マックス・ビル : ウィキペディア(Wikipedia)

マックス・ビル(Max Bill、1908年12月22日 - 1994年12月9日)は、スイスの画家、彫刻家、デザイナーである。合理主義、機能主義のデザインを目指すバウハウスの運動のなかで活動し、「アール・コンクレ」()と称される抽象彫刻を制作したことなどで知られている。

略歴

スイスのヴィンタートゥールで生まれた。1924年から1927年の間、チューリッヒの工芸学校(Kunstgewerbeschule)で学び、彫金を専攻した。モダニズムの建築家、ル・コルビュジエの講義を受けた後、ドイツのデッサウの「市立バウハウス・デッサウ」に移り、ヨゼフ・アルバースやオスカー・シュレンマー、画家のパウル・クレー、ワシリー・カンディンスキー、モホリ=ナジ・ラースロー、建築家のハンネス・マイヤーに学んだ。バウハウスで「構成主義」を学び幾何学的な原理に基づくげ芸術を追求していくことにきめた。

1929年にチューリッヒに戻ると建築家、デザイナーとして働き、「École d'artisanat d'art nègre(アフリカ工芸派)」のポスターを制作し注目された。1932年にジャン・アルプとともに画家のピート・モンドリアンやジョルジュ・ヴァントンゲルローと知り合い、彼らの影響でパリの国際的な前衛芸術家のグループ「アブストラクション・クレアシオン」に参加した。1935年にメビウスの帯に着想を得た彫刻「[[:マックス・ビル#unendliche Schleife|#unendliche Schleife]]」を制作した。

1936年にチューリッヒ美術館で開催されたモダニズム美術の展覧会のカタログに非具象芸術について考察を書いた。1937年に画家の Leo Leuppiが創設した「」というチューリッヒの美術家グループに参加した。スイスの出版社が行ったル・コルビュジエの作品集の出版に協力し、そのためにパリを頻繁に訪れた。1930年にパリで版画集「Quinze variations sur un même thème」を出版した。

1939年にバーゼルで開かれた「Konstruktivisten」展に参加し、1944年にバーゼルでConcrete artの展覧会を企画運営しFiche Max Bill , sur le site lesartistescontemporains.com consulté le 9 octobre 2010. 、その年、チューリッヒの工芸学校の教授として雇われた。

ドイツの時計メーカー、ユンハンスのために1956年にキッチンクロック、1962年に腕時計をデザインした。これらは、現在では「マックス・ビル by ユンハンス」として同社の主力商品となっている。

1961年から1968年までチューリッヒの市議会議員を務め、1967年から1971年まで、連邦議会の代表も兼務した。1967年からチューリッヒ州メイレンのに住居兼スタジオを建て1968年から暮らした。1967年から1974年までは、ハンブルクの美術学校(Hochschule für bildende Künste Hamburg)の教授も務めた。

1994年に旅行中にベルリン空港で心臓麻痺を起こし、亡くなった。

家族

1931年に音楽家のビニア・マチルデ・スポエッリ(Binia Mathilde Spoerri 1904年-1988年)と結婚し、死別後は美術史家のアンゲラ・トマス(1948年-)と1991年に再婚した。

主な作品

  • ビル、マックス「無題」(1994年、京都国立近代美術館収蔵)ハイテク・セラミック製。

主な著作

発行年順。

    • (マックス・ビル)序言、序論、後記
  • ローラン・マルタン(文)、アンリ・スティールラン(写真)。
  • 全205頁。
  • 全287頁。

書評

注釈

参考文献

  • 原文はドイツ語
  • 全165頁。
  • モデルはマックス・ビル。

関連資料

発行年順。

    • 勝見勝「家具デザインの動向 : 椅子 マックス・ビルの造形 マックス・ビルの印象」
    • 勝見勝「マツクス・ビルの造形」p.12-18
    • 剣持勇「マックス・ビルの印象」p.19-19、46-46
    • マツクスビル、勝見勝「ワイマールの国立バウハウスからウルムの造形単科大学(ニユー・ジヤーマン・バウハウス)」p.25-28
    • 「作家 研究 マックス・ビル グラビア版 肖像」p.31-31, 42-42
    • 「作家 研究 マックス・ビル グラビア版 作品--〈彫刻 プロダクト・デザイン 建築〉」p.32-41
    • 「作家 研究 マックス・ビル 年譜」p.45-45
    • 「作家 研究 マックス・ビル 原色版 変移」p.51
    • 「作家 研究 マックス・ビル 原色版 正方形のなかの正方形」p.54
    • 「作家 研究 マックス・ビル 写真版 一つのテーマによる15のバリエーション」p.52
  • 執筆者は武蔵野美術大学助教授(当時)。

関連項目

  • 勝見勝
  • 向井周太郎
  • ル・コルビュジエ

外部リンク

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