小須田康人 : ウィキペディア(Wikipedia)
小須田 康人(こすだ やすと、1961年〈昭和36年〉12月17日 - )は、日本の俳優。東京都出身。クリオネ所属。
略歴
栄光学園出身。高校では理系クラスだったが文転し、早稲田大学第二文学部に入学(後に大学中退『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.542)。演劇研究会に入会し1981年、鴻上尚史主宰の劇団第三舞台の旗揚げにスタッフ(装置助手)として参加。その後正式に入団し、第2回公演『宇宙で眠るための方法について』以降、すべての第三舞台公演に看板俳優の1人として出演。また、第三舞台での活動の傍ら、子供のためのシェイクスピアシリーズや劇団☆新感線、加藤健一事務所などへ客演のほか、テレビドラマや映画にも多数出演。
人物
冷静沈着で内向的な役を演じることが多いが、それでいてお茶目な面も見せる。一方で舞台『トランス』(サードステージ、1993年)の立原雅人や、舞台『リア王』(2000年)など、どこか狂気をはらんだ分裂気味な役も演じている。シニカルな厭世家から心優しいゲイの男まで役柄は幅広く、その演技力などが評価を得て、雑誌『演劇ぶっく』の中で行われていた「えんぶちゃーと俳優部門」においてもたびたびランクインしている{{Refnest|
- 1988年:14位
- 1990年:8位
- 1992年:2位
- 1995年:4位
- 1996年:19位
- 1997年:7位
- 1998年:37位
- 1999年:36位
- 2000年:22位
- 2001年:24位
}}。1993年度は『トランス』などの演技を受けて俳優部門第1位に選出された。
また、舞台上でのミスが少ないことから演劇マシーンと呼ばれることもある。これについては「しっかり稽古をして役を作り込んでやるタイプだったためそう呼ばれていた時期もあった」と2016年のインタビュー内で答えている。
柔らかく玲瓏とした声質からナレーションを担当したり、#ラジオドラマに出演している。
1986年に出演した舞台『ラスト・アジア』(流山児★事務所)には複数の劇団から役者が出演し、それぞれの劇団で行われている身体訓練を日替わりで行っていたが、その中でも第三舞台の身体訓練が最もきついものであった。共演した深浦加奈子からは、(小須田が)そのきつい身体訓練をニコニコしながら延々とやる様子や、自分がとてもノーマルだと思い込んでいる様子などが「演劇界にはちょっといない人種」で「第三エロチカにトレードしようという話も出たくらい」であったとのエピソードが明かされている。
粟根まことからは、「冷静で落ち着いた物腰」で私生活もきちんとしていて、ツッコミが得意な自分にもその隙を与えないほどであると明かされており、空き時間には日本経済新聞を読んでいる姿が目撃されている。
電脳俳優
「小劇場の電脳俳優の異名を持つ」と紹介されている。かつてNIFTY SERVEのシアターフォーラム演劇館FSTAGEと日本伝統芸能館(FDENTOU)でこさ・ふなばしとしてシステムオペレーターをしていたほか、パソコン雑誌『EYE-COM』での連載を持っており、1996年にはアジアの電気街を巡ったエッセイ『亜細亜をパソる』が出版された。
自身がパソコンを使うようになったきっかけとして、1989年の舞台『ピルグリム』で小説家を演じた際にワープロを使用する役だったことから、ワープロでパソコン通信を始め、パソコンを購入するまでに至った経緯が著書に記されている。
出演
テレビドラマ
映画
- 祝辞(1985年)
- ジュリエット・ゲーム(1989年)
- ボクが病気になった理由 第1話「マイ・スウィート・リトル・キャンサー」(1990年) - 北田研修医 役
- バカヤロー!3 へんな奴ら 第三話「会社をナメるな」(1990年) - 木島わたる 役
- 青空に一番近い場所(1994年) - サラ金の男 役
- マークスの山(1995年) - 野村久志 役
- 犯人(ホシ)に願いを(1995年) - 瀬島充 役
- ショムニ(1998年) - AV監督 役
- 1980(2003年) - レコーディング・プロデューサー 役
