藤倉大 : ウィキペディア(Wikipedia)
藤倉 大(ふじくら だい、1977年4月27日 - )は、日本の現代音楽の作曲家。
略歴
1977年、大阪府生まれ。1993年、15歳で単身イギリスに渡りドーヴァーの高校を出たあと、トリニティ・カレッジ・オブ・ミュージックでダリル・ランズウィックに師事。イギリスのハダースフィールド国際音楽祭でオランダのオルケスト・デル・ヴォルハーディングによって作品が初演、のちロンドン・シンフォニエッタによりロンドン初演。2000年に修士課程をロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージックでエドウィン・ロックスバラに奨学生として師事。2003年1月から博士課程をキングス・カレッジ・ロンドンでジョージ・ベンジャミンに師事し学位取得。この時期に作曲家ペーテル・エトヴェシュの指導を受ける。また2005年のルツェルン音楽祭でピエール・ブーレーズ指揮により「ストリーム・ステート」が演奏される藤倉, p275-302。2009年3月以降は、イギリスのロンドン在住である。
2006年、BBCのプロムスでBBC委嘱の「クラッシング・ツィスター」がBBCコンサート・オーケストラ、チャールズ・ヘイズルウッド指揮によって初演。2010年2月21日、毎日放送のドキュメンタリー番組「情熱大陸」で特集された。2011年「トカール・イ・ルチャール」初演のためベネズエラを訪れる藤倉, p339-340, 357-369。2014年に初のオペラ「ソラリス」を脱稿。
2017年には東京芸術劇場にて開催されたボンクリ・フェスのアーティスティック・ディレクターに就任。2019年も実施された。
2020年には、新型コロナウイルスの世界的流行によるロンドンでのロックダウンを受け、同じくベルリンでロックダウンを受けていた指揮者の山田和樹とのYoutube上のライブ配信による対談を通じて、テレ・パフォーマンスのための「Longing from afar」を発表。同年、3作目のオペラである「アルマゲドンの夢」が初演された。
現在は全作品が「リコルディ・ベルリン」から出版および貸与されている。KAJIMOTO所属アーティスト。232曲以上の作品を作曲している。
コンポーザ・イン・レジデンス
- 名古屋フィルハーモニー交響楽団 (2014年)
- イル・ド・フランス国立管弦楽団 (2017年-2018年)
受賞歴
- カジミェシュ・セロツキ国際作曲コンクール史上最年少第1位および最年少出場者特別賞(1998年, Children; ポーランド)
- ハダースフィールド国際作曲コンクール優勝 (1998年, Grayed Rainbow; イギリス)
- ハダースフィールド国際作曲コンクール優勝 (1999年, Frozen Heat; イギリス)
- キャサリン・トマス国際フルート作品作曲コンクール優勝 (2000年, Ophelia; イギリス)
- 武満徹作曲賞第2位 (2003年, ティンブクトゥを夢見て; 日本)
- ルイジ・ルッソロ国際電子音楽作曲賞入選 (2003年, moromoro; イタリア)
- ルイジ・ルッソロ国際電子音楽作曲賞入選 (2004年, Poison Mushroom; イタリア)
- ロイヤル・フィルハーモニック作曲賞最終選考入選 (2003年, Be; イギリス)
- ロイヤル・フィルハーモニック作曲賞 (2004年, Another Place; イギリス)
- マレーシア・フィルハーモニック国際作曲賞入選 (2004年, Calling Timbuktu; マレーシア)
- ガウデアムス国際作曲賞入選 (2004年, Reach Out; オランダ)
- ガウデアムス国際作曲賞佳作 (2005年, Be II; オランダ)
- ウィーン国際作曲賞 (2005年, Fifth Station; オーストリア)
- 芥川作曲賞最終演奏選考ノミネート (2005年, Vanishing Point; 日本)
- 芥川作曲賞最終演奏選考ノミネート (2006年, Stream State; 日本)
- ヒンデミット賞 (2007年, time unlocked and Another Place; ドイツ)
- ギガ・ヘルツ国際電子音楽作曲賞佳作 (2008年, moromoro; ドイツ)
- 尾高賞 (2009年, Secret Forest; 日本)
- 芥川作曲賞 (2009年, ...as i am...; 日本)
- 中島健蔵音楽賞 (2009年; 日本)
- 東燃ゼネラル音楽賞洋楽部門奨励賞 (2010年; 日本)
- 尾高賞 (2015年, Rare Gravity; 日本)
