河合雪之丞 : ウィキペディア(Wikipedia)

河合 雪之丞(かわい ゆきのじょう、1970年〈昭和45年〉11月29日 - )は、日本の俳優。東京都中野区出身で劇団新派に所属する俳優である。現在の屋号は白兎屋(しらとや)。定紋は「雪輪に三つ兎」。本名は近藤 弦(こんどう げん)。

歌舞伎役者時代の旧芸名は二代目 市川春猿(にだいめ いちかわ しゅんえん)。屋号は澤瀉屋。定紋は澤瀉桐(おもだかぎり)。

来歴

1988年、国立劇場第9期歌舞伎俳優研修を修了後、初舞台を踏む。同年7月、子供の頃からの憧れだった三代目市川猿之助に入門し、二代目市川春猿を襲名。1994年、猿之助の部屋子となり、猿之助が主宰する21世紀歌舞伎組に所属した。

1996年歌舞伎座賞受賞、2000年4・5月新橋演舞場のスーパー歌舞伎『新・三国志』の彩霞役で名題昇進。2007年松尾芸能賞新人賞を受賞している。

次代を担う女形のひとりとされていたが、2017年1月に劇団新派に入団し、芸名を「河合 雪之丞」(かわい ゆきのじょう)に改名した。芸名の由来は、姓の「河合」は新派で活躍した女形の河合武雄から、名の「雪之丞」は歌舞伎の師匠である二代目市川猿翁(三代目猿之助)が命名。屋号は「白兎屋」となった。

同時に3人の門人も新派に移籍。猿翁一門下の弟弟子である市川笑三が河合誠三郎、市川猿若が河合穂積、市川猿珠が河合宥季とそれぞれ改名した。

新派でも女形として活躍するほか、2021年7・8月には坂東玉三郎特別舞踊公演に出演、2年ぶりに京都南座の舞台に立った。2022年2月の博多座の公演にも出演が決定している。

2022年3月31日、所属事務所の株式会社ディーピーエヌを退所した。

2022年6月1日より株式会社ケイロックスに所属。

人物

  • 家族は祖母・父・母・兄。父は画家でNHKの美術スタッフ、母は大学の職員、祖母は勤め人。
  • 黒胡椒好きで、自称「コショラー」(「胡椒を常に持ち歩く人」という意味の本人造語)2008年10月10日放送「未来創造堂」。
  • 好き嫌いが激しく、嫌いな食べ物が多いと公言している。ねぎ、酢、ふきのとう、パクチー、にんじん、たらの芽、チーズなどが嫌いだという。ただ、チーズに関してはピザやドリアなどにのっている火の通ったチーズは大好物だという。
  • 声優の松野太紀と交友関係がある。春猿がカラオケ店で唄ったセガサターンのゲームソフト「サクラ大戦」の主題歌である「檄!帝国華撃団」を松野が聴いたのがきっかけで、サクラ大戦歌謡ショウで所作指導を行ったりゲスト出演したサクラ大戦歌謡ショウ「春恋紫花夢惜別」での「広井王子・市川春猿特別対談」にて。。
  • 趣味はダーツ、ゴルフ2011年11月28日放送「ヒルナンデス」。

出演

バラエティ・その他

  • 歴史秘話ヒストリア「悪の華”は平安京の夜に開く〜キケンな貴公子、藤原頼長〜」(NHK総合)- 藤原頼長役

ほか多数

テレビドラマ

  • 月曜ゴールデン 狩矢警部シリーズ5『京舞妓殺人事件』(TBS、2006年) - 桃山英良 役
  • 名奉行!遠山の金四郎(TBS、2017年 ‐ )- 市村菊之丞 役
  • 月曜名作劇場 「十津川警部シリーズ (内藤剛志)6」(2018年) - 市村隆信 役

映画

  • 『シネマ歌舞伎 ふるあめりかに袖はぬらさじ』(2008年) - 芸者太郎 役
  • 『シネマ歌舞伎 スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース』 (2016年) - ナミ / サンダーソニア 役

