佐藤健二 : ウィキペディア(Wikipedia)
佐藤 健二(さとう けんじ、1957年〈昭和32年〉3月10日佐藤健二,2022,『葦を編む──佐藤健二の仕事』退職記念冊子 - )は、日本の社会学者。東京大学名誉教授。専門は歴史社会学、文化社会学、社会調査史。2022年3月末に東京大学大学院人文社会系研究科教授を定年退職。2024年4月時点、東京大学執行役・副学長、東京大学高大接続研究開発センター長、東京大学未来ビジョン研究センター特任教授。
人物・来歴
人物・来歴は次のとおり。
群馬県高崎市出身。東京大学文学部で社会学を専攻。見田宗介ゼミに参加。駒場キャンパスでの同学年出身の社会学者に武川正吾や苅谷剛彦、町村敬志がいる。
『柳田國男全集』(筑摩書房)の編集委員を務める。
1984年頃、吉見俊哉、小川徹太郎、大月隆寛、重信幸彦と「都市のフォークロアの会」を結成。
学歴
- 1975年3月 - 群馬県立高崎高等学校卒業
- 1975年4月 - 東京大学文科三類入学
- 1979年3月 - 東京大学文学部卒業
- 1981年3月 - 東京大学大学院社会学研究科修士課程修了
- 1983年3月 - 東京大学大学院社会学研究科博士課程中途退学
- 2005年3月 - 東京大学より博士(社会学)の学位が授与される(学位論文『柳田国男における歴史社会学の方法』)
職歴
- 1983年4月 – 東京大学教養学部助手(社会科学科社会学教室)(1986年3月まで)
- 1986年4月 - 法政大学社会学部専任講師
- 1988年4月 - 法政大学社会学部助教授(終期不詳{{efn|法政大学助教授として1993年度に在籍していた後、さらに1994年度は10月の東京大学助教授就任直前まで在籍していたか不詳。}})
- 1994年10月 - 東京大学文学部助教授(大学院社会学研究科担当)
- 1995年4月 - 東京大学大学院人文社会系研究科助教授(文学部担当)
- 2000年4月 - 東京大学大学院人文社会系研究科助教授(文化資源学研究専攻)併任
- 2005年9月 - 東京大学大学院人文社会系研究科(社会文化研究専攻、文化資源学研究専攻)教授
- 2011年4月 - 東京大学大学院人文社会系研究科副研究科長(2013年3月まで)
- 2017年4月 - 東京大学大学院人文社会系研究科研究科長・文学部長(2019年3月まで)任期は歴代文学部長一覧のとおり
- 2019年4月 - 東京大学執行役・副学長(現任中)
- 2022年
- 3月 - 東京大学大学院人文社会系研究科教授を定年退職
- 4月 - 東京大学未来ビジョン研究センター特任教授(現任中)
- 6月 - 東京大学より名誉教授の称号授与関連ファイルの「令和4年度名誉教授」を参照。
学内・外における役職
- 1997年4月 - オックスフォード大学オリエンタル・インスティテュート研究員
- 2019年4月 - 東京大学百五十年史編纂室長(現任中)
- 2019年4月 - 東京大学文書館長(現任中)
- 2019年4月 - 東京大学高大接続研究開発センター長(現任中)
受賞
- 1994年11月21日 - 今和次郎賞(受賞作品『風景の生産・風景の解放──メディアのアルケオロジー』)
- 2018年5月26日 - 今和次郎賞(受賞作品『浅草公園 凌雲閣十二階──失われた<高さ>の歴史社会学』)
著書
著書は以下のとおり。
単著
- 『読書空間の近代──方法としての柳田国男』(弘文堂、1987年)
- 『風景の生産・風景の解放──メディアのアルケオロジー』(講談社、1994年)
- 『流言蜚語──うわさ話を読みとく作法』(有信堂高文社、1995年)
- 『歴史社会学の作法──戦後社会科学批判』(岩波書店、2001年)
- 『社会調査史のリテラシー──方法を読む社会学的想像力』新曜社、2011年
- 『ケータイ化する日本語──モバイル時代の〝感じる〟〝伝える〟〝考える〟』(大修館書店、2012年)
