稲野和子
実践女子短期大学を中退し、1957年に文学座研究所に入所。59年の「マヤ」で初舞台を踏み、61年に「アラブの嵐」で映画に初出演する。64年に文学座の座員になり、翌65年の「友絵の鼓」などで座長を務める。その一方で映画「砂の上の植物群」(64)のホステス役で注目を集め、翌65年のNHK大河ドラマ「太閤記」では織田信長の正室・濃姫役を演じた。その後は、同劇団の中心女優のひとりとして活躍し、「華岡青洲の妻」や「女の一生」といった舞台に立ち、TVドラマでは「遠山の金さん」(76)や「水戸黄門」(89)、「大岡越前」(92)などで脇役として多数出演した。14年12月18日、子宮頸がんのため79歳で死去。08年の「真実のゆくえ」が最後の舞台となった。夫は、演出家・脚本家の故福田陽一郎。