本作は、ドラマ「白い巨塔」「昼顔 平日午後3時の恋人たち」などを手がけた脚本家・井上由美子と演出家・西谷弘が再タッグを組む完全オリジナル・ラブストーリー。堅い家庭で育ったまじめすぎる高校教師のが、文字の読み書きが苦手なホストに言葉や社会を教える秘密の“個人授業”を続ける中で、次第に距離を縮めていくも、さまざまな批判や非難、憎しみ、嫉妬が容赦なく2人を襲う。
木村が演じるのは、私立ピエタス女学院高等学校葵組の担任で、現国教師の小川愛実。古い価値観を持つ家庭に育ち、何かと両親のいいなりで生きてきた愛実は、慎重な性格でまっすぐ過ぎるが故に、過去に一度、大きな過ちを犯したことがある。
恋愛面においては奥手で、現在は父親の紹介で出会った男性と交際中。プロポーズされているが、彼の発言に引っかかる節があり、不安がよぎっている。勤務する高校では理不尽な保護者に加えて、学級崩壊の危機が迫り、“こんなところから逃げ出したい”と嘆く日々を送っている。そんな愛実の元に「生徒が悪徳なホストにだまされた」という連絡が入り、世界が一変する。
2026年にデビュー20周年を迎える木村は、本作がフジテレビ系連続ドラマ初主演。現在は田中樹とともに主演を務めるドラマ「I,KILL」(WOWOW)が放送中で、映画「でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男」(6月27日公開)、「てっぺんの向こうにあなたがいる」(10月31日公開)の公開が控えている。
ラウールは、ホストクラブ「THE JOKER」に勤務するホストのカヲル役で出演。年の離れた小さな弟がいるカヲルは、家庭環境が整わない生活で学業がおろそかになっており、義務教育も大して受けられなかった。漢字の読み書きを始め勉強が苦手で、客への連絡は電話ばかりだが、人なつっこい笑顔とトークスキルを武器に「THE JOKER」のNo.7までのし上がってきた。
ある日、愛実の生徒が年齢を偽ってカヲルの元へ通っていたことが発覚し、教師として生徒を連れ戻すために店に駆け込んできた愛実と出会う。女子生徒に2度と連絡しないことを約束する念書を書いてほしいと言われるが、そこでこれまで秘密にしていた問題を愛実に知られてしまう。
ラウールは、20年に「Snow Man」のメンバーとしてCDデビュー。最年少ながら圧倒的なダンススキルでセンターに抜てきされ、「Snow Man」として活動する傍ら、抜群のスタイルを生かしモデルとしても活躍。俳優としては、ドラマ「簡単なお仕事です。に応募してみた」(19)でメンバーの岩本照、渡辺翔太、目黒蓮とともに主演を務め、映画「ハニーレモンソーダ」(21)で映画単独初主演を果たした。24年には、映画「赤羽骨子のボディガード」で再び主演を務めている。ラウールは本作がゴールデン・プライム帯連続ドラマ初出演ならびに、フジテレビ系連続ドラマ初出演。初のホスト役となり、現役ホストの指導の下、ホスト役のキャストたちと何度もリハーサルなどを重ね、撮影に臨んでいる。
「愛の、がっこう。」は、7月より毎週木曜午後10時からフジテレビで放送。木村とラウール、栗原彩乃プロデューサーのコメントは以下の通り。
◆フジテレビ系連続ドラマ初主演となります。本作への出演が決まった時の率直な思いについて
井上由美子さんのオリジナル作品に関わることができる喜びと同時に底知れぬ緊張感もありましたが、私のキャリアの中でも恋愛ものというのは珍しいので、このタイミングでお話を頂けたことにご縁を感じ二つ返事でやります、でした。
◆台本をお読みになった感想、演じる愛実の印象は?