- 『論文の書きかた』(弘文堂、2014年/ちくま学芸文庫、2024年5月)
- 『柳田国男の歴史社会学──続・読書空間の近代』(せりか書房、2015年)
- 『浅草公園 凌雲閣十二階──失われた<高さ>の歴史社会学』(弘文堂、2016年)
- 『文化資源学講義』(東京大学出版会、2018年)
- 『真木悠介の誕生──人間解放の比較=歴史社会学』(弘文堂、2020年)
共著
- (東京大学新聞研究所(編))『日本のシンクタンク』(東京大学出版会、1985年)
- (庄司興吉(編))『地域社会計画と住民自治──新しい“まちづくり”のために』(梓出版社、1985年)
- (栗原彬・庄司興吉(編))『社会運動と文化形成』(東京大学出版会、1987年)
- (小木新造(編))『江戸東京を読む』(筑摩書房、1991年)
- (梅棹忠夫(編))『世相観察・あそびと仕事の最前線──梅棹忠夫』(講談社、1991年)
- (古城利明・矢澤修次郎(編))『現代社会論』(有斐閣、1993年/新版、2004年)
- (中野卓・桜井厚(編))『ライフヒストリーの社会学』(弘文堂、1995年)
- (NHKブックス)『江戸東京学への招待1 文化誌篇』(日本放送出版協会、1995年)
- (水越伸(編))『20世紀のメディア1 エレクトリック・メディアの近代』(ジャストシステム、1996年)
- (岩波講座 現代社会学)『メディアと情報化の社会学』(岩波書店、1996年)
- (山下晋司(編))『観光人類学』(新曜社、1996年/リニューアル版(改題『観光文化学』)、2007年)
- (岩波講座 現代社会学)『〈家族〉の社会学』(岩波書店、1996年)
- (岩波講座 日本文学史)『口承文学2・アイヌ文学』(岩波書店、1997年)
- (関一敏(編))『現代民俗学の視点2 民俗のことば』(朝倉書店、1998年)
- (岩波講座 世界歴史)』普遍と多元──現代文化へむけて』(岩波書店、1999年)
- (木下直之・吉見俊哉(編))『ニュースの誕生──かわら版と新聞錦絵の情報世界』(東京大学総合研究博物館、1999年)
- (栗原彬・小森陽一・佐藤学・吉見俊哉(編))『越境する知3 言説:切り裂く』(東京大学出版会、2000年)
- (岩波講座 近代日本の文化史)『編成されるナショナリズム』(岩波書店、2002年)
- (森明子(編))『歴史叙述の現在──歴史学と人類学の対話』(人文書院、2002年)
- (後藤総一郎先生追悼集刊行会(編))『常民史学への視座――後藤総一郎人と思想』(後藤総一郎先生追悼集刊行会、2004年)
- (加藤周一、ロナルド・ドーア(監修)、福岡ユネスコ協会(編)『日本を問い続けて──加藤周一、ロナルド・ドーアの世界』(岩波書店、2004年)
- (松原隆一郎・荒山正彦・若林幹夫・安彦一恵(著))『<景観>を再考する』(青弓社、2004年)
- (苅谷剛彦・内野正幸(編))『いまこの国で大人になるということ』(紀伊國屋書店、2006年)
- (小川徹太郎(著)、歴史表象研究会(編))『越境と抵抗――海のフィールドワーク再考』(新評論、2006年)※解説執筆
- (山下晋司(編))『資源化する文化』(弘文堂、2007年)
- (小池淳一(編))『民俗学的想像力』(せりか書房、2009年)
- (石川徹也・根本彰・吉見俊哉(編))『つながる図書館・博物館・文書館──デジタル化時代の知の基盤づくりへ』(東京大学出版会、2011年)
- (緒川直人・後藤真(編))『写真経験の社会史 ──写真史料研究の出発』(岩田書院、2012年)
- (盛山和夫・上野千鶴子・武川正吾(編))『公共社会学1 リスク・市民社会・公共性』(東京大学出版会、2012年)
- (KAWADE道の手帖)『今和次郎と考現学──暮らしの“今”をとらえたと』(河出書房新社、2013年)
