デニス・ボーベル : ウィキペディア(Wikipedia)
デニス・ボーヴェル(Dennis Bovell, MBE、1953年5月 - )は、バルバドス出身のミュージシャン、マルチプレイヤー(ギター、ベース他)、音楽プロデューサー、音楽エンジニア。レゲエバンド・マトゥンビ ([[:en:Matumbi]]) のリーダーであり、ブラックベアード (Blackbeard) という別名義でも活動しているThompson, Dave (2002) "Reggae & Caribbean Music", Backbeat Books, ISBN 0-87930-655-6 。2021年、大英帝国勲章(MBE)叙勲。
来歴
1953年5月、バルバドスのセント・ピーター教区においてセブンスデー・アドベンティストの家庭に生まれる「デニス・ボーヴェル インタビュー」『レゲエ・マガジン』26号、1991年、株式会社タキオン。。12歳のとき家族とともにイギリスのサウスロンドンに移住する。そこでボーヴェルはジミ・ヘンドリックスなどアフロ・ロックに影響を受け、ギターを始める。その後ジャマイカの文化、特にダブに没頭するようになり、1970年にサファラーズ・ハイファイというサウンドシステムを設立するデニス・ボーヴェル他『ラヴァーズ・ロック・ストーリー』日本盤ライナーノーツ『ザ・ブリティッシュ・ルーツ・ロッカーズ』日本盤ライナーノーツ。このサウンドシステムの運営中、警察とトラブルが起こり、ボーヴェルは逮捕され6ヶ月間拘留されるが、後に釈放された。 ボーヴェルの通っていた高校にはスタジオがあり、後にミュージシャンやプロデューサーとなるニック・ストレイカー ([[:en:Nick Straker]]) や、トニー・マンズフィールド ([[:en:Tony Mansfield]]) が同級生だった。この二人はともに後にボーヴェルと作品を残したLarkin, Colin (1998) The Virgin Encyclopedia of Reggae, Virgin Books, ISBN 0-7535-0242-9, p.35-36。
1971年「マトゥンビ」『レゲエ・マガジン』55号、P35。デニス・ボーヴェル『デシベル』日本盤ライナーノーツでは「1971年」と記載、サウスロンドンでマトゥンビを結成。1979年9月にシングル「ポイント・オブ・ビュー」が、全英チャート(レコード・ミラー)35位を記録した。アルバム「ポイント・オブ・ビュー」では、自身に影響を与えたエロール・トンプソンをプロデューサーに迎えている。 「デニス・ボーヴェル ダブ・マスターの生の声」『ミュージック・マガジン』1991年12月号、P100。マトゥンビ『ポイント・オブ・ビュー』日本盤ライナーノーツ また、マトゥンビの活動と並行し、1976年に、ダブ・グループの4thストリート・オーケストラを、エディ・タンタン・ソーントンらと共に結成した。「デニス・ボーヴェル インタビュー」『レゲエ・マガジン』55号、P37。 ライブは行わずスタジオ・レコーディングのみの活動をしていた。デニス・ボーヴェル『ストリクトリー・ダブワイズ』日本盤ライナーノーツ
1978年、ボーヴェルは詩人のリントン・クウェシ・ジョンソンによる世界初のダブ・ポエトリー・アルバム『ドレッド・ビート・アン・ブラッド』をプロデュースした。ボーヴェルは以後ジョンソンの作品のほとんどをプロデュースしており、ダブ・ポエトリーというジャンルを音楽面で定義した人物の一人となった。
約10万人が参加したロック・アゲインスト・レイシズムのデモ行進と音楽フェスティバルに、ザ・クラッシュ、トム・ロビンソン、シャム69、スティール・パルスらと出演した 70年代英国で人種差別と闘った若者達の運動ロック・アゲインスト・レイシズムの音楽ドキュメンタリー『白い暴動』 日本版予告編映像公開 amass 2022/5/21。
ボーヴェルはラヴァーズ・ロックの創始者の一人でもある。1979年にはジャネット・ケイ の「シリー・ゲームス ("Silly Games")」をプロデュースしDennis Bovell『Arawak Label Showcase』ライナーノーツより、2008年、P-Vine。、同楽曲は全英シングルチャート2位を記録するヒットとなった。
1980年には坂本龍一のセカンドアルバム『B-2ユニット』において「ライオット・イン・ラゴス」などの楽曲のエンジニアリングを行ったDennis Bovell『The British Core Lovers』ライナーノーツより、2008年、P-Vine。。
彼はイギリスのレゲエ歌手ボビー・クレイとも多くの共同作品や共同プロデュース作品を制作した。また、ボーヴェルは多くのレゲエミュージシャンだけではなく、バナナラマやトンプソン・ツインズ、シャロン・シャノン ([[:en:Sharon Shannon]])、ザ・ポップ・グループ、スリッツ、フェラ・クティ、オレンジ・ジュース ([[:en:Orange Juice]]) 、マッドネスなど様々なジャンルのミュージシャンをプロデュースし、ニュー・ウェイヴムーブメントにも影響を与えた
。
ボーヴェルは映画音楽をも手がけている。1980年のフランコ・ロッソ監督作品『バビロン ([[:en:Babylon (film)]])』をはじめ、1983年のテレビドラマ『ザ・ボーイ・フー・ワン・ザ・プールズ (The Boy Who Won the Pools)』、2006年の『グローバル・レボリューション (Global Revolution)』で音楽を担当している
。
2021年6月、長年の功績を表彰され、大英帝国勲章(MBE)叙勲した。
