エイドリアン・ブロディ : ウィキペディア(Wikipedia)
エイドリアン・ニコラス・ブロディ(, 1973年4月14日 - )は、アメリカ合衆国の俳優。2002年公開の『戦場のピアニスト』でアカデミー主演男優賞を受賞。29歳343日での受賞記録は、現在でも史上最年少記録である。
生い立ち
ニューヨーク市クイーンズ区にて、ポーランド系ユダヤ人の画家で元歴史教授のエリオット・ブロディと、ハンガリー人とチェコ系ユダヤ人のハーフであるフォトジャーナリストシルヴィア・プラヒー (Sylvia Plachy) の間に生まれる。父エリオットはホロコーストで家族を失い、母シルヴィアは1956年のハンガリー動乱の時にアメリカに亡命していた。
幼少の頃は母親のカメラの被写体になっていた。少年時に素行不良の友人と関係を持っていたため両親により強制的に演劇学校(アメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツ)に入学させられた。1992年にオートバイを運転していたところ交通事故に巻き込まれリハビリに数か月を費やす重傷を負った。
キャリア
1986年にテレビ映画でデビュー。1988年に『Home at Last』で映画デビュー。
1999年に映画撮影中に鼻を骨折したため、現在も鼻が曲がっている。
2002年公開の『戦場のピアニスト』で実在したピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンを演じ、29歳343日という史上最年少でアカデミー主演男優賞を獲得した。セザール賞を受賞した初めてのアメリカ人でもある。
『ダージリン急行』や『グランド・ブダペスト・ホテル』などウェス・アンダーソン監督作品に出演することが多い。
私生活
2007年からスペイン人女優エルサ・パタキーと交際していたが、2009年5月に破局。
2020年からファッションデザイナーで女優のジョージナ・チャップマン(Georgina Chapman)と交際している。
主な出演作品
映画
公開年 | 邦題原題 | 役名 | 備考 | 吹き替え |
---|---|---|---|---|
1988 | Home at Last | ビリー | ||
1989 | ニューヨーク・ストーリーNew York Stories | メル | 第2話「ゾイのいない生活」に出演 | |
1991 | The Boy Who Cried Bitch | エディ | ||
1993 | わが街 セントルイスKing of the Hill | レスター・シルバーストーン | 日本劇場未公開 | |
1994 | エンジェルスAngels in the Outfield | ダニー・ヘマーリング | ||
ゲッタウェイ!エンジェルJailbreakers | スキニー | テレビ映画 | ||
1996 | ゼロ・ゲームNothing to Lose | レイ・ディグロヴァニーニ | 日本劇場未公開 | |
サイバー・ソルジャーSolo | ビル・ステュワート医師 / ソロのデザイナー | 日本劇場未公開 | ||
ハード・ブレット 仁義なき銃弾Bullet | ルビー | 藤原啓治 | ||
1997 | 死にたいほどの夜The Last Time I Committed Suicide | ベン | ||
危険な結婚The Undertaker's Wedding | マリオ・ベリーニ | 日本劇場未公開 | ||
ハード・デイズSix Ways to Sunday | アーニー・フィンケルスタイン | 日本劇場未公開 | ||
1998 | レストランRestaurant | クリス・キャロウェイ | 山野井仁 | |
シン・レッド・ラインThe Thin Red Line | ファイフ二等兵 | 中原茂 | ||
1999 | サマー・オブ・サムSummer of Sam | リッチー | 関俊彦 | |
人質Oxygen | ハリー | テレビ映画 | TBA | |
リバティ・ハイツLiberty Heights | ヴァン・カーツマン | 日本劇場未公開 | ||
2000 | ブレッド&ローズBread and Roses | サム | ||
戦場のジャーナリストHarrison's Flowers | カイル・モリス | WOWOWでは「戦場に消えたカメラマン」という題名で放送 | ||
2001 | ラブ・ザ・ハード・ウェイ〜疑惑の男〜Love the Hard Way | ジャック・グレース | 日本劇場未公開 | 宮本充 |
マリー・アントワネットの首飾りThe Affair of the Necklace | ニコラ | 郷田ほづみ | ||
2002 | ダミーDummy | スティーヴン | 日本劇場未公開 | TBA |
戦場のピアニストThe Pianist | ウワディスワフ・シュピルマン | アカデミー主演男優賞受賞 | 宮本充 | |
2003 | 歌う大捜査線The Singing Detective | ファースト・フード | 日本劇場未公開 | (吹き替え版なし) |
2004 | ヴィレッジThe Village | ノア・パーシー | 宮本充(ソフト版)桐本琢也(日本テレビ版)TBA(機内上映版) | |
2005 | ジャケットThe Jacket | ジャック・スタークス | 宮本充 | |
キング・コングKing Kong | ジャック・ドリスコル | |||
2006 | ハリウッドランドHollywoodland | ルイス・シモ | 井上和彦 | |
2007 | The Tehuacan Project | ナレーター | 声の出演 | |
ダージリン急行The Darjeeling Limited | ピーター・ホイットマン | 東地宏樹 | ||
