厚田雄春 : ウィキペディア(Wikipedia)
厚田 雄春(あつた ゆうはる、1905年1月1日 - 1992年12月7日)は、日本の映画カメラマン。小津安二郎組の名カメラマンとして知られる。
経歴
兵庫県神戸市で生まれ、東京の虎の門で育つ。旧制海城中学校(現・海城高等学校)在学中から映画館に通う。卒業後の1922年松竹合名社に入社し、絵が好きだったことから松竹蒲田撮影所の撮影部に入る。1928年、小津安二郎の2本目の監督作品である『若人の夢』で撮影助手を担当し、その後多くの小津作品で助手として働きながら、小津と親しくつきあうようになる。15年の助手生活の後、1937年の『淑女は何を忘れたか』の撮影途中から撮影監督となり、以後1962年の『秋刀魚の味』まで、松竹配給の全小津作品の撮影監督を担当した。1967年の『純情二重奏』(梅津明治郎監督)を最後に、1972年松竹を退社。1985年の映画『東京画』でヴィム・ヴェンダース監督のインタビューを受けた。
フィルモグラフィー
撮影作品
- 淑女は何を忘れたか(1937年)
- 家庭日記(1938年)
- 子供の四季 春夏の巻(1939年)
- 子供の四季 秋冬の巻(1939年)
- 桑の実は紅い(1939年)
- 私には夫がある(1940年)
- 信子(1940年)
- ともだち(1940年)
- 戸田家の兄妹(1941年)
- まごころの歌(1941年)
- 君よ共に歌わん(1941年)
- 父ありき(1942年)
- すみだ川(1942年)
- 女生徒と教師(1946年)
- 鍵を握る女(1946年)
- 許された一夜(1946年)
- 長屋紳士録(1947年)
- 二連銃の鬼(1947年)
- 新婚リーグ戦(1947年)
- 旅装(1948年)
- 風の中の牝雞(1948年)
- 君待てども(1949年)
- 別れのタンゴ(1949年)
- 晩春(1949年)
- 思い出のボレロ(1950年)
- 恋愛教室(1950年)
- 接吻第一号(1950年)
- 女性三重奏(1950年)
- 奥様に御用心(1950年)
- 乾杯!若旦那(1951年)
- 我が家は楽し(1951年)
- 天明太郎(1951年)
- 麦秋(1951年)
- あの丘越えて(1951年)
- 陽気な渡り鳥(1952年)
- 早春二重奏(1952年)
- お茶漬の味(1952年)
- リンゴ園の少女(1952年)
- 夢見る人々(1953年)
- 姉妹(1953年)
- ひばりの陽気な天使(1953年)
- 東京物語(1953年)
- 蛮から社員(1954年)
- 青春ロマンスシート 青草に坐す(1954年)
- 君に誓いし(1954年)
- 大学は出たけれど(1955年)
- 続おとこ大学 新婚教室(1955年)
- 娘船頭さん(1955年)
- 早春(1956年)
- ここに幸あり 前篇 誘惑の都(1956年)
- ここに幸あり 後篇 花咲く朝(1956年)
- 晴れた日に(1956年)
- 黒い河(1956年)
- あなた買います(1956年)
- 東京暮色(1957年)
- 東京踊り(1957年)
- 若い広場(1958年)
- 彼岸花(1958年)
- 眼の壁(1958年)
- 春を待つ人々(1959年)
- お早よう(1959年)
- 危険旅行(1959年)
- 若い素顔(1959年)
- 明日への盛装(1959年)
- 朱の花粉(1960年)
- いろはにほへと(1960年)
- 秋日和(1960年)
- 河口(1961年)
- 千客万来(1962年)
- 愛染かつら(1962年)
- 秋刀魚の味(1962年)
- 咲子さんちょっと(1963年)
- あの人はいま(1963年)
- 結婚式・結婚式(1963年)
- 残菊物語(1963年)
- 渚を駆ける女(1964年)
- 明日の夢があふれてる(1964年)
- 若い野ばら(1965年)
- 涙の連絡船(1966年)
- 横堀川(1966年)
- 純情二重奏(1967年)
出演作品
- 東京画(1985年)
著作
受賞・栄典
- 1951年 - 第2回ブルーリボン賞撮影賞(『我が家は楽し』『あの丘越えて』『麦秋』)
- 1958年 - 第5回アジア映画祭撮影賞(『彼岸花』)
- 1962年 - 第17回毎日映画コンクール撮影賞(『秋刀魚の味』)
- 1990年 - 勲四等瑞宝章
- 1992年 - 第16回日本アカデミー賞特別賞
参考文献
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2023/11/15 13:15 UTC (変更履歴)
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