ドノバン : ウィキペディア(Wikipedia)

ドノヴァン・フィリップス・レイッチ、1946年5月10日 - )は、スコットランド出身のシンガーソングライター。ボブ・ディランらと共に代表する、フォークロックの草創期から活動するアーティストの1人。通称「ドノヴァン」「ドノバン」の表記もある。 (Donovan) として知られる。

2012年『ロックの殿堂』入りDonovan: inducted in 2012 | The Rock and Roll Hall of Fame and Museum - 2015年3月22日閲覧、および2014年『』入りSongwriters Hall of Fame Taps Ray Davies, Donovan for Class of 2014 | Billboard - 2015年3月22日閲覧。

来歴

スコットランド、グラスゴーのメリーヒルで生まれる。彼は幼少時にポリオに感染したが、幸いにも後遺症は残らなかった。1956年に一家はイングランドのハットフィールドに転居する。家族はスコットランドやイングランドのフォーク・ミュージックを愛し、その影響を受けた彼は14歳でギターを始める。学校を卒業後、彼は長年の友人ジプシー・デイヴと共にイギリスの周りを数年間、フォークソングを演奏しながら旅行した。

1965年、デビューシングルの「Catch the Wind」が全英シングルチャートで4位、ビルボード・Hot 100で23位を記録した。 いくつかのテレビ番組出演後、彼の成功はイギリス国内に限られたものであった。エピック・レコードと契約し、プロデューサーのミッキー・モストと組むようになって彼はフォーク、ジャズ、ポップ、サイケデリック、そしてワールド・ミュージックを混合したスタイルで成功を得た。

1966年、「Sunshine Superman」が全米1位、「Mellow Yellow」が全米2位を記録した。1968年の「幻のアトランティス」は当時のニューエイジ思想の浸透に支えられ、全米7位を記録するほか、スイス、オランダ、ニュージーランドで1位を記録した。

当時のドノヴァンのバンドにはレッド・ツェッペリン結成前のジミー・ペイジジョン・ポール・ジョーンズジョン・ボーナムジェフ・ベック、エンジニアにはエディ・クレイマーなどが参加していた。

彼はビートルズとも親交を深め、ポール・マッカートニーの作詞に協力したりジョン・レノンにギター・テクニックを伝授してDonovan offers world's most exclusive songwriting course – in Bahamian paradise - News - Music - The Independent - 2015年3月22日閲覧、彼らとコラボレーションを行った僅かなアーティストの内の一人であった。さらに1968年には、ビートルズのメンバー、女優のミア・ファローザ・ビーチ・ボーイズマイク・ラヴと共にインドを訪問している46 Years Ago: The Beatles Arrive In Rishikesh, India To Study With The Maharishi - ultimateclassicrock.com - 2015年3月22日閲覧。

彼は1970年代から1980年代にかけて、シーンから乗り遅れ気味になったものの、カントリー・ミュージックなどを取り入れながら、コンサートやレコーディングを行った。しかし、グラム・ロックの要素を導入した『コズミック・ホイールズ』(1973年)を最後に、以後数十年にわたって全英アルバムチャートから遠ざかるようになったDONOVAN | Official Charts Company - 「Albums」をクリックすれば表示される - 2015年3月22日閲覧。アメリカでも『Slow Down World』(1976年)を最後にチャート入りしなくなる。

ドノヴァンは、その長い経歴の間に数度、公演やレコーディングから身を引いたが、1990年代にはリバイバル・ブームによってその人気をやや回復し、1996年に著名なプロデューサーであり、彼の長年のファンであったリック・ルービンと共にアルバム『スートラ〜教典』をリリースした。その後もコンスタントに活動しており、自主レーベル「Donovan Discs」を設立。2004年のアルバム『Beat Cafe』から作品リリースを開始している。

