二宮和也が韓国で自身の俳優哲学語る 約4000席のステージでは“神対応”【第30回釜山国際映画祭】
2025年9月19日 23:45

二宮和也主演の映画「8番出口」が、開催中の第30回釜山国際映画祭ミッドナイト・パッション部門で9月18日深夜に上映された。公式上映を終えた二宮が、翌19日、俳優の魅力に迫る映画祭の人気トークプログラム「Actors’ House(アクターズハウス)」に日本人として初めて参加した。
「ミッドナイト・パッション」部門は、スリラー、ホラー、アクション、ダークファンタジーなど、ジャンルの垣根を超え、挑戦する作品をラインナップしオールナイトで上映する部門だ。
「Actors’ House」は、演技力だけでなく、スクリーン内外で際立つスター性を放ち、高い評価を得ている俳優にスポットをあて、俳優自身の魅力に迫る、毎年完売必至のトークプログラム。今年は、韓国を代表する3名の俳優(イ・ビョンホン、ソン・イェジン、キム・ユジョン)と共に日本人俳優初となる出演者として、二宮が選抜された。

まずは、本作出演の経緯を「出演しているキャストが限られている中で、一人のお芝居をする時間が長いのは挑戦だなと思ったのと、原作にストーリーがなかったため、どういう風に実写映画化するのだろうという興味が湧いたのは大きいですね」と語る二宮。
本作は“迷う男”の出演シーンが多いことから、司会者は「観客を一人称の主人公に没入させるような演技が必要だったと思います。他作品と準備する際の過程の違いはありましたか?」と質問。「脚本の製作の段階から参加させてもらったのは大きいです。一人芝居で展開を作っていく上で台本通りに演じてしまうと、台本に描かれていることと、現実で起こっていることに齟齬がうまれて…。自身で表現してやっていくしかないという中でその誤差を現場で起こしたくなかったので、脚本製作から参加させてもらいました」と、演技以外でも作品にコミットした。

司会者が二宮が出演した過去の作品を振り返りながら、「実際に起きた歴史の場合と、現実に存在していない物語の場合、キャラクターにアプローチする方法に違いはあるのか」と尋ねると、「未来に関しては“飛び過ぎないこと”が大事かなと思います。世界観は200~300年の未来だとしても、人間は5~10年しか経っていないなど、独自のルールをつくって考えています。過去に関しては、ご縁があって当時の時代設定の作品によく呼ばれるのですが、要因は当時の体型に似ているので感情移入しやすいかららしいです。それに関しては、親に感謝しています(笑)」とコメント。
そして、司会者が、自身から見た役者としての二宮の魅力の理由の一つに“動き”があると言及。「作品によって多様な演技を見せてくださいますが、その都度、立っている佇まいから、体の動かし方が違うように感じます。長い間、舞台に立ってきたアーティストとしての感覚とも関係があるのでしょうか?」という鋭い質問を投げる。

二宮は「それはあると思います」と一言。「嵐で活動している際に、コンサート中にフリーで動く場面があるのですが、メンバー全員で同じ場所に動くと固まってしまうのでありえないんです。割とそういう力はグループ活動のお陰で自然と身についてきた気がします。行かないところに行ってみるとか、あえてそっちに行ってみるとか、空気の流れを意識しながら動くのは、グループ活動で培われた力です」と、嵐としての活動を振り返った。

観客とのQ&Aコーナーでは、日本と韓国を行き来し役者をしているというファンから「中学時代から二宮さんのファンで、アイドルとして活動しながら演技を始めて、現在までにお芝居をする上での姿勢が変わってきていると思いますが、いかがでしょうか? また、演技をする中で大切にしているポイントがありましたら教えてください」と熱い質問が飛び出した。二宮は、自身の俳優哲学について、このように語った。

最後に「Actors’ House」に出演した感想を聞かれると、「本当に貴重な経験をいただきありがとうございました。やはり僕は、自分たちで手を尽くたものが世界に届く仕事をしたいと話をしていて、評価をもらうことが一つの夢でもあったので、8番がみなさんにみていただけたのが嬉しいですし、やってよかったなと思っています。これを機に、二宮が韓国にくるべきだと思っていただけるのであれば(笑)、ゲストではなく、レギュラーとしてちゃんと出演したいです。自分の韓国語で皆さんの心を掴むのが夢の一つに加わりました。が、それは韓国側からオファーこないとはじまらないので、二宮みたいかもって思っていただけたら! 嵐のことも皆さんが能動的に動いてくださったおかげだと思うので、韓国のみなさんに恩返ししたいと思っています。みなさんのお茶の間に登場するのが夢なので、これからも頑張っていきますので、応援のほどよろしくお願いいたします」と笑顔で応えた。

「Actors’ House」の出演を終えた二宮は「質問の深さというか、自分で忘れているものばかりで焦りましたが、いい時間でした。こういったいわゆる海外でディスカッションする機会はなかったので貴重な経験でした」と、韓国に集ったファンの熱量に感激の面持ち。
異国の地での1対1のトークショー体験は「日本ではあまりないので新鮮でした。一般のお客様と作品を主軸に話すことが多いので、過去作品もでてくるとは思わなかったです。質問してくださった俳優をしている方は、一番前のセンターで真剣にずっと聞いてくれて、有意義な時間だったでしょうし、彼の先輩になるわけなので、言葉をもらえるのは、自分自身も励みになる、出し惜しみをしていてはいけないなと思いました」。海外への想いについては「色々な国際映画祭に出品されて、色々な評価をもらえていることは、励みになります。自分がおもしろいと思っていたものは間違いじゃなかったんだなと思うと、チャレンジすべきだなと思いますね」と自身のさらなる飛躍に期待を込めた。
またこの日は同日釜山最大規模の会場「映画の殿堂 BIFF 野外ステージ」の約4500人の観客を前に、河内大和、川村元気監督とともにトークイベントを開催。写真撮影OKという会場では、多くのファンが登壇者にカメラを向けており、二宮はじめ、登壇者はカメラに向かって笑顔を向けるなど神対応が炸裂。一つ一つの質問にも3人は丁寧に回答し、最後に二宮が「本作を製作するにあたり、日本の地下通路を旅していたら、釜山にたどり着き、みなさんと会うことができ、地下通路を歩くのも悪くないなと思います。今回の釜山国際映画祭では、日本作品もたくさん上映されているので、ぜひ観ていただけたらと思いますし、僕もまた戻って来れるように頑張りたいです」と締めくくった。

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