- ヴェネツィア・ビエンナーレ音楽部門銀獅子賞 (2017年; イタリア)
- 芸術選奨文部科学大臣新人賞音楽部門(2019年; 日本)
- アイヴァー・ノヴェロ賞 (2019年, フルート協奏曲; イギリス)
- 尾高賞 (2019年, グローリアス・クラウズ; 日本)
- ミュージック・ペンクラブ音楽賞 (2020年, アルマゲドンの夢; 日本)
主要作品
オペラ
- アルマゲドンの夢 (2018年-2019年) H.G.ウェルズの短編小説を題材とした作品。
- 黄金虫 (2017年) エドガー・アラン・ポーの小説を題材とした作品。
- ソラリス (2013年-2014年) スタニスワフ・レムの小説を題材とした作品。
管弦楽作品
- ゴースト・オブ・クリスマス (2017年)
- グローリアス・クラウズ (2016年/2017年)
- 海 (2014年/2017年)
- レア・グラビティ (2013年)
- トカール・イ・ルチャール(2010年)Tocar y luchar|Ricordi 2022年6月24日閲覧。
協奏曲
- 尺八協奏曲 (2021年)
- 箏協奏曲 (2020年)
- アキコのピアノ - ピアノ協奏曲第4番(2019年/2020年)
- 三味線協奏曲 (2019年)
- チェロ協奏曲 (2016年/2017年)
- ホルン協奏曲第2番 (2016年)
- フルート協奏曲 (2015年)
- ダイアモンド・ダスト - ピアノ協奏曲第2番(2012年)
アンサンブル作品
- Grasping (2011年) for string orchestra
- ice (2009年/2010年) for chamber ensemble
- Phantom Splinter (2009年) for oboe, clarinet, bassoon and live-electronic
- Frozen Heat (2008年) for 13 musicians
室内楽作品
- Minina (2013年) for five instruments
- wind skein (2013年) for oboe, clarinet, alto saxophone, bass clarinet and bassoon
- being as one (2013年) for soprano, bass clarinet and violoncello. Text: Harry Ross
- Phantom Splinter Lite (2009年) for oboe, clarinet, bassoon and electronic feed
- String quartett no. 2 flare (2009年/2010年)
映画音楽
- 「蜜蜂と遠雷」
オンライン作品
- Longing from afar (2020年) for Tele performance
- Longing from a hug (2021年) for Tele performance
ディスコグラフィー
- SONY/Minabel; Dai Fujikura: Zawazawa
- Avex Japan/Minabel; Dai Fujikura: Mirrors
- NMC; Dai Fujikura: Secret Forest
- Kairos; Dai Fujikura: Ice
- Stradivarius; Dai Fujikura: Pascal Gallois Conducts Prague Modern
- SONY/Minabel; Dai Fujikura: My Letter to the World
- SONY/Minabel; Dai Fujikura&Shin Sasakubo: MANAYACHANA
- SONY/Minabel; Dai Fujikura: Mina
- SONY/Minabel; Dai Fujikura: Flare
- SONY/Minabel; Dai Fujikura: Ampere
- SONY/Minabel; Dai Fujikura: Chance Monsoon
- SONY/Minabel; Dai Fujikura: Diamond Dust
- SONY/Minabel; Dai Fujikura: Turtle Totem
- SONY/Minabel; Dai Fujikura: Aquarius
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2022/12/10 04:32 UTC (変更履歴)
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