息子のドノヴァン・レイッチ・ジュニア、子女アイオン・スカイは、共に俳優として活動している。

ディスコグラフィ

詳細は [[:en:Donovan discography]] を参照

スタジオ・アルバム

  • 『ホワッツ・ビン・ディド・アンド・ホワッツ・ビン・ヒィド』 - What's Bin Did and What's Bin Hid [イギリス](1965年)
    • 『キャッチ・ザ・ウィンド』 - Catch the Wind [アメリカ](1965年)
    • 『ドノヴァン/話題のフォーク・シンガー』[日本](1965年)SL-1200-Y
  • 『ドノヴァンのおとぎ話』 - Fairytale(1965年)PS-1321-Y
  • 『サンシャイン・スーパーマン』 - Sunshine Superman(1966年)
  • 『メロー・イエロー』 - Mellow Yellow [アメリカ](1967年)
  • 『ドノヴァンの贈り物/夢の花園より』 - A Gift from a Flower to a Garden(1967年)※ダブルアルバム。アメリカでは当初、別々にリリース。
    • Wear Your Love Like Heaven [アメリカ](1967年)
    • For Little Ones [アメリカ](1967年)
  • 『ハーディー・ガーディー・マン』 - The Hurdy Gurdy Man [アメリカ](1968年)
  • 『バラバジャガ』 - Barabajagal [アメリカ](1969年)
  • 『オープン・ロード』 - Open Road(1970年)
  • H.M.S. Donovan(1971年)イギリス以外発売
  • 『コズミック・ホイールズ』 - Cosmic Wheels(1973年)
  • 『エッセンス』 - Essence to Essence(1973年)
  • 『セブンティーズ』 - 7-Tease(1974年)
  • Slow Down World(1976年)日本未発売
  • 『旅立ち』 - Donovan(1977年)
  • Neutronica [フランス](1980年)日本未発売
  • Love Is Only Feeling(1981年)日本未発売
  • Lady of the Stars(1984年)(別名 Sunshine Superman〈1994, 1997〉, Till I See You Again, Forever Gold, Golden Tracks)日本未発売
  • One Night in Time(1993年)日本未発売 ※カセットのみでアルバムをリリース。
  • The Children of Lir(1994年)日本未発売
  • 『スートラ〜教典』 - Sutras (1996)
  • Pied Piper(2002年)
  • Sixty Four(2004年)
  • Brother Sun, Sister Moon(2004年)
  • Beat Cafe(2004年)
  • Brother Sun, Sister Moon(2005年)※iTunes Store限定リリース
  • Ritual Groove(2010年)
  • Shadows of Blue(2013年)
  • Lunarian(2021年)
  • Gaelia(2022年)

ライブ・アルバム

  • 『イン・コンサート』 - Donovan in Concert(1968年)
  • 『ライヴ・イン・ジャパン: スプリング・ツアー・1973』 - Live in Japan: Spring Tour 1973 [日本](1974年)
  • Rising [イギリス](1990年)日本未発売
  • The Classics Live [アメリカ](1990年)日本未発売
  • 25 Years in Concert [オランダ](1990年)日本未発売
  • 『ライジング・アゲイン』 - Rising Again(2001年)
  • Greatest Hits Live: Vancouver 1986(2001年)

コンピレーション・アルバム

  • 『グレイテスト・ヒッツ』 - Donovan's Greatest Hits(1969年)
  • The Best of Donovan(1969年)
  • 『ドノバンのすべて』 - All About Donovan(1970年)
  • Sunshine Superman - The Very Best of Donovan(2002年)

著作

『ハーディ・ガーディ・マン』ドノヴァン著 渚十吾監修 池田耀子訳 工作舎 2008年 ISBN 978-4-87502-412-5

関連項目

  • ブラザー・サン シスター・ムーン - 1972年の映画(音楽を担当)。
  • 加藤和彦 - 彼の曲のカバーをすることもあったことから「トノバン」との別名があった。
  • 仲井戸麗市 - ステージ・ネームの「麗市」はレイッチからとった。

注釈

出典

外部リンク

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