栗原小巻 : ウィキペディア(Wikipedia)

栗原 小巻(くりはら こまき、1945年3月14日 - )は、日本の女優。本名同じ。父は劇作家の栗原一登。弟は演出家の加来英治読売人物データベース。

東京都出身。エイコーン所属。

人物・来歴

1963年、東京バレエ学校卒業。

俳優座養成所(第15期)在籍中に抜擢され、『虹の設計』等に出演。

1967年、『三姉妹』(お雪役)で脚光を浴び、同年、日本映画製作者協会新人賞を受賞。

1968年、『三人家族』『みつめいたり』『風林火山』で日本放送作家協会賞、第一回テレビ大賞優秀タレント賞に選ばれる。

1972年、『忍ぶ川』の演技で毎日映画コンクール主演女優賞、ゴールデンアロー賞映画賞、エールフランス女優賞を受賞。

仕事の中心である舞台では、1968年に日生劇場『三人姉妹』イリーナ役で初舞台。1971年『そよそよ族の叛乱』で紀伊國屋演劇賞を受賞。『ルル』をはじめ、千田是也演出作品に多く主演。また1981年には木村光一演出『ロミオとジュリエット』ジュリエット役で芸術祭優秀賞。1991年には千田是也演出『復活』カチューシャ役で芸術祭賞を受賞。1986年2月、俳優座劇場でロシアの演出家セルゲイ・ユールスキーを招き『恋愛論』を初プロデュース、主演する。その後、同作品をモスクワで上演、高い評価を得る。2000年、ロシアのアレクサンドル・マーリン演出、千田是也追悼『肝っ玉おっ母とその子どもたち』にアンナ役で主演。加来英治演出『愛の賛歌―PIAF』『プレンティ』他に主演。『欲望という名の電車』では1995年から2000年まで主演、新劇運動として281回の公演を重ねた(2010年に再演)。また、ミュージカルでは東宝『マイ・フェア・レディ』にイライザ役で主演。

国際的活動としては、『NINAGAWAマクベス』レディ・マクベス役で、1985年、英国エジンバラ芸術祭に参加(同作品はアムステルダム、ロンドン、ニューヨーク、オタワ、シンガポールで上演)。ロシア(旧ソビエト連邦|ソ連)との繋がりも深く、1981年には日本で初めてソ連の演出家(A・エーフロス)を招いて行った舞台公演『櫻の園』に主演した。日ソ合作映画にも主演(『モスクワわが愛』(1974年)、『白夜の調べ』(1978年)、『未来への伝言』(1990年))。『未来への伝言』では企画も担当した。読書アンケートでも、愛読書の一つにレフ・トルストイ『戦争と平和』を挙げている。イギリスの作曲家、ベンジャミン・ブリテンの作曲の『青少年のための管弦楽入門』の年少者向けクラシック音楽の解説も行う。(楽器の紹介をしながら作品のナレーションを行う日本語版作品)中国との関係では、改革開放期の1978年に『サンダカン八番娼館』、1979年に『愛と死』が中国で上映されたことが契機となり、以降中国でも人気を博する。『セツアンの善人』を、北京、上海、広州、香港で上演。1991年の中国映画『乳泉村の子』(謝晋監督、中国題名『清涼寺鐘聲』)にも主演し、日本中国文化交流協会副会長も務めるなど中国との繋がりも深い。2015年6月1日には、CCTVの大型児童番組『』6月1日は中国における「子供の日」である。当日の夜は「」という大型児童向けコンサート番組が全国放送される。に出演し、日中双方の児童と共に「故郷」と「茉莉花」を歌った。

クラシック・バレエを特技としており、映画の中でもその姿が見られる。

ダークダックスと共にロシア・ソ連の歌を紹介するテレビ番組に出演したことがあり、ソロでLPレコードを発売したこともある。

玄人受けする演技力と現代的美貌から熱狂的な男性ファンが多く、吉永小百合ファンが「サユリスト」と呼ばれたのに対し、栗原小巻ファンは「コマキスト」と呼ばれた(奇しくも吉永とは生年月日が1日違い)。アイドル的存在として人気を二分したが、中年以降、吉永が映画を主軸に据えているのに対し、栗原は舞台を主軸としている。

近年は舞台の衣装デザインも手がけている。

ももちパレスの名誉館長を務めている。

受賞

  • 1967年、エランドール賞日外アソシエーツ現代人物情報
  • 1969年、第9回日本放送作家協会賞女性演技者賞『3人家族』『みつめいたり』
  • 1969年、第1回テレビ大賞優秀タレント賞
  • 1971年、第6回紀伊国屋演劇賞個人賞『そよそよ族の叛乱』
  • 1972年、第10回ゴールデンアロー賞映画賞『忍ぶ川』
  • 1972年、第27回毎日映画コンクール女優演技賞『忍ぶ川』
  • 1981年、芸術祭賞優秀賞『ロミオとジュリエット』
  • 1991年、芸術祭賞『復活』

