カトリーヌ・ドヌーブ : ウィキペディア(Wikipedia)

カトリーヌ・ドヌーヴCatherine Deneuve, 1943年10月22日 - )は、フランスの女優である。本名はカトリーヌ・ファビエンヌ・ドルレアック (Catherine Fabienne Dorleac)。「ドヌーヴ」は母の旧姓。

父と母、4人姉妹のうちドヌーヴと1967年に夭折した姉フランソワーズ・ドルレアックは俳優であり、子供のクリスチャン・ヴァディムキアラ・マストロヤンニも俳優の道に進んでいる。

来歴

10代のころから映画に出始める。1950年からパリ16区ミュラ大通り界隈に一家で暮らした。

1960年、ミシェル・フェルモーとジャック・ポワトルノーが監督した『Les portes claquent』で姉のフランソワーズ・ドルレアックと共演。

1964年のミュージカル映画『シェルブールの雨傘』のヒットで世界的スターの座をつかむ。

1992年の『インドシナ』で米国アカデミー賞主演女優賞にノミネート。1998年の『』でヴェネツィア国際映画祭 女優賞を受賞。

プライベートでは1961年から交際を始めた映画監督のロジェ・ヴァディムとの間に息子クリスチャン(1963年生まれ)を儲けたが、1965年にイギリスの写真家と結婚した。しかしベイリーとの結婚はヴァディムがジェーン・フォンダの元に走ったことにショックを受け、自暴自棄になり衝動的に行ったもので、ベイリーへの愛情は持っておらず、結局結婚生活を維持できなくなり1972年に離婚した。

その後に俳優のマルチェロ・マストロヤンニとの間に、娘キアラを儲けている。ヴァディム、マストロヤンニと正式な婚姻関係になることは諸事情のためいずれもかなわなかった。しかし、マストロヤンニとは晩年までキアラ共々交流があり、1996年のマストロヤンニの臨終の時にもキアラと共に立会った。

フランスの世界的ブランドであるイヴ・サン=ローランの顧客としても有名。

2007年2月25日(日本時間26日)、第79回米国アカデミー賞授賞式に出席し、日本の渡辺謙と2人で非英語圏俳優代表として舞台に立ち、賞が設定されて50周年を迎えた外国語映画賞の歴史を紹介した。そして、アカデミー賞から約2週間後の3月14日に、フランス映画祭2007の代表団長として10年ぶりに来日した。

2010年2月、3年ぶりに来日。同年10月にも第23回東京国際映画祭のため来日している。

2018年、高松宮殿下記念世界文化賞受賞。

2019年11月、脳卒中を起こし、パリの病院に入院するが、程度は『限定的』とされる。その後リハビリを経て自宅療養し、2020年6月には完全回復し7月から撮影復帰することが報じられた。

ギャラリー

File:Deneuve-Castelnuovo-1965-Italie.png|ドヌーヴ、ニーノ・カステルヌオーヴォ(1965年) File:Catherine Deneuve (1966).png|1966年 File:Deneuve-Demy-Varda-Venise-1966.jpg|左からドヌーヴ、ジャック・ドゥミアニエス・ヴァルダ(1966年) File:Catherine Deneuve-Jack Lemmon The April Fools.JPG|『幸せはパリで』(1969年)