ディスコグラフィ
デニス・ボーヴェル及びブラックベアード名義の作品
アルバム
- Strictly Dub Wize (1978), Tempus - as Blackbeard
- I Wah Dub (1980), More Cut/EMI - as Blackbeard
- Dub Conference (Winston Edwards & Blackbeard At 10 Downing Street) (1980), Studio 16 - with Winston Edwards
- Brain Damage (1981), Fontana
- Audio Active (1986), Moving Target - as Dennis Bovell and the Dub Band
- Dub Dem Silly (1993), Arawak
- Tactics (1994), LKJ
- Dub of Ages (2003), LKJ
- All Over the World (2006), Virgin Frontline
- Dub Dem Silly Volume 2 (2006), Arawak - Dennis Bovell featuring Janet Kay
- Corean Jamaican Connection, Powerslave - Yoonkee meets Dennis Bovell
- ダブ・ジャズ・ジャズ・ダブ (2009), パワーショベル - デニス・ボーヴェル・ジャズバンド
- Mek It Run(2012), Rama,Pressure Sounds
- Dub 4 Daze (2015), Glitterbeat Records
- Akoustik (2019), Old School
シングル
- Raindrops (1977), More Cut Records - as Dennis Matumbi
- Don't Let This Good Thing Go Bad (1978), Lightning Records
- Emotion/Castro Brown Speaks (1978), D.E.B. Music
- Bertie (1981), Fontana
- Oh Mama Oh Papa (1993), LKJ Records
コンピレーション
- Dub Master (1993), Jamaican Gold
- Decibel: More Cuts and Dubs 1976-1983 (2003), Pressure Sounds
- The DuBMASTER: The Essential Anthology (2022), Trojan Records
マトゥンビの作品
アルバム
- Seven Seals (1978), Harvest
- Point of View (1979), EMI
- Dub Planet Orbit 1 (1980), Extinguish
- Matumbi(1981), EMI
- Testify (1982), Solid Groove
コンピレーション
- The Best of Matumbi (1977), Trojan Records
- Empire Road - the best of Matumbi (2001), EMI
- Music in the Air (2005), Trojan Records
シングル
- Brother Louie (197?), Trojan
- Wipe Them Out (1972), Trojan
- After Tonight (1976), Trojan
- Man In Me (1976), Matumbi Music Corp
- Chaingang (1977), Matumbi Music Corp
- Music In The Air (1977), Matumbi Music Corp
- Bluebeat & Ska (1978), Harvest
- Empire Road (1978), Harvest
- Rock (1978), Harvest
- Point of View (1979), Harvest - UK #35Matumbi, ChartArchive
- Nothing At All (1980), EMI
- In Daylight (1982), Solid Groove
- Alive & Kicking (1984), Break Records
4thストリート・オーケストラの作品
アルバム
- Ah Who Seh (1976), Rama
- Leggo! Ah-Fi-We-Dis (1976), Rama
- Scientific, Higher Ranking Dubb (1977), Rama
- Yuh Learn! (1978), Rama
ザ・ダブ・バンドの作品
シングル
- Reggae High (1983), EMI
フィルモグラフィ
- Reggae In A Babylon (1978)
- Dread Beat An' Blood (1979)
- Bob Marley Spiritual Journey (2003)
- Dub Echoes (2007)
- The Story Of Lovers Rock (2011)
- White Riot 白い暴動 (2019)
外部リンク
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