出演

舞台

上演年作品名役名
1968年2月三人姉妹イリーナ ※初舞台(日生劇場)
|8月東海道四谷怪談お梅/内儀
|10月あらいはくせきでん/八瀬の女
1969年11月KEAN 狂気と天才アンナ・ダンビー
1970年10月冒険、藤堂作右ヱ門の花束きち/好子/リウ
1971年7月そよそよ族の叛乱女事務員
1972年6月時間という汽車金色の女学生
|8月八百屋お七牢日記吾妻/お七/女子学生
1973年3月オセロデスデモーナ
1974年1月リチャード三世アン
|7月アンナ・カレーニナアンナ・カレーニナ
1975年10月ジュリー
1977年7月ルルルル
|8月三文オペラポリー
1978年6月マイ・フェア・レディイライザ
1979年3月マイ・フェア・レディイライザ
|5月アントニーとクレオパトラクレオパトラ
|10月マイ・フェア・レディイライザ
1980年2月NINAGAWAマクベスレディ・マクベス
|3月ビューティ・ブライアント
|7-8月かもめニーナ
|10月グルシェ
1981年1月ドレッサーサー夫人
|4月桜の園ラネーフスカヤ
|10月ロミオとジュリエットジュリエット
1982年5月食肉市場のジャンヌ・ダルクジャンヌ・ダルク
|9月ナターシャナターシャ
|10-11月桜の園ラネーフスカヤ
1983年5月メアリ・スチュアート
|9月化粧鈴子/頼子
|11月桜の園ラネーフスカヤ
1984年8月マイ・フェア・レディイライザ
|12月貴族の階段氷見子
1985年3月NINAGAWAマクベスレディ・マクベス
|5月エセルとジューリアスエセル
|8月NINAGAWAマクベス(アムステルダム・エジンバラ公演)レディ・マクベス
|10-11月ナターシャナターシャ
1986年2月恋愛論リューバ
|5月シェンテ/シュイタ
|9月化粧鈴子/頼子
|11月ピアフエディット・ピアフ
|11-12月セツアンの善人シェンテ/シュイタ
|12月恋愛論(モスクワ公演)リューバ
1987年7月エセルとジューリアスエセル
|8月スーザン・トラハーン
|9月NINAGAWAマクベス(英国公演)レディ・マクベス
|12月NINAGAWAマクベスレディ・マクベス
1988年6月ロマンティック・コメディフィービー
|9月プレンティスーザン・トラハーン
|11月じゃじゃ馬ならしキャタリーナ
1989年3月セツアンの善人シェンテ/シュイタ
|4月NINAGAWAマクベスレディ・マクベス
|7月マダム・ボヴァリーエマ・ボヴァリー
1990年1月エリーダ
|7月ロマンティック・コメディフィービー
|10月NINAGAWAマクベス(ニューヨーク公演)レディ・マクベス
|12月楽劇るひいなるひいな
1991年6月ロマンティック・コメディフィービー
|10月復活カチューシャ
|12月楽劇るひいなるひいな
1992年4月三角関係マリアナ・ピネーダ
|6月NINAGAWAマクベス(シンガポール公演)レディ・マクベス
|10-11月ワッサ
1993年2月シラノ小夜姫/(ロクサーヌ)
|8-10月ロマンティック・コメディフィービー
|11月復活カチューシャ
1994年1-2月復活カチューシャ
|5-6月コーカサスの白墨の輪グルシェ
|10-11月チェーホフ三部作『あれは美しい夢だった』ニーナ/マーシャ/ラネーフスカヤ
1997年10-12月冬のライオンエレノア
1999年1-2月肝っ玉おっ母とその子どもたちアンナ
2000年1-2月肝っ玉おっ母とその子どもたちアンナ
エイコーン制作作品
上演年作品名役名
1995年欲望という名の電車ブランチ
|愛の賛歌―PIAFピアフ
|セラフィナ
|令嬢ジュリージュリー
|アントニーとクレオパトラクレオパトラ
|アンナ・カレーニナアンナ・カレーニナ
|メアリー・スチュアートメアリー・スチュアート
|櫻の園ラネーフスカヤ
|松井須磨子松井須磨子