- 踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!(2003年) - 警視庁刑事部捜査一課捜査員 役
- カナリア(2005年)
- 着信アリ2(2005年) - 台湾の刑事 リン 役
- アキハバラ@DEEP(2006年)
- オリヲン座からの招待状(2007年)
- 黒帯 KURO-OBI(2007年) - 林五十吉 役
- 伝染歌(2007年) - あんずの父 役
- 映画 クロサギ(2008年)
- アウトレイジ(2010年)
- THE LAST MESSAGE 海猿(2010年)
- 僕と妻の1778の物語(2011年)
- 犬とあなたの物語 いぬのえいが(2011年)
- POV〜呪われたフィルム〜(2012年) - 島津大介 役
- 天地明察(2012年) - 大黒松太夫 役
- ストロベリーナイト(2013年)
- 甘い鞭(2013年)
- 七人の秘書 THE MOVIE(2022年)
舞台
特撮
- うたう!大龍宮城 第43話「ムツゴロウ」(1992年、フジテレビ系)
- 超光戦士シャンゼリオン 第36話「新たなる敵!か?吉良三郎」(1996年、テレビ東京系)
- 未来戦隊タイムレンジャー Case File 12(第12話)「星に願いを」(2000年、テレビ朝日系)
テレビ 番組
- IQエンジン(1989年、フジテレビ)
- 新・真夜中の王国(1998年、NHK BS2)
- ザ・ドキュメント 生かされた理由〜京アニ事件の深層〜(2024年、関西テレビ) - ナレーション
CM
- 日本ユニシス(2000年)
- PHILIPS「ソニッケアー / ダイアモンドクリーン」(2002年 - 2003年)
- NTT東日本 0036(2004年)
- 明星食品「チャルメラ(しょうゆ)」(2005年)
- 養命酒(2005年)
ラジオCM
- 東京都 広報CM(1990年 - 2001年)
- サントリー
- BOSS「一見不幸、一転幸福編」(2000年)
- なっちゃん「なっちゃん女優修行編」(2000年)
- モルツ
- アメリカ・オンライン(2000年)
- 三和銀行「ベストアシスト」(2001年)
- SANYO 椅子式マッサージャー(2001年)
ウェブ配信
- アマルフィ ビギンズ(2009年、ドコモ動画) - カジノのディーラー 役
配信ドラマ
- 酒癖50 第3話(2021年7月29日、ABEMA SPECIAL)
- トラックガール2 1話(2025年、FOD)
ラジオドラマ
- 青春アドベンチャー(NHK-FM)
- ジュラシック・パーク(1993年)
- くたばれ!ビジネスボーグ(1993年)
- 霧隠れ雲隠れ(1994年)
- ウォッチャーズ(1994年)
- 笑う20世紀(1994年)
- 魔術師の大失敗(1995年)
- お父さんの会社(1996年)
- エデン2185(2000年)
- スピリット・リング(2004年) - フェランテ 役
- FMシアター(NHK-FM)
- 「月より帰る」ダミーヘッド・シリーズ(1995年)
- 劇作家シリーズ「カラカッタ」(1996年)
- その後の断腸亭日乗〜津軽放浪(2000年)
- その後の断腸亭日乗〜佐渡情話・編(2001年)
- 春を待つ丘(2001年)
- ラジオ時代劇(NHKラジオ第1)
- 一龍斎貞水 異色忠臣蔵大傑作集
- 錯乱(2001年)
- 桂籠(2001年)
- 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし(2005年)
- 一龍斎貞水 異色忠臣蔵大傑作集
- 歌謡ドラマ 断絶(2005年、NHKラジオ第1)
書籍
雑誌連載
- EYE-COM「ノートの大将放浪記」「DOS/Vの大将放浪記 電脳亜細亜編」(1991年 - 1995年、アスキー)
- 演劇ぶっく「KILLING TIMES」(1990年 - 1993年、演劇ぶっく社)
出典
参考文献
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2025/08/14 12:08 UTC (変更履歴)
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