource Center. Farmington Hills, Mich.: Thomson Gale. 2006.

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/02/04 07:54 UTC (変更履歴
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