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レオス・カラックスの伝説的傑作「ポンヌフの恋人」キャロリーヌ・シャンプティエ監修の4Kリマスター版、12月20日公開

2025年10月6日 08:00

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画像1(C)1991 STUDIOCANAL France2Cinema

レオス・カラックス監督最大のヒット作「ポンヌフの恋人」4Kリマスター版が12月20日よりユーロスペースほかで劇場公開される。主演のジュリエット・ビノシュがセーヌ川で水上スキーに挑んだ伝説的なシーンの本編ティザー動画、場面写真が披露された。

4Kリマスター版は、カラックスの協力のもとオリジナル35ミリネガからデジタルレストアし、撮影監督キャロリーヌ・シャンプティエが修復と色彩補正を監修、トマ・ゴデールが音響を担当した。

人間の孤独と恋を1カット1カット衝撃的なまでの映像と音で叩きつける「激情」の恋愛映画。天涯孤独で不眠症の大道芸人アレックス(ドニ・ラヴァン)と失恋の痛手と眼の奇病による失明の危機で家出した画学生ミシェル(ジュリエット・ビノシュ)。ホームレスとなった二人は、パリの最も古い橋ポンヌフで出会う。愛を告白できないアレックス、過去の初恋に生きるミシェル。カラックスが見つめる二人の感情の軌跡は、失意と闇からはじまり、息もつかせぬスビードで希望と生命へと疾走し、回転していく。

撮影の度重なる中断、その度に膨れ上がった製作費、フランス映画史上最大のオープンセット、1992年の日本公開時には、シネマライズ渋谷で27週のロングランを記録する熱狂を巻き起こすなど、映画にまつわる全てのエピソードが伝説となった。

その製作は簡単なものではなかった。パリ市からポンヌフ橋を借り切って撮影に入る直前、主演のドニ・ラヴァンの思わぬケガで撮影中止に。再度の許可は下りず、夜間シーン用だったモンプリエ郊外ランサルグのセットをフランス映画史上最大のオープンセットにしてポンヌフ橋を再現。しかし底なしの資材と長期の人件費で2つのプロダクションが破産、製作は中断し強風でセットも倒壊、製作費は膨らみ続け、混迷を深める状況をマスコミがスキャンダラスに書き立て、「呪われた映画」とまで呼ばれた。

先行きが危ぶまれる中、カラックスは本作を完成させるに値する映画だと証明するため、スティーブン・スピルバーグフィリップ・ガレルら映画監督や文化人を試写室に呼び、未編集のフィルムを上映。スピルバーグは後に「この映画には激しさや美しさ、想像力があふれている!」と称賛。他にもラッシュを見て感動した参加者から映画の完成を望む多くの声がよせられた。

最終的に「カミーユ・クローデル」などで知られた大物プロデューサー、クリスチャン・フェシュネールが製作を引き受け、日本からもカラックスの友人であり、今年惜しまれつつ逝去した堀越謙三氏(ユーロスペース代表)が出資し映画は完成するが、製作費はセットだけで6億近く、合計30億円を超えた。

当時の批評は「ひとりの若者が今なお、大衆に向けて、映画愛によってかくも美しい映画を作ることを必要かつ急務と考えている事実を、私たちは喜ばなければならないだろう」フィリップ・ガレル(映画監督)、「いつもはラッシュを見て感銘を受けることはないのだが、今回のラッシュからはとても強い印象を受けた。《造形的映画》の素晴らしいイメージは、とぎれることなく私を圧倒した」アンリ・アルカン(撮影監督)、「これは傷つけられた映画だ。光り輝くところから生まれようとし、未だに灰の温もりを残した映画なのだ。そして私たちの重要な仕事とは、この火を生き返らせることなのだ。」ジャン・ルーシュ(映画監督)と、「レオス・カラックス 映画の二十一世紀へ向けて」(鈴木布美子著、筑摩書房刊)に記録されている。

公開されたティザー動画は、カラックスが試写室でスピルバーグらに見せたシーンのひとつ。革命記念日の夜セーヌ川の両岸から滝のように花火が流れる中、盗んだボートをアレックスが操縦し、ミシェルが水上スキーで疾走する圧巻の場面だ。水が凍える11月の夜、失敗すれば大金が消えてしまうプレッシャーと転倒の恐怖を抱きながら、ビノシュはスタントなしでこのシーンに挑んだ。パリのポンヌフ橋で疾走する、孤独なふたりの究極の愛の一端が、映画完成に向けて潮流を変えたのだ。またシーン写真は、革命記念日の花火が上がる中、アレックスとミシェルがポンヌフで狂ったように踊り、もつれあい、もたれあいながらふたりで乱舞する、情熱的で燦々たる名シーンだ。

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