テレビドラマ

  • 虹の設計(1964年、NHK)
  • 近鉄金曜劇場「山ほととぎす ほしいまま」(1964年、RKB)
  • 若者たち(1966年、フジテレビ)
  • 東芝日曜劇場(TBS)
    • 『アディオス号の歌』(1966年、RKB)
    • 『海のあく日』(1970年、CBC)
    • 『初恋』(1971年、HBC)
    • 『寒椿』(1972年、CBC)
    • 『灯の橋』(1974年、CBC) - 下川文子 役 ※第29回芸術祭賞大賞
    • 『雪あかりの愛』(1976年)
    • 『ラスト・ダンス』(1977年、CBC)
    • 『冬の微笑』(1978年、CBC)
    • 『秋の愛』(1979年)
  • 渥美清の泣いてたまるか 第12話「子はかすがい」(1966年、TBS)
  • 大河ドラマ(NHK)
    • 三姉妹(1967年) - 雪(ヒロインの末妹) 役
    • 樅ノ木は残った(1970年) - たよ 役
    • 新・平家物語(1972年) - 北条政子 役
    • 黄金の日日(1978年) - 美緒 役
    • おんな城主 直虎(2017年) - 於大の方 役
  • 木下恵介劇場・木下恵介アワー(TBS)
    • 今年の恋(1967年) - 相川美加子 役
    • 3人家族(1968年 - 1969年) - 稲葉敬子 役
    • 二人の世界(1970年 - 1971年) - 榊原麗子 役
  • ゴメスの名はゴメス(1967年、フジテレビ)
  • おかあさん第2期 最終回「六月の風鈴」(1967年、TBS)
  • こんにちは結婚 第1話「約束の日」(1967年、日本テレビ)
  • ぜったい多数(1967年、日本テレビ)
  • なかよし(1967年 - 1968年、フジテレビ) - 篠原靖江 役
  • 良縁奇縁 第3話「カナリヤ式結婚」(1968年、フジテレビ)
  • ナショナルゴールデン劇場(NETテレビ)
    • 十一番目の志士(1968年)
    • 風林火山(1969年) - 由布姫 役
    • 夫婦の設計(1969年)
  • ナショナル劇場(TBS / C.A.L)
    • オレと彼女(1968年)
    • 水戸黄門 第10部 第21話「じゃじゃ馬娘はお医者様・岩村」(1980年) - 千絵 役
    • 水戸黄門 第36部 第18話「若君救った女将の秘密・三木」(2006年) - りく 役
  • みつめいたり(1968年、フジテレビ) - 大河和歌子 役
  • あいつの季節(1969年、TBS) - 沢村恵子 役
  • 霧の旗(1969年、フジテレビ) - 柳田桐子 役
  • 検事 霧島三郎(1969年、読売テレビ)
  • 竹千代と母(1970年、日本テレビ) - 於大 役
  • 知らない同志(1972年、TBS) - 今西節子 役
  • こんな男でよかったら(1973年、読売テレビ) - 綾子 役
  • 白い華燭(1975年、TBS) - 菅原朝子 役
  • 火の路(1976年、NHK) - 高須通子 役
  • 五丁目に咲いた恋は、絶対に結ばれないと人々は噂した(1976年、日本テレビ) - 丹阿弥仙水 役
  • 球形の荒野(1978年、フジテレビ) - 野上久美子 役
  • 望郷之星 長谷川テルの青春(1980年、TBS) - 長谷川テル 役
  • 関ヶ原(1981年、TBS) - 細川ガラシャ 役
  • 土曜ワイド劇場(テレビ朝日)
    • 『風の息』(1982年)
    • 『京都鳥獣の寺連続殺人』(1984年)
    • 『嫁姑が謎に挑戦』シリーズ(ABC・TSP)
    • 『万引きウオッチャー小林みなみ事件日誌』シリーズ(ABC・国際放映)
    • 『京都殺人案内27・故郷の母に誓う復讐の銃弾!!』(2004年11月27日放送、ABC・松竹) - 正田房枝 役
  • 大奥(1983年 - 1984年、関西テレビ) - お江与役、瀧山役
  • 月曜ワイド劇場 (テレビ朝日)
    • 『母子無理心中』(1983年)
    • 『美貌のメス』(1985年)
  • 火曜サスペンス劇場(日本テレビ)
    • 『松本清張スペシャル・黒の回廊』(1984年10月2日) - 土方悦子 役
    • 『凍る風景』(1986年) - 主演・河合夕子 役
    • 『薔薇色の罠』(1989年9月26日、松竹)
    • 『警部補 佃次郎18』(2003年)
    • 『弁護士・朝日岳之助22・死者の人権』(2004年)
  • 女のたたかい 会津そして京都 (1985年11月1日、テレビ朝日) - 主演・新島八重 役
  • 愛の劇場『殉愛』(1988年、TBS・松竹) - 主演・松井須磨子・島村いち子(島村抱月の妻)役(二役)
  • 女性作家サスペンス『晩餐会』(1988年3月21日、関西テレビ・松竹)
  • 事件の女たち『父は戦争に行った』(1988年8月15日、TX・仕事) - 主演・野島笙子 役
  • 金田一耕助シリーズ5・犬神家の一族(1994年10月7日、フジテレビ) - 松子 役
  • 初婚・再婚(1997年6月9日 - 7月4日、NHK) - 主演・国分由美子 役
  • 金曜エンタテイメント(フジテレビ)
    • 『京都食い道楽!古本屋探偵ミステリー2 夏目漱石に秘められた哀しい恋文』(2004年5月28日) - 浅村野薔薇 役
  • ウーマンズ・ビート ドラマスペシャル 溺れる人(2005年3月1日、日本テレビ) - 渡会文絵 役
  • 水曜ミステリー9『密会の宿4・京都・箱根・鎌倉不倫カップル連続失踪殺人事件』(2005年8月1日、TX) - 江田和代 役
  • 新・京都迷宮案内3 第1話「狙われた洋食屋! 被害届を出す女」(2006年1月12日、テレビ朝日) - 吉永今朝子 役
  • 月曜ゴールデン『遠い国から来た男』(2007年7月23日、TBS) - 岡野典子 役
  • 月に行く舟(2014年10月4日、CBC) - 佐々波千夏 役