危なっかしい人だなあと思いました(笑)。私は愛実ほど物事を真に受けないことと、周りに参考になる人もいなくて役作りはとても悩みました。西谷(弘)監督に悩んでいることを打ち明けたとき“サイモン&ガーファンクルのスカボロフェアが流れるようなイメージかな”とおっしゃっていたことが印象的で、何かに迷ったときに思い出すようにしています。
リハーサルを重ね撮影が始まると、自分ひとりではなくスタッフの皆さん、キャストの皆さんから得られるヒントが沢山あり、一緒に作り上げていく楽しさを日々感じています。冒頭から危なっかしさが満載ですが、“西谷マジック”にかかるとどこかクスッともなれるので、西谷監督ならではの演出も楽しんでいただけたらと思います。
すばらしいダンススキルなどセンスに長けていて器用な方というイメージでしたが、先日愛実とカヲル、2人だけのシーンを初めて撮影した時に、とても努力家なんだろうなと感じる瞬間があって。10分以上の長回しで撮影したのですが、アドリブを次々に出してくださって、そのひとつひとつにとても心がこもっているんです。
ラウールさんが投げてくださる球を壊さないように、と、私も豊かな心で撮影に臨むことができました。ふたりのこれからが見える重要なシーンだったので、想像を膨らませながらお芝居のキャッチボールが出来て楽しかったです。
◆視聴者の方へメッセージ
誰もが抱えているであろう、他人に知られたくない失敗や傷ついた瞬間を全部さらけ出して、自分がいちばんほしかったものを求める姿が描かれていく作品だと思います。木曜よる10時、お疲れを感じている方も多いかもしれません。そんな中でこのドラマを見てくださる方の心の琴線に触れ、明日への活力になれるような作品にしたいです。ぜひご覧いただけたらうれしいです。
◆本作への出演が決まった時の率直な思いについて
この作品を手がける脚本の井上(由美子)さんや監督の西谷さんは、おふたりとも僕が夢中で見てきた大好きな作品を手がけてこられた方々なので、オファーをいただけてとてもうれしかったですし、ホストの役とお話をいただいて、自分がホストになる想像がつかなかったので面白そうだなと思いました。
◆台本をお読みになった感想、演じるカヲルの印象は?
とても面白かったです。木村さんが演じる愛実さんも、僕が演じるカヲルもキャラクター性が面白くて。完璧ではないリアルな人物像が絶妙なバランスで描かれています。文字だけでこんなにワクワクするなんて!とびっくりしました。
カヲルは育ちの悪いホストで野心を持っているけど、実はピュアさを秘めた人です。西谷監督と初めてご一緒するのですが、お芝居のヒントをたくさんいただいて、僕の中でのお芝居への向き合い方が変わってきています。クランクイン前から西谷監督に何度もお稽古をしていただいたり、ディスカッションさせていただいたりして、今、全幅の信頼を寄せて撮影に臨んでいます。今後、自分がどうなっていくのか、僕自身も楽しみです。
今までたくさんの作品に出られてきたすばらしい演技をされる方なのに、とても謙虚な方で、年下の僕に対してもいつも温かく接してくださり、早くもリスペクトさせていただいています! また空気感も落ち着いていらっしゃって、現場にいい意味での静けさと落ち着きと温かさがあります。
◆視聴者の方へメッセージ
立場や年齢、生きてきた環境、価値観の異なる愛実とカヲルが心を通わせていく物語です。近づけば近づくほど、反発したり心が苦しくなったりすることも…。僕は視聴者として2人の関係性が進んでいくことを応援しながら見るタイプですが、 “いや無理でしょ!?”“やめておきなよ”と思いながら見るのもいいですし、それぞれの楽しみ方で見ていただけたらと思います。放送後に、2人の恋愛に肯定派か、否定派か、で盛り上がっていただけるのでは!? ぜひ、放送を楽しみにしてもらえたらうれしいです!
【プロデュース:
栗原彩乃(フジテレビ ドラマ・映画制作部)】
“高校教師とホストのラブストーリーを考えている”と井上さんから初めてうかがった時、禁断?ドロドロ?…いろいろな言葉が浮かびましたが、脚本を読ませていただくと、本作はどこまでも切なく澄んだ不器用な愛の物語だと感じました。経済や学歴、あらゆる格差が広がり、もはや分断ともいえるような社会の中で、互いの間にある高い壁を乗り越えてゆく2人の