主な出演作品

映画

日本語題原題役名備考
1960 Les portes claquent ダニー
1962 パリジェンヌ Les Parisiennes ソフィー
1963 悪徳の栄え Vice and Virtue
1964 シェルブールの雨傘 Les Parapluies de Cherbourg ジュヌヴィエーヴ・エムリ
世界詐欺物語 Les plus belles escroqueries du monde
男を追って La chasse à l'homme デニス
ピストン野郎 Un monsieur de compagnie イザベル
かげろうの詩 La Costanza della ragione ロリ
1965 反撥 Repulsion キャロル・ルドゥー
世界の歌 Le chant du monde クレア
1966 城の生活 La vie de château マリー
創造物Les Créatures ミレーヌ・ピコリ
1967 ロシュフォールの恋人たちLes Demoiselles de Rochefort デルフィーヌ 姉フランソワーズ・ドルレアックと共演
昼顔 Belle de jour セブリーヌ
1968 めざめ Benjamin ou Les mémoires d'un puceau アン
恋のマノン Manon 70 マノン
うたかたの恋 Mayerling マリア
別離 La chamade ルシル
1969 幸せはパリで The April Fools カトリーヌ
暗くなるまでこの恋を Le Sirene du Mississippi マリオン(ユリー)
1970 哀しみのトリスターナ Tristana トリスターナ
ロバと王女Peau d'âne 王女
1971 哀しみの終るとき Ça n'arrive qu'aux autres カトリーヌ
1972 ひきしお四方田犬彦「四つん這いになる」(『犬たちの肖像』集英社 2015年pp.93-111)に詳しい。Liza リザ
リスボン特急 Un flic カティ
1973 モン・パリL'événement le plus important depuis que l'homme a marché sur la Lune イレーヌ
1974 哀しみの伯爵夫人 Fatti di gente perbene リンダ
赤いブーツの女 La femme aux bottes rouges オデット
1975 恋のモンマルトル Zig Zig マリー
ヘルバスター L'agression サラ
うず潮 Le sauvage ネリー
ハッスル Hustle ニコール
1976 愛よもう一度 Si c'était à refaire カトリーヌ
1977 外人部隊フォスター少佐の栄光 March or Die シモーヌ
ジョディ・フォスター/避暑地のラブ・ストーリー Casotto
1978 銀行 L'argent des autres セシル
1979 夢追い À nous deux フランソワーズ
1980 終電車 Le dernier métro マリオン・シュタイナー セザール賞 主演女優賞 受賞
1981 海辺のホテルにて Hôtel des Amériques エレーヌ
1982 最後の標的 Le choc クレア
1983 ハンガー The Hunger ミリアム・ブレイロック
1984 フォート・サガン Fort Saganne ルイーズ
残火 Paroles et musique マーゴ
1986 女たちのテーブル Speriamo che sia femmina クラウディア
1986 夜を殺した女 Le lieu du crime リリー
1988 夜のめぐり逢い Drôle d'endroit pour une rencontre
1991 恋路 La Reine blanche リリアン
1992 インドシナ Indochine ドュブリー セザール賞 主演女優賞 受賞
1993 私の好きな季節 Ma saison préférée
1994 百一夜 Les cent et une nuits de Simon Cinéma
1995 メフィストの誘い O Convento エレーヌ
1996 夜の子供たち Les Voleurs マリー・レブラン
1997 犯罪の系譜 Généalogies d'un crime ジャンヌ / ソランジェ
1998 ヴァンドーム広場 Place Vendôme マリアンヌ ヴェネチア国際映画祭 女優賞 受賞
1999 夜風の匂い Le vent de la nuit エレーヌ
ポーラX Pola X マリー(母親)
見出された時-「失われた時を求めて」より- Le Temps retrouvé オデット
イースト/ウエスト 遙かなる祖国Est - Ouest ガブリエル
2000 ダンサー・イン・ザ・ダーク Dancer In The Dark キャシー
2001 家路Je rentre à la maison 王妃マルグリット
ヤング・ブラッド The Musketeer フランス王妃
プセの冒険 真紅の魔法靴 Le petit poucet 女王
2002 8人の女たち8 femmes ギャビー ベルリン国際映画祭 銀熊賞 受賞(8人の女優に対して)ヨーロッパ映画賞 女優賞 受賞(8人の女優に対して)
逢いたくて Au plus près du paradis ファネット
2003 永遠(とわ)の語らい Um Filme Falado デルフィーヌ
2004 キングス&クイーン Rois et reine ヴァッセ
2005 ストーン・カウンシル Le Concile de Pierre シビル・ヴェベール
2006 輝ける女たち Le héros de la famille アリス
2007 ペルセポリス Persepolis マルジの母、タージ 声の出演
2008 クリスマス・ストーリーUn conte de Noël ジュノン
2009 隠された日記 母たち、娘たち Mères et filles マルティーヌ(母)
2010 しあわせの雨傘 Potiche スザンヌ・ピュジョル
ビッグ・ピクチャー 顔のない逃亡者 L'homme qui voulait vivre sa vie アンヌ
2011 愛のあしあと Les Bien-Aimes マドレーヌ
2012 皇帝と公爵Linhas de Wellington
アステリックスの冒険〜秘薬を守る戦いAstérix et Obélix : Au service de Sa Majesté ブリテンの女王コーデリア
2013 ミス・ブルターニュの恋Elle s'en va ベティ
2014 愛しすぎた男 37年の疑惑L'homme qu'on aimait trop ルネ・ルルー 日本劇場未公開、WOWOWで放送WOWOW放送時のタイトルは『ニースの疑惑 カジノ令嬢失踪事件
3つの心 あのときもしも3 coeurs ベルガー夫人 日本劇場未公開、WOWOWで放送WOWOW放送時のタイトルは『ラブ・トライアングル 秘密
2015 神様メールLe Tout Nouveau Testament マルティーヌ 日本公開は2016年5月公開
太陽のめざめLa tête haute フローランス
2017 ルージュの手紙Sage Femme ベアトリス・ソボレフスキ
ホテル・ファデットへようこそBonne Pomme バルバラ・マネ 日本劇場未公開、WOWOWで放送
女神よ、銃を撃てTout nous sépare ルイーズ・ケラー 日本劇場未公開、WOWOWで放送
2018 バッド・シードMauvaises herbes モニーク 日本劇場未公開
2019 見えない太陽L'Adieu à la nuit ミュリエル 日本劇場未公開、WOWOWで放送
真実La Vérité ファビエンヌ
ハッピー・バースデー 家族のいる時間Fête de familleアンドレア

テレビシリーズ

日本語題原題役名備考
2003 危険な関係 Les liaisons dangereuses メルトイユ侯爵夫人 ミニシリーズ
2006 NIP/TUCK マイアミ整形外科医Nip/Tuck ディアナ 第4シーズン第12話「ダイアナ・ルベイ」

日本の主なテレビ番組出演

  • すばらしき仲間(中部日本放送)
  • 徹子の部屋(テレビ朝日)

ほか多数

日本でのCM出演

  • ブルボン
  • フォンテーヌ

備考

  • 「カトリーヌ・ドヌーヴ」という品種名の薔薇がある。
  • 1985 - 1989年の間、フランス共和国の象徴マリアンヌ像のモデルに選ばれた。

出典

外部リンク

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