坂口健太郎、役を演じ分けるコツは? 少年時代を演じた小野桜介にアドバイス
2025年11月7日 12:30

映画「盤上の向日葵」(公開中)の公開御礼舞台挨拶が11月6日、都内で行われ、天才棋士・上条桂介役で主演を務めた坂口健太郎、桂介の少年時代を演じた小野桜介、熊澤尚人監督が登壇した。
ある山中で身元不明の白骨死体が発見された。手掛かりは死体とともに発見された高価な将棋の駒。捜査の末、その駒の持ち主は、将棋界に彗星のごとく現れ時代の寵児となった天才棋士、上条桂介だと判明する。さらに捜査の過程で、桂介の過去を知る重要人物として、賭け将棋で圧倒的な実力を持ちながら裏社会に生きた男、東明重慶(渡辺謙)の存在が浮かび上がり……。
©2025映画「盤上の向日葵」製作委員会公開から1週間が経ち、SNSでは「切なすぎて涙がこらえられませんでした」「心震えました」など熱い感想があふれ、中には複数回劇場へ足を運ぶリピーターも。坂口は「最初に来た感想は、作品全体のことだったのですが、時間が経って2、3回観た方からは登場人物の生き様に寄り添ったコメントが増えてきました。桂介の感情で観てくれた方も父親の感情が分かるという声や、回数を重ねるにあたって没入感が深くなっているなと思いました」と多くの観客が深く作品を愛してくれることに喜びの思いを語った。
©2025映画「盤上の向日葵」製作委員会坂口演じる主人公の幼少期を演じた小野は、この日が人生初の舞台挨拶。坂口とは昨年7月に本作のクランクアップのタイミングで初対面していたそうで、坂口は小野の演技について「初号で初めて観て、きついパートを背負ってくれていたんだなと思いました。もちろん愛にあふれるシーンもあるんですけど、彼がそこを担ってくれていたので……とても大変だったでしょ。暑かったでしょ?」と語りかけるも、小野は「初めての実写映画だったので楽しかったです」と頼もしい返答で会場を驚かせた。
現在中学1年生で12歳となる小野は、これまでに舞台やテレビドラマの経験はあったものの、実写映画は本作が初めて。酒とギャンブルに溺れる桂介の父・上条庸一役の音尾琢真や、桂介の才能を見抜き将棋を教え、親のように暖かく迎え入れた唐沢光一朗役の小日向文世、唐沢美子役の木村多江まで、名だたる俳優陣と共演している。
©2025映画「盤上の向日葵」製作委員会オーディションを経て小野を桂介役に抜てきした熊澤監督は「泣く演技がよかったし、物語的にすごく苦しい境遇に合った子を選ばないといけなかったんです。そしてこれは結構よく言われるんですけど、やっぱり坂口さんにちょっと似てますよね」と話すと、小野は謙遜しながらも、熊澤監督は続けて「たくさんの方に会いましたけど、桜介くんが一番良かったですね」とべた褒め。
小野は、撮影の中で印象的な場面を聞かれると「泣くシーンがあるんですけど、26回くらい撮り直したという……」と告白すると、熊澤監督が「僕の記憶だと8回くらいだったんですけど(笑)。 音尾さん(庸一)と小日向さん(唐沢)が揉み合って、少年の桂介が本当は将棋やりたいけど、お父さんの悲しげな顔をみて涙をためるというシーンがすごく大切だったんです。本当に暑い日に撮ったんですよ、小日向さんもタートルネックを着て。大変でしたよね」と過酷な現場を振り返った。
©2025映画「盤上の向日葵」製作委員会桂介が歩んできた壮絶なドラマに心を掴まれる観客も多く、坂口は「将棋を指すときの手の流麗さは意識をしたのですが、それよりも対峙している相手の呼吸を聞くというか。東明が将棋を指している姿を引きで見ることが多かったので、その空間にしっかり桂介として存在することは意識していたかもしれないですね」と、ただ静かに見守る難しい演技へのこだわりを話す。
舞台挨拶中には、以前3作品掛け持ちをしていたという坂口に、小野が役を演じ分けるコツを聞く一幕も。坂口は「現場に入ると切り替わるタイプなんです。自分で“この役を全うしよう”と入れ込みすぎてしまうと抜けないんですけど、自分が34年間生きてきたものを考えて台本読むことが多いので、役に入るときに僕のエッセンスがあるんですよ。そうすると意外と切り替えができていることが多い気がします」とアドバイスすると、小野は目をキラキラ輝かせて熱心に話を受け止めていた。
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