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60年代の日本で日本人と関係を作り上げていくベルギーの女の子の物語 アニメーション「アメリと雨の物語」監督が語る制作秘話【第38回東京国際映画祭】

2025年11月4日 18:30

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メイリス・バラード監督とリアン=チョー・ハン監督(右)
メイリス・バラード監督とリアン=チョー・ハン監督(右)

開催中の第38回東京国際映画祭アニメーション部門で、日本を舞台としたアニメーション「Little Amélie or the Character of Rain(英題)」(邦題「アメリと雨の物語」)が、11月4日上映され、メイリス・バラード監督とリアン=チョー・ハン監督がトークを行った。

画像4(C)2025 Maybe Movies, Ikki Films, 2 Minutes, France 3 Cinéma, Puffin Pictures, 22D Music

ベルギーのアメリー・ノートンによるベストセラー自伝的小説「チューブな形而上学」が原作。日本で生まれたベルギー人の女の子、アメリ。1960年代の神戸、外交官の家庭に生まれた2歳のアメリは自らを「神」と信じ、魔法のような世界を生きている。大好きな家政婦のニシオさん、家族との新たな発見に溢れた生活に心を寄せ始め、自分にぴったりな「雨(あめ)」という漢字を知ったアメリ。しかし3歳の誕生日に、彼女のすべてを変えてしまう出来事が訪れる…という物語。

両監督は「日本を舞台にした作品なので、紹介できて感無量」(バラード監督)、「この作品制作に携わったチームのほとんどが日本文化と共に育ったと言っても過言ではありません。私たちにとって日本というのは特別な立ち位置がある大事な国です。来られて嬉しく思います」(ハン監督)と作品を携えての来日を喜ぶ。

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原作に惹かれた理由は「0~3歳の子供の目から世界を見ているという視点が大変面白く、また、1960年代末の日本が舞台ということ、ベルギーの駐在員家族と家政婦のニシオさんとの関係、そこにも大変興味を持った」とバラード監督。「大人も子供も見られるような作品にしたかった」そうで、「人の死や喪に服すといった深刻なテーマもありますが、こういった話題は日本でも受け入れられていると感じている」と語った。

19歳の頃、原作に出合ったというハン監督は「当時は日本の文化というと大衆的なビデオゲームなどに夢中でしたが、この本を読んだ時には、2歳半のベルギーの女の子の視点で、戦後の日本で日本人と関係を作り上げていくこと」に強く惹かれたという。「自分を神だと思っていたところから現実に目覚め、終わりがあることを受け入れなければならないけれども、人生には生きる価値がある、そういう強いメッセージ性を感じました」と述懐。

主人公アメリのキャラクターは、複数のグラフィックアーティストたちとともに作り上げた。「アメリの視点、視線が非常に重要で、彼女自身のデザインだけではなく、目、目の中のその輝き、その中で反射するもの」にもこだわった。「視線が色を表し、それが登場人物との関係性を象徴するので、色彩設計が大変でした」とバラード監督が振り返る。また、現在は存在しない日本家屋を3Dで再現し、子どもの目線のカメラ位置を探し、アメリの視線を計算して室内外を作っていったとも明かす。

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ハン監督は「アメリは幼いけれど頭の中は成熟している、不思議な子。その絶妙なバランスを出すのが難しかった」といい、アメリは池と同じ緑、カシマさんはメランコリックな紫、ニシオさんは太陽のような黄色と、ひとりひとりの人物に色を割り当てていった」とや色彩へのこだわりを強調した。

音楽は日本人作曲家の福原まりが担当した。福原さんと監督陣とのやりとりはこれまでオンラインのみだったそうで、この日初対面を果たした。「予算やいろんな困難があったが、最後までまりさんとやりたかった。最後は東京オーケストラと一緒に演奏してくれた。こちらのすべてのリクエストを受け入れてやり遂げてくださった」(バラード監督)「日本の作曲家の方と一緒に仕事をするというのが夢でした。まりさんは、いろんなディテールに多くの力を入れてくださった」(ハン監督)と会場の福原さんに感謝の言葉を述べていた。

第38回東京国際映画祭は11月5日まで、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催。「アメリと雨の物語」は、2026年春、日本劇場公開。

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