カールティク・スッバラージ : ウィキペディア(Wikipedia)
カールティク・スッバラージ(Karthik Subbaraj、1983年3月19日 - )は、インドのタミル語映画で活動する映画監督、映画プロデューサー、脚本家。
生い立ち
1983年にマドゥライで生まれる。父のガジャラージは俳優であり、『Mundasupatti』『帝王カバーリ』などに出演している。同地のを卒業後、に進学して工学を学ぶかたわら、舞台演劇や寸劇にも参加していた。大学卒業後はソフトウェアエンジニアとしてベンガルールの企業に就職するが、そこで映画製作に興味を抱き、サンジャイ・ナンビヤール主催のワークショップに参加して映画製作の技術を学んだ。その後、業務のためアメリカ合衆国に派遣され、同地で短編映画の製作に参加して技術を学び、帰国後はマドゥライに戻り、短編映画『Kaatchipizhai』を製作している。
キャリア
スッバラージは監督デビュー作として『』の企画を進めていたが、製作費の確保に難航したため、代わりに低予算の企画『』の製作を始めた。2012年に公開された同作は興行的な成功を収め、ヒンディー語・ベンガル語・カンナダ語でリメイク版も製作されている。この成功により製作費を確保したスッバラージは2014年に『ジガルタンダ』を製作して好評を博し、主要キャストのボビー・シンハーが国家映画賞 助演男優賞を受賞するなど高い評価を得ている。また、シャンカルやマニラトナムからも手腕を絶賛されている。2016年に手掛けた『』では女性の社会的な扱いを題材にした点や、男性の言動が生涯にわたり女性の行動に影響を与える点を描いたことが高く評価された。2018年には主演のサイレント映画『Mercury』を製作したが、興行成績は伸び悩んだ。また、同年にはウェブドラマ『Kallachirippu』をプロデュースしている。
2019年はラジニカーント主演の『』やキールティ・スレーシュ主演の『Penguin』、主演の『Triples』を手掛け、2020年には『Putham Pudhu Kaalai』、2021年には『』などのアンソロジー作品にも参加した。また、同年には『』を手掛けたが、批評家からの評価は芳しくなかった。2023年はヴィクラム主演の『Mahaan』を製作したほか、『ジガルタンダ』の精神的続編である『ジガルタンダ・ダブルX』も手掛けている。2025年はスーリヤ主演の『Retro』を製作し、批評家からは演出やストーリーテリングを絶賛され、興行的にも成功を収めている。
作風
スッバラージ監督作品は複数の批評家からどんでん返し、が手掛けた楽曲の、クエンティン・タランティーノに影響を受けた派手な演出、現実社会の出来事や政治問題を盛り込むメッセージ性などが特徴として挙げられている。これに対し、スッバラージは「映画を作るたびに自分自身を再発見することを心掛けてきたので、特定の製作スタイルに縛られることは望んでいません。例えば、『トリッキー・ワールド』にはどんでん返しがなかったことで観客が失望したという声を聞きますが、あの作品にはどんでん返しは必要なかったんです。もっと感情的な物語なんです。私は映画が完成するたびに、脚本家としても監督としても変化しようと努力しているんです」と語っている。
フィルモグラフィー
| 年 | 作品 | 監督 | 製作 | 脚本 | 言語 | 備考 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2012 | タミル語 | ||||||
| 2013 | キケンな誘拐 | カメオ出演 | |||||
| 2014 | |||||||
| 2015 | Bench Talkies | アンソロジー映画「Neer」監督 | |||||
| 2016 | |||||||
| Aviyal | アンソロジー映画 | ||||||
| 2017 | Meyaadha Maan | ||||||
| 2018 | Mercury | ||||||
| Kallachirippu | 配信 | ||||||
| 2019 | カメオ出演 | ||||||
| 2020 | Putham Pudhu Kaalai | アンソロジー映画「Miracle」監督 | |||||
| Penguin | Amazon Prime Video配信 | ||||||
| Penguin | 配信 | ||||||
| 2021 | |||||||
| アンソロジー映画「Peace」監督Netflix配信 | |||||||
| Boomika | 配信 | ||||||
| 2022 | Mahaan | ||||||
| Attention Please | マラヤーラム語 | ||||||
| Buffoon | タミル語 | ||||||
| テルグ語 | Amazon Prime Video配信 | ||||||
| 2023 | ジガルタンダ・ダブルX | タミル語 | |||||
| 2025 | Retro | ||||||
| Game Changer | テルグ語 | ||||||
受賞歴
| 年 | 部門 | 作品 | 結果 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 南インド国際映画賞 | ||||
| タミル語映画部門作品賞 | 『ピザ 死霊館へのデリバリー』 | |||
| タミル語映画部門新人監督賞 | ||||
| タミル語映画部門作品賞 | 『ジガルタンダ』 | rowspan=2 | ||
| タミル語映画部門監督賞 | ||||
| IIFAウトサヴァム | ||||
| 2024年 | タミル語映画部門監督賞 | 『ジガルタンダ・ダブルX』 | ||
| 2013年 | 脚本賞 | 『ピザ 死霊館へのデリバリー』 | rowspan=2 | |
| 2024年 | 監督賞 | 『ジガルタンダ・ダブルX』 | ||
| ヴィジャイ・アワード | ||||
| 『ピザ 死霊館へのデリバリー』 | ||||
| 『ジガルタンダ』 | ||||
| 2013年 | 脚本賞 | 『ピザ 死霊館へのデリバリー』 | ||
出典
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2025/10/27 09:07 UTC (変更履歴)
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