2008 | マノレテ 情熱のマタドールManolete | マヌエル・ロドリゲス・サンチェス(マノレテ) | 日本劇場未公開 | (吹き替え版なし) |
ブラザーズ・ブルームThe Brothers Bloom | ブルーム | 浜田賢二 | ||
キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語Cadillac Records | レナード・チェス | 宮本充 | ||
2009 | ジャーロGiallo | エンツォ・ラヴィア捜査官 | 兼製作 | (吹き替え版なし) |
スプライスSplice | クライヴ・ニコリ | 檀臣幸 | ||
ファンタスティック Mr.FOXFantastic Mr. Fox | リックキティ | 声の出演 | ||
2010 | High School | Edward "Psycho Ed" Highbaugh | ||
プレデターズPredators | ロイス | 井上和彦 | ||
エクスペリメントThe Experiment | トラヴィス | 宮本充 | ||
エスケイプWrecked | 男 | 兼製作総指揮日本劇場未公開 | TBA | |
2011 | デタッチメント 優しい無関心Detachment | ヘンリー・バース | 兼製作総指揮 | (吹き替え版なし) |
ミッドナイト・イン・パリMidnight in Paris | サルバドール・ダリ | 大川透 | ||
2012 | バック・トー・ナテイン・フォティ・トーBack to 1942 | セオドア・ホワイト | ||
2013 | サード・パーソンThird person | スコット | 宮本充 | |
2014 | グランド・ブダペスト・ホテルThe Grand Budapest Hotel | ドミトリ- | 浜田賢二 | |
クライム・スピードAmerican Heist | フランキー・ケリー | 兼製作総指揮 | 置鮎龍太郎 | |
2015 | ドラゴン・ブレイド天将雄師 | ティベリウス | 中国・香港映画 | 宮本充 |
心霊ドクターと消された記憶Backtrack | ピーター・バウアー | |||
シーラーズの9月Septembers of Shiraz | イザック・アミン | 兼製作総指揮別題『ボーダー -自由への扉-』 | 山路和弘 | |
2016 | 白い闇の女Manhattan Night | ポーター・レン | 兼製作 | 宮本充 |
2017 | キラー・ドッグBullet Head | ステイシー | 別題『バレット・ヘッド』 | 宮本充(Netflix版)赤坂柾之(ソフト版) |
2018 | エア・ストライク大轟炸 | スティーヴ | 中国映画 | 堤喬嗣 |
2021 | クリーン ある殺し屋の献身Clean | クリーン | 兼製作・脚本・音楽 | 宮本充 |
フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊The French Dispatch | ジュリアン・カダージオ | 上田燿司 | ||
2022 | ウエスト・エンド殺人事件See How They Run | レオ・コペルニク | (吹き替え版なし) | |
ブロンドBlonde | アーサー・ミラー | 宮本充 | ||
2023 | Manodrome | Dad Dan | ||
ゴーステッド GhostedGhosted | レヴェック | 小松史法 | ||
Fool's Paradise | ||||
アステロイド・シティAsteroid City | シューベルト・グリーン | 高橋大輔 | ||
TBA | The Brutalist | László Tóth | ポストプロダクション |
テレビ
放映年 | 邦題原題 | 役名 | 備考 | 吹き替え |
---|---|---|---|---|
2003 | サタデー・ナイト・ライブSaturday Night Live | 本人(ホスト) | 「Adrien Brody/Sean Paul, Wayne Wonder」 | |
2014 | フーディーニ 幻想に生きた奇術師Houdini | ハリー・フーディーニ | ミニシリーズ、計2話出演 | 平田広明 |
2017 | ピーキー・ブラインダーズPeaky Blinders | ルカ・シャングレッタ | 計6話出演 | 小松史法 |
2021 | チャペルウェイト 呪われた系譜Chapelwaite | チャールズ・ブーン | 計10話出演 | 宮本充 |
メディア王 〜華麗なる一族〜Succession | ジョシュ・アーロンソン | 計2話出演 | 井上和彦 | |
2022 | [[:en:Winning Time: The Rise of the Lakers Dynasty>Winning Time: The Rise of the Lakers Dynasty]] | パット・ライリー | 計8話出演 | 内田夕夜 |
2023 | ポーカー・フェイスPoker Face | スターリング・フロスト・Jr. | 第1話「Dead Man's Hand」 | 井上和彦 |
日本語吹き替え
『戦場のピアニスト』以降、大半の作品で宮本充が専属(フィックス)として担当している。
このほかにも、井上和彦、藤原啓治、浜田賢二なども複数回、声を当てている。
参照
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/07/23 12:09 UTC (変更履歴)
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.