映画

  • ゴメスの名はゴメス・流砂(1967年)
  • ボルネオ大将 赤道に賭ける(1969年)
  • 尻啖え孫市(1969年) - 小みち
  • 新・男はつらいよ(1970年) - 春子
  • 明日また生きる(1970年)
  • 戦争と人間 第一部 運命の序曲(1970年) - 趙瑞芳
  • 愛と死(1971年)
  • 戦争と人間 第二部 愛と悲しみの山河(1971年) - 趙瑞芳
  • いのちぼうにふろう(1971年) - おみつ
  • 出所祝い(1971年)
  • 忍ぶ川(1972年)
  • 忍ぶ糸(1973年)
  • モスクワわが愛(1974年)
  • サンダカン八番娼館 望郷(1974年) - 三谷圭子
  • わが青春のとき(1975年) - 上条圭子
  • 化石(1975年) - 清子
  • スリランカの愛と別れ(1976年) - 井上慶子
  • 喜劇 百点満点(1976年) - 左木和子
  • 八甲田山(1977年) - 神田はつ子(神田大尉の妻)
  • 白夜の調べ(1978年)
  • 水戸黄門(1978年) - 由美
  • 子育てごっこ(1979年)
  • 配達されない三通の手紙(1979年) - 次女・紀子
  • エア・パニック 地震空港大脱出(1980年) - モリミツ・クミコ(ハイジャック機人質) ※ロシア映画、日本劇場未公開
  • ひめゆりの塔(1982年) - 宮城先生
  • 菩提樹の丘(1985年)
  • 男はつらいよ 柴又より愛をこめて(1985年) - 真知子
  • 花の季節(1990年)
  • カンバック(1990年) - 節子
  • 未来への伝言(1990年)
  • 戦争と青春(1991年)※モントリオール世界映画祭エキュメニカル賞
  • 乳泉村の子(1992年)
  • ミラーを拭く男(2004年) - 紀子

吹き替え

ラジオ

  • 栗原小巻のワールド・サウンド・スクウェア(1994年4月~1996年3月、TBSラジオ)

バラエティ

  • 象印スターものまね大合戦(NETテレビ→テレビ朝日) - 審査員 ※同社のCMキャラクターも務めた
  • アフタヌーンショー(1976年9月20日 - 24日、テレビ朝日) - 旧ソ連からの生中継にて出演
  • 徹子の部屋(1979年5月17日・2018年6月25日、テレビ朝日)
  • なるほど!ザ・ワールド(フジテレビ) - 海外レポーター

CM

書籍

  • 『ソビエト研究』第3号(1990年4月25日) 栗原小巻「ペレストロイカとソ連の芸術」
  • 『ロシアを友に 演劇・文学・人』 舞台公演『櫻の園』の立役者、宮澤俊一の著作。ISBN 4-905821-39-8

レコード・CD

  • 『北鎌倉の午後/二枚の写真』(1977年,「北鎌倉の午後」は神奈川県山ノ内(北鎌倉)のご当地ソング)
  • 『愛は蜃気楼のように』(1984年, クラウンレコードGGA-109。2007年にBRIDGEレーベルからCDとして復刻された)
  • 音楽物語『ピーターと狼』 語り(1987年, 日本フィルハーモニー交響楽団自主制作。JPCD1001)

注釈

出典

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2021/05/30 04:40 UTC (変更履歴
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.

「栗原小巻」の人物情報へ