新派公演

  • 『滝の白糸』(2010年10月、三越劇場) - 滝の白糸 役(主役)
  • 新派名作撰(2012年10月、三越劇場)『葛西橋』 - おぎん・菊枝・美也子 役、『小春狂言』 - 芸者小春役
  • 『滝の白糸』(2012年11月、南座・博多座) - 滝の白糸 役(主役)
  • 『婦系図』(2013年10月、三越劇場) - お蔦
  • 『明治一代女』(2014年1月、三越劇場) - 沢村仙枝役
  • 『江戸みやげ 狐狸狐狸ばなし』(2014年8月、三越劇場) - おきわ 役
  • 『残菊物語』(2015年6月、三越劇場) - 尾上菊之助 役
  • 市川月乃助改め二代目喜多村緑郎襲名披露 九月新派特別公演(2016年9月、新橋演舞場・大阪松竹座)『振袖纏』 - お徳 役、「口上」、『婦系図』 - 河野菅子 役
  • 『華岡青洲の妻』(2017年1月、三越劇場/2018年9月、三越劇場) - 加恵 役
  • 『黒蜥蜴』 (2017年6月、三越劇場) - 黒蜥蜴
  • 『怪人二十面相 ~黒蜥蜴二の替わり~』(2018年3月、サンシャイン劇場) - 怪人二十面相
  • 『黒蜥蜴 全美版』 (2018年6月、三越劇場) - 黒蜥蜴
  • TEAM KAWAI Attract Vol.1『楽屋 ~流れ去るものは やがてなつかしき~』(2018年7月、Morph-Tokyo) - 女優C
  • 『犬神家の一族』(2018年11月、大阪松竹座・新橋演舞場) -犬神梅子 役
  • 『日本橋』(2019年1月、三越劇場) -稲葉家お孝 役
  • 演劇人祭「朗読 北条源氏」(2019年1月、新橋演舞場)
  • 『夜の蝶』(2019年6月、三越劇場) - 葉子
  • 山村美紗サスペンス『京都都大路 謎の花くらべ』(2019年8月、新橋演舞場) - 人形師 歌乃 役
  • 『黒蜥蜴 - 緑川夫人編 -』 (2019年9月、大阪松竹座・御園座) - 緑川夫人
  • 『道頓堀ものがたり』(2019年10月、京都四条南座)
  • 『神田祭』(2020年1月、三越劇場)
  • 『八つ墓村』(2020年2月、新橋演舞場/6月、大阪松竹座) - 森 美也子 役
  • 藤山寛美歿後三十年喜劇特別公演(2020年5月、大阪松竹座)
  • 新作歌舞伎 『刀剣乱舞』月刀剣縁桐 (2023年7月、新橋演舞場)- 小烏丸

歌舞伎・新派以外の舞台

  • 平岡紀子プロデュース『ヘロデ王』(1990年、青山円形劇場) - サロメ
  • 怪奇ロマンミュージカル「霊舞」(1993年、前進座劇場) - 真澄 役
  • 「サクラ大戦歌謡ショウ『春恋紫花夢惜別』」(2002年1月2日 - 6日、東京・青山劇場)- 芸者千代春 役
  • 東宝創立70周年記念公演『残菊物語』(2002年9月、帝国劇場) - 中村福助 役
  • リーディング・ドラマ・コンサート「優雅な秘密」(2004年10月、巡業≪東京・草月ホール、博多・イムズホール、大阪・MIDシアター≫)
  • Radiogenic リーディング・スペクタクル「美貌の青空」~チェ・ゲバラ魂の錬金術~(2005年8月、Zepp Tokyo) - セリア・裕子・絹江 役
  • スーパー喜劇「狸御殿」(2005年11月、大阪松竹座・同年12月新橋演舞場) - 腰元・九重 役
  • Radiogenic リーディング・スペクタクル 「優雅な秘密」(2006年8月11日-13日、恵比寿ガーデンホール)
  • Radiogenic リーディング・スペクタクル 「下町日和」(2006年8月13日、恵比寿ガーデンホール) - 絹江 役
  • Radiogenic リーディング・スペクタクル「下町日和」(2007年8月、ル・テアトル銀座) - 絹江 役
  • Radiogenic リーディング・スペクタクル「ミッシング・ピース」(2007年、ル・テアトル銀座)
  • スーパー喜劇「かぐや姫」(2015年3月、新橋演舞場・同年4月、大阪松竹座) - 赤目・お梅 役
  • 朗読劇「タチヨミ」第十巻(2023年2月8日 - 12日、サンシャイン劇場)
  • 初春新派公演「東京物語」(2024年1月2日 - 26日、三越劇場) - 女将加代 役
  • 初夏の新派祭「螢」「喜劇 お江戸みやげ」(2024年6月1日 - 23日、三越劇場) - 船木とき / しげ 役、常磐津 文字辰 役
  • 令和七年 正月公演「おちか奮闘記」(2025年1月2日 - 26日、三越劇場) - お政 役

ゲーム

  • 『天外魔境III NAMIDA』(2005年、ハドソン、PlayStation 2) - 市村出雲 役

著作

  • 市川春猿『女づくり』(徳間書店、2006年11月/徳間文庫、2010年8月)

受賞歴

  • 1996年 歌舞伎座賞(「小さん金五郎」六ツ八役)
  • 1997年 新橋演舞場賞(スーパー歌舞伎「オオクニヌシ」スセリヒメ役)
  • 2005年 第67回国立劇場優秀賞(第67回歌舞伎鑑賞教室「歌舞伎のみかた」(解説)で市川笑三郎丈と)
  • 2007年 第28回松尾芸能賞新人賞(「夜叉ヶ池」白雪姫・百合、「天守物語」亀姫、「當世流小栗判官」お駒、「雪之丞変化2006」お初、「菅原伝授手習鑑~車引」桜丸)
  • 2008年 第69回国立劇場賞優秀賞(「江戸宵闇妖鉤爪」商家の娘お甲・女役者お蘭・明智の女房お文)

関連項目

外部リンク

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