- (平井雄一郎・高田知和(編))『記憶と記録のなかの渋沢栄一』(法政大学出版局、2014年)
- (内田隆三(編))『現代社会と人間への問い──いかにして現在を流動化するのか?』(せりか書房、2015年)
- (設楽博己・工藤雄一郎・松田睦彦(編))『柳田國男と考古学──なぜ柳田は考古資料を収集したのか』(新泉社、2016年)
- (花田達朗(著))『花田達朗ジャーナリズムコレクション3 公共圏── 市民社会再定義のために』(彩流社、2020年))※解題執筆
- (吉見俊哉・森本祥子(編))『東大という思想──群像としての近代知』(東京大学出版会、2020年)
- (東京大学文化資源学研究室(編))『文化資源学──文化の見つけかたと育てかた』(新曜社、2021年)
編著
- 『21世紀の都市社会学3 都市の解読力』(勁草書房、1996年)
- (佐藤健二(編集構成)、退職記念誌編集委員会(協力))『葦を編む――佐藤健二の仕事』(自費出版、2022年)
共編著
- (南博)『近代庶民生活誌4 流言』(三一書房、1985年)
- (見田宗介・山本泰)『リ−ディングス日本の社会学12 文化と社会意識』(東京大学出版会、1985年)
- (石川弘義・津金澤聡廣・有末賢・島崎征介・薗田硯哉・鷹橋信夫・田村穣生・寺出浩司・吉見俊哉)『大衆文化辞典』(弘文堂、1991年/縮刷版、1994年)
- (川添登)『講座生活学2 生活学の方法』(光生館、1997年)
- (石川淳志・山田一成)『見えないものを見る力――社会調査という認識』(八千代出版、 1998年)
- (見田宗介・内田隆三・吉見俊哉・上野千鶴子・大澤真幸)『社会学文献事典』(弘文堂、1998年)
- (一〇〇周年記念誌刊行委員会(編))『社会学研究室の一〇〇年――東京大学文学部社会学科/大学院人文社会系研究科』(東京大学文学部社会学研究室 一〇〇周年記念誌刊行委員会、2004年)
- (加藤陽子)『黌堂夢華(こうどうむか)――昔の文学部 今の文学部』(東京大学大学院人文社会系研究科・文学部、2004年)
- (吉見俊哉)『文化の社会学』(有斐閣、2007年)
- (山本一成)『社会調査論』(八千代出版、2009年)
- (山本泰・佐藤俊樹)『社会学ワンダーランド』(新世社、2013年)
- (熊野純彦)『人文知3 境界と交流』(東京大学出版会、2014年)
校注
- (柳田国男(著))『明治大正史──世相篇』(角川ソフィア文庫、2023年)
外国語訳
- 풍경의 생산, 풍경의 해방 : 미디어의 고고학(『風景の生産、風景の解放 : メディアの考古学』)정인선()訳(현실문화, 2020年)
- 문화자원학(『文化資源学』)박동성()訳(순천향인문진흥총서, 2021年)
記念論文集
- (赤川学・祐成保志(編))『社会の解読力〈歴史編〉──現在せざるものへの経路』(新曜社、2022年)
- (出口剛司・武田俊輔(編))『社会の解読力〈文化編〉──生成する文化からの反照』(新曜社、2022年)
講演・対談
- 講演:「『もうひとつの身体としてのことば──感じる/考える/伝える』(高崎女子高等学校創立120周年記念講演会)」(群馬音楽センター、2019年6月28日)
- 対談:「『東大吉本対話』Vol.1 言葉力が世界を変える?(ピース又吉直樹との対談)」(東京大学安田講堂、2021年3月7日)吉本興業との共同により「笑う東大、学ぶ吉本プロジェクト『東大吉本対話』」と銘打って行われるオンライン特別講義シリーズの第一弾。当日そのイベントの模様がライブでオンライン配信された。
- 講義:「『歴史社会学の再生』(東京大学退職教員最終講義)」(東京大学大学院人文社会系研究科 社会学研究室・文化資源学研究室、2022年3月19日、Zoomでのオンライン開催)
注釈
出典
外部リンク
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