三浦洸一 : ウィキペディア(Wikipedia)
三浦 洸一(みうら こういち、1928年1月1日 - )は、日本の歌手。本名は、桑田 利康(くわた としやす)。
神奈川県三浦市出身。持ち歌は文芸を題材にして書かれた曲いわゆる「文芸歌謡」が多い。 歌唱法が実直であり、社歌や自治体制作の音頭など委託制作盤も多数吹き込んでいる。血液型はA型。
略歴
神奈川県三浦市三崎地区の浄土真宗本願寺派最福寺の三男・第四子(四人兄弟の末っ子)として出生。長兄は陸軍に入隊しビルマで戦死したため、次兄が住職を継ぐ。その次兄も1993年に死去し、現在は甥(次兄の長男)が住職を務めている。幼少期より厳格な祖父のもと、読経を学ぶ。
現在の三浦市立三崎小学校、市立横須賀商業学校を卒業。横須賀商業学校卒業後は陸軍予備隊に入隊。同時に神奈川県庁に入庁。
- 東洋音楽学校(現在の東京音楽大学)声楽科に入学、後輩に黒柳徹子がいる。卒業後、1952年に日本ビクターレコードに入社。作曲家の吉田正に師事する。大学ではクラシックの声楽を学んでいた。
- 芸名は出身地の神奈川県三浦市にちなんで命名された。
- 1953年5月、『さすらいの恋唄』でデビュー、同年9月に出した『落葉しぐれ』が大ヒットとなり一躍注目を集めた。
- 1955年12月31日、『第6回NHK紅白歌合戦』に初出場。紅白歌合戦には計8回の出場経験がある(詳細は下記参照)。
- 1983年10月から1984年9月まで『森田一義アワー 笑っていいとも!』(フジテレビ)にもレギュラー出演していた。
- 2000年、日本レコード大賞功労賞を受賞。
- 2008年6月10日、『NHK歌謡コンサート』に生出演。
- 2010年3月10日、『吉田正音楽館・三浦洸一ミニコンサート』を開催。
- 2010年8月21日、『第42回思い出のメロディー』(収録は同8月7日、NHK総合)に出演。司会を務めた女優の松下奈緒は東京音大の後輩。
- 2010年10月27日、ゆうぽうとで開催された『第37回日本歌手協会歌謡祭』に出演
- 2011年4月5日、東京・代々木上原の古賀政男音楽博物館けやきホールで開催された『東日本大震災被災地支援チャリティーライブ VOL1』に出演。
- 2012年7月13日、靖国神社で開催された第66回みたままつり前夜祭の日本歌手協会有志奉納特別公演に出演。
他に日本演歌大賞受賞経験がある。また、日本歌手協会監事を2007年まで務めた。 自動車の運転免許は所持しておらず、マネージャーや妻に運転を任せている。ビールが好物で、ゴルフにも頻繁に行っていた時期があった。
主なディスコグラフィー
シングル
- さすらいの恋唄(1953年)
- 落葉しぐれ(1953年9月)
- 男なら(1954年3月)
- 慕情の唄(1954年6月)
- あれが空似というものか(1954年)
- 灯影のギター(1954年)
- 弁天小僧(1955年2月)
- 歌舞伎狂言の名作、『青砥稿花紅彩画』に取材している。
- 韋駄天道中(1955年)
- 北海だより(1955年)
- 珠はくだけず(1955年9月)
- ああダムの町 (1956年)
- 東京の人(1956年)日活映画同名主題歌
- 土岐音頭 (1957年) 共唱:市丸
- 踊子(1957年)
- 1957年2月に呉羽紡績提供の朝日放送ラジオ番組『クレハ・ホームソング』で放送され、同年8月にレコード発売。漫画家・声楽家の池田理代子が「歌は美しかった 思い出の絵ぼんぼり」でカヴァーしている。池田は東京音大の後輩。
- 郵便船が来たとヨー(1957年)
- 三浦三崎のマドロスさん
- 街燈(1958年)
- 新ソーラン節(1958年)
- たくましき男(1958年)
- 旅愁はてなし(1958年)
- 舟唄(1958年)
- 純愛(1958年)
- 釧路の駅でさようなら(1958年8月)
- 哀愁の高速道路(ハイウエイ)(1958年)日活映画同名主題歌
- 三輛目の人(1958年)KRテレビドラマ同名主題歌
- 初恋(1958年)「たけくらべ」より
- 君よいずこに(1958年)
- 桜の園(1959年)1959年2月放送、同年8月レコード発売。
- われらの皇太子(1959年)皇太子御結婚奉祝歌(産経新聞社選定)
- 流転(1959年)聯合紙器(現レンゴー)提供、朝日放送テレビドラマ同名主題歌
- 聯合紙器創業者井上貞治郎の自叙伝をTVドラマ化した主題歌
- 星をみつめて歩く街(1959年)
- ジス音頭(1959年)神楽坂浮子とのデュエット 工業技術院選定(委託盤)
- 男の旅路(1960年)朝日放送テレビドラマ「商魂」主題歌
- 花ひととき(1961年5月)
- 青年の樹(1961年)週刊明星連載、東京放送テレビ連続ドラマ同名主題歌
- 異国の丘(1961年12月)
- 竹山逸郎が1948年にヒットさせた曲のカバー。
- 涯なき旅路(1962年)
- 新潟国体の歌(1962年) 安西愛子とのデュエット(委託盤)
- 昭栄製紙株式会社 社歌(1962年)(委託盤)
- この日のために(1962年) 安西愛子とのデュエット(1964年東京オリンピックの選定歌)
- よみがえる青春(1963年)
- 大江戸吹雪(1963年)
- 君ありて恋は悲しく(1963年)
- 洞爺湖畔の夕月に(1963年)委託盤であったが、ヒットによりレギュラー盤として発売される
- 若い日本(1963年) 安西愛子とのデュエット(国民の歌作成委員会選定)
- みどりの河(1964年)吉永小百合とのデュエット
- 八丈ごしゃめん花(1964年)三沢あけみとのデュエット
- 僕らは模範運転手(1964年)(委託盤)
- 新港ばやし(1964年)(委託盤)
- 信濃川(1964年) 安西愛子とのデュエット(委託盤)
- 青葉の笛(1965年)
- 住友銀行行歌(1965年)川崎静子とのデュエット(委託盤)
- 東京の人(1966年6月) 日活制作、TBSテレビ主題歌、柏木由紀子とのデュエット
- 東京踊り(1966年6月) 市丸とのデュエット
- 月よりの使者(1966年8月) 香山美子とのデュエット
- フジテレビ系ライオン奥様劇場松竹テレビ映画「月よりの使者」主題歌。竹山逸郎・藤原亮子の歌唱のカヴァー。
- 愛のこだま(1967年4月)
- 旅路(1967年11月)
- 天と地と・天上の笛(1968年2月)海音寺潮五郎原作「天と地と」より
- のぞみあらたに(1968年9月)総理府制定、明治百年頌歌
- 北方領土の歌(1969年12月)
- とけろ港よ(1979年)
- 雨の潮来・雨情橋/旅の酒場で(1980年)
- ちぎれ雲/高瀬川旅情(スケッチ)(1982年)
- 恋ねぐら/おじさんの赤ちょうちん(1984年)
- 若き血に燃えて(1984年)「福澤諭吉」より
NHK紅白歌合戦出場歴
年度/放送回 | 曲目 | 対戦相手 | ||||||
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1955年(昭和30年)/第6回 | 落葉しぐれ | 織井茂子 | ||||||
1957年(昭和32年)/第8回 | あゝダムの町 | 池真理子 | ||||||
1958年(昭和33年)/第9回 | 街燈 | 奈良光枝 | ||||||
1959年(昭和34年)/第10回 | 踊子 | |||||||
1960年(昭和35年)/第11回 | 流転 | 初代コロムビア・ローズ | ||||||
1961年(昭和36年)/第12回 | 恋しても愛さない | 花村菊江 | ||||||
1962年(昭和37年)/第13回 | 別れては昨日の人ぞ | 大津美子 | ||||||
1963年(昭和38年)/第14回 | こころの灯 | 高石かつ枝 | ||||||
* このうち、第6回・第8回・第9回・10回はラジオ中継による音声が現存し、第14回は歌唱映像が現存する。 | * 第14回は『思い出の紅白歌合戦』(NHK-BS2)で、三浦の歌唱映像も含め全編が再放送されている。 | * 第10回は2009年4月29日放送のNHK-FM『今日は一日“戦後歌謡”三昧』の中で、三浦の歌の音声も含め全編の音声が再放送された(音声はモノラル)。尚、この当時は異性によるコーラスは不可であったため、女性コーラスの部分は少年コーラスがついた。 | * 第9回も、2010年4月29日放送の(前年に続き2度目の)NHK-FM『今日は一日“戦後歌謡”三昧』の中で紹介された(音声はモノラル)。 |
主な出演
映画
- 唄祭けんか道中(1956年、宝塚映画)
- 唄祭母恋しぐれ(1956年、宝塚映画)
- 哀愁の高速道路(1958年、日活)
- 流転(1960年、松竹・京都)
TV
- 森田一義アワー笑っていいとも!(1983年10月 - 1984年9月※毎週火曜日に出演)
- 月曜ドラマランド 意地悪ばあさん GO!GO!!ハワイの巻(1984年10月22日、フジテレビ)
CM
- 味の素 ほんだし いりこだし(1980年代後半)当初は自ら出演。CMソング(商品名のみで実質サウンドロゴ)は後々も使われた。
関連項目
- 東京音楽大学の人物一覧
外部リンク
- 三浦 洸一 - ビクターエンタテインメント公式サイト
- MOVIE WALKER 三浦浩一の出演映画作品
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/05/16 13:09 UTC (変更履歴)
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