相沢友子 : ウィキペディア(Wikipedia)
相沢 友子(あいざわ ともこ、1971年5月10日 - )は、日本の脚本家。脚本家以前はシンガーソングライター、女優として活動していた。血液型はB型。東京都出身。
略歴・人物
高等学校在学中より文化放送でコンサート・リポーターを務め、詞を書いていたところソニーミュージックのスタッフに歌うことを勧められ、1991年3月、19歳の時にシングル「Discolor days」にて歌手デビュー麻生香太郎『ジャパニーズ・エンタテインメント・リポート』ダイヤモンド社、2006年6月1日発行、ISBN 4-478-94225-0、294‐296頁。。その後、ホリプロ所属の女優としても活動しながら、4枚のアルバムを発表している。シンガーソングライターであり、加藤いづみとも親交が深く、アルバムにも楽曲を提供している。
デビューから長らく歌手兼女優であったが、ソニーとホリプロとの契約を解消し、フリーとなる。フリー直後に、ホリプロ時代のマネージャーに「小説を書き、賞を狙ってみては?」と勧められ、1999年に第15回太宰治賞の最終候補作に小説『COVER』がノミネートされた。当時、相沢は「その当時は藁にもすがる思いでした。音楽の道がうまくいかなくて、事務所との契約が切れて、本当に一時期何もしてない時期があって。私はほぼ歌詞しか書いていなかったので、やれることといったら書くことだなと思って、小説『COVER』を書いた」と述懐している。その結果をもって、前述のマネージャーの紹介で共同テレビジョンの小椋久雄に脚本執筆の指導を受け、2000年に『世にも奇妙な物語』で「記憶リセット」で脚本家デビューした。
2003年にアメリカ合衆国で発生した大停電を題材とするドキュメンタリー『ニューヨーク大停電の夜に』(NHKハイビジョン、構成・源孝志)で語りを務める。その後、同事件をエピソードとして、2005年に源孝志と共同で映画『大停電の夜に』の脚本を手がけた2005年11月24日付『朝日新聞』夕刊30頁芸能1面「(映画)「大停電の夜に」 闇に浮かぶ現代版おとぎ話」(朝日新聞東京本社)。
2009年に放映された『重力ピエロ』の脚本を手がけたきっかけについて、相沢がパーソナリティーを務めていたラジオ番組の常連リスナーで、伊坂幸太郎の担当編集者から、「素晴らしいからぜひ読んでほしい」と小説を送付され、即座に相沢が映像化を申し入れたとしている2009年5月22日付『産業経済新聞』夕刊特集面「【映画をひもとく】重力ピエロ 企画・脚本家 相沢友子さん」(産業経済新聞大阪本社)。相沢によれば、「物語の肌触りは軽やか。けれど、世の中的な常識に人が流れされて生きていることへのロック魂が隠されていることに共感した」という。伊坂は映像化に積極的でなかったが許諾し、最大の魅力を損なうことなく小説のコンテクストをそのまま映像に置換しようと努めたという。なお、『読売新聞』の福永聖二は、「異論もあるだろうが、伊坂作品の精神を尊重しつつ、より自然な流れを作った」と評している2009年5月22日付『読売新聞』夕刊11頁芸能A面「[映画]重力ピエロ=アスミック・エースほか 放火と落書き、深まる謎」(読売新聞東京本社)。
2013年に放送された『ビブリア古書堂の事件手帖』について相沢は、「ていねいに話を積み上げてファンタジックに作っていきたい」とし、古書業界の用語を各所に挿入するなどして、作品の世界観を伝えようとしたという。また、剛力彩芽がキャスティングされたことについて、「たしかに栞子とは外見のイメージが違いますが、剛力さんは黙ってじっとしているとミステリアスなムードを持っている」とし、「彼女の“静”の部分を出すと新鮮なものになると確信できたので、栞子を剛力さんのイメージに近づけるのではなく、剛力さんが物語に寄り添っていけるような脚本を心がけ」たと述べている。
2015年に放送された『私の青おに』について相沢は、「人の温かさが伝わるストーリー。高畠町の持っている風景の力強さを伝えたい」としている2015年11月18日付『毎日新聞』山形版25頁「木南晴夏さん:毎日新聞支局訪問 高畠舞台ドラマ「私の青おに」出演」。なお、主演で辻村莉子役を演じた村川絵梨は、「脚本を読んだ時から、すごく自分と重なる部分があって。そういう意味ではとても自然に莉子という役に向き合うことができました」と述べている。
リアルサウンドのインタビューによれば、相沢はト書きに「私はうるさいぐらいに、『ここで相手を見る』とか、『ここで顔を上げる』とか、目の動きまで書く」とし、「あとは現場で好きにしていただいて構わないですけど、私のイメージはできる限り伝えよう」と演出に一任しているという。また、以心伝心と言えるほど、互いに分かりあう役者や監督・演出家と仕事ができると嬉しいとし、『恋ノチカラ』で主演を務めた深津絵里に関して「天才的な役者さんですけど、びっくりするぐらい汲み取って返してくれて。自分の想像を超えてくるお芝居を役者さんがしてくれることもたくさんあります。お互いに響き合って、奇跡的に合致したときは感動しますね」と述べている。
アーティストの友人に、加藤いづみや相馬裕子などがいる。
主な脚本作品
テレビドラマ
映画
配信ドラマ
- 僕だけが17歳の世界で(2020年、AbemaTV)
- 金魚妻(2022年、Netflix)
ラジオドラマ
- LOVE = Platinum 恋愛パズル(2010年)
書籍
- 筑摩書房編集部・編『太宰治賞 1999』(「Cover」収録、1999年、筑摩書房)ISBN 4480803483
- 阿川佐和子ほか『ああ、恥ずかし』(コラム収録、2003年、新潮社〈新潮文庫〉)ISBN 978-4101201214
主な出演作
ドラマ
- 僕らに愛を!(1995年、フジテレビ) - 沢井薫子 役
- 総理と呼ばないで(1997年、フジテレビ) - 事務員 役
ラジオ
- スーパーギャング(TBSラジオ)
- 相沢友子のGIRLS BE AMBITIOUS
CM
- チョーヤ梅酒 - CM中の楽曲は相沢友子の「女の子たち」である。
ディスコグラフィ
- CBS・ソニー(1991)
- Sony Records(1992 - 1996)
シングル
- Discolor Days(1991年3月21日)
- サヨナラ(1992年1月22日)
- Thanks(1994年7月21日)
- 女の子たち(1994年10月1日)
- カラッポの記念日(1995年1月21日、TBS『とっても母娘』主題歌)
- 僕のせいじゃない(1996年3月21日)
アルバム
- 部屋のない扉(1991年3月21日)
- アスベストの海の中を(1992年2月21日)
- 胸の音(1994年8月21日)
- 安心毛布(1996年6月21日)
注釈
出典
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2025/01/16 13:50 UTC (変更履歴)
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