武藤正敏 : ウィキペディア(Wikipedia)
武藤 正敏(むとう まさとし、1948年(昭和23年)12月18日 - )は、日本の元外交官、評論家。
元在大韓民国特命全権大使。三菱重工業・元顧問。
人物
東京出身。世田谷区立祖師谷小学校、1972年に横浜国立大学を卒業し、外務省に入省。ソウル特別市の延世大学校で朝鮮語研修を受ける。1975年ハーバード大学大学院修了、修士外交評論家 武藤正敏 Muto MasatoshiTBSキャスティング。
キャリア官僚の中で朝鮮語を専攻した「コリア・スクール」からの初めての韓国大使で、韓国勤務が語学研修を含め5度ある韓国通であり、外務省の北東アジア課長も務めるなど、朝鮮半島情勢通として知られる。
朝鮮語ができた駐韓大使には、日本統治時代の京城帝国大学卒で1980年代初めに駐韓大使を務めた前田利一がいるが、戦後生まれでは武藤が最初であった。経歴的には本省局長級経験がないなど、通常の自由民主党政権下での人事と異なり、丹羽宇一郎駐中国大使などとともに民主党菅内閣による異例の抜てきと評されている。
韓国大使在任中の2012年8月には、李明博大統領が竹島上陸を行ない、大使召還も検討され一時帰国した。また韓国政府と連絡をとれず、外務大臣のリーダーシップが届いていなかったことが、参議院予算委員会で問題とされ、同年丹羽駐中国大使などともに退任した。
2015年5月のインタビューでは、大使在任中の李明博大統領の竹島上陸などで日韓関係は一気に冷え込んだとし、「せっかく張り切って日韓新時代を築こうと思って着任したのに、日韓関係を悪化させたまま帰国することになり、じくじたる思いがあった」と振り返り、「今まで通りでは日韓関係は良くならない。ルールを変えて韓国の反日はもうやめてもらわないといけない」と主張した。
2018年10月、韓国の反日と中国の反日の差について、中国による反日は中国政府の指導下にあって国益の下で行われるのに対して、韓国の反日は国益毀損しようとも感情最優先で行われる、どこまで理性的な判断が働いているか不明なレベルと述べている。
2021年3月、文在寅政権の韓国との外交関係までもが門を閉じた状況において、次にアメリカが韓国を見放す場合、日本にとっても安全保障上きわめて大きな危険が迫ってくることを説明している。
経歴
- 1972年 - 横浜国立大学経済学部卒業、外務省入省、朝鮮語研修
- 1975年 - ハーバード大学大学院修了、在大韓民国日本国大使館在勤
- 1976年 - 在大韓民国日本国大使館二等書記官
- 1984年 - 国際連合日本政府代表部一等書記官
- 1987年 - 在大韓民国日本国大使館一等書記官
- 1989年 - 在大韓民国日本国大使館参事官
- 1989年 - 外務大臣官房領事移住部旅券課企画官
- 1989年 - 外務大臣官房領事移住部外国人課長
- 1991年 - 外務大臣官房文化交流部文化第一課長
- 1991年 - 外務省アジア局現・アジア大洋州局北東アジア課長
- 1993年 - 在大韓民国日本国大使館参事官
- 1996年 - 在連合王国日本大使館公使
- 1998年 - 外務大臣官房外務参事官兼外務大臣官房文化交流部参事官
- 1999年 - 外務大臣官房審議官兼外務大臣官房文化交流部審議官
- 2000年 - 在オーストラリア日本大使館公使
- 2002年 - 在ホノルル総領事
- 2005年 - 在大韓民国日本国大使館特命全権公使
- 2007年 - 在クウェート特命全権大使
- 2010年 - 在大韓民国特命全権大使
- 2012年 - 東西大学校国際学部特任教授
- 2013年1月1日 - 三菱重工業株式会社顧問(2017年末退任)
- 2013年 - 韓国政府から修好勲章光化章を授与
- 2013年 - 秋の叙勲で瑞宝重光章受章『官報』号外232号、令和5年11月6日。
同期
著作
単著
- 『さまよえる韓国人』ワック、2021年12月。
共著
記事
- 百田尚樹、武藤正敏「経済制裁、是か非か大闘論」
- 武藤正敏「『NO文在寅』を叫ぶとき」
外部リンク
- 北朝鮮の非核化は実現するのか - 一般社団法人霞関会、2018年6月18日
- 元駐韓大使・武藤正敏の「韓国ウォッチ」(ダイヤモンド・オンライン連載)
- 武藤正敏駐大韓民国特命全権大使挨拶(在大韓民国日本国大使館ホームページ)
- YouTube-「新たな日韓関係を作る」武藤・新駐韓日本大使(10/08/13)(ANNニュースチャンネル)
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/10/06 18:51 UTC (変更履歴)
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.