「盤上の向日葵」サザンオールスターズの主題歌「暮れゆく街のふたり」 口笛バージョンが重要シーンの劇中曲に
2025年10月3日 07:00

坂口健太郎が主演を務め、渡辺謙と初共演する「盤上の向日葵」から、サザンオールスターズの主題歌「暮れゆく街のふたり」にフィーチャーした主題歌特別映像(https://youtu.be/e5cARymMfrM)が披露された。また、同曲の“口笛バージョン”が重要なシーンの劇中曲として流れることがわかった。
本作は、熊澤尚人監督(「隣人X 疑惑の彼女」)が、「孤狼の血」の柚月裕子による同名小説を映画化。昭和から平成へと続く激動の時代を背景に、過酷な人生を生きる天才棋士の光と闇をドラマチックに描く。

昨年、製作陣は「切なさや哀しさ、愚かさも含め、必死に生きていく人間たちへの応援歌がほしい」と、主題歌を「サザンオールスターズ」に依頼。完成直前の本編を見た桑田佳祐は楽曲提供を快諾し、最新オリジナル・アルバム「THANK YOU SO MUCH」のために制作を進めていた楽曲のひとつ「暮れゆく街のふたり」を「主題歌にしていただくのはどうか?」と提案した。
人間の情念を支える力強い声と、ドラマ性に満ちた楽曲の世界は、物語のラストシーンからエンドロールに寄り添い、映画の内容と余韻を深める印象的な主題歌として本編の締めにピッタリとはまった。だが、熊澤監督やプロデューサー陣の仕事は、ここで終わりではなかった。
「暮れゆく街のふたり」の作詞・作曲をした桑田が、楽曲制作に着手した当初、“仮歌”として歌ではなく口笛を吹き込んでいた、という裏話を聞いた製作陣は、主題歌チームと相談しつつ、「口笛を本編に活かすことは出来ないか?」と、完成させたばかりの映画を編集し直すことを決断する。
物語の中盤、生き方を模索していた主人公・桂介(坂口)が、故郷にも通ずるような向日葵畑で亡くなった母を思い出す。ふと現実に立ち戻ると、そこには別の女性の姿が。それが農園で働く奈津子(土屋太鳳)との、そして新しい生き方との出会いだった……という大事なシーンを再編集。当初は無かった映像を織り交ぜ、“口笛バージョン”を流すという構成を相談したところ、桑田もこの再編集版に賛同。全国ツアー中に“口笛バージョン”を改めて録音し、新たに映画のためだけの特別バージョンを完成させた。
桑田はかつて、自身が監督した作品である「稲村ジェーン」で映画の劇伴を手掛けたことがあるが、今回の“口笛バージョン”のように主題歌として提供した楽曲を、映画の劇中曲として特別にアレンジすることは初となる。桑田と映画製作チームの“セッション”ともいうべき異例の展開が、スペシャルな“映画用オリジナルバージョン”を生むこととなった。
桑田は「仮歌を口笛でやっていて、これがいいという話になりまして、ツアー中に口笛を入れ直しましたんですよ。それが向日葵畑のシーンで使われることになりました」と、自身のラジオ番組で経緯を語りつつ「また改めて、劇場で観ようと思います」と自らの言葉でリスナーたちに向けて、完成版への大きな期待をにじませた。
主題歌特別劇映像には、豪華キャストたちの姿とともに、さまざまな出会いと別れを経た桂介が、人生を賭けたタイトル戦へと踏み出していく姿をとらえている。主題歌特別映像を60秒にカットダウンした映像が、10月3日から10月30日まで、全国のSMT系映画館で全スクリーンの幕間映像として流れることも決定した。
「盤上の向日葵」は10月31日公開。熊澤監督のコメントは以下の通り。
「主題歌をサザンオールスターズさんにお願いできるかも?という事になり、映画を観ていただいたところ大変気に入っていただけ、桑田さんが主題歌と、その口笛バージョンを作ってくれました。こんな素晴らしい口笛バージョンがあるなら、映画に生かそうと編集をやり直し、桂介が向日葵畑を通り、昔を懐かしみ、母を思い出す箇所に、口笛バージョンが流れる構成でお見せしたら、桑田さんにも大変喜んでいただけました。このように別バージョンの楽曲を特別に作っていただけることは、普通はないとのこと。映画の中でポイントになる、主人公の決断をこの曲で盛り上げることができたのは、大変嬉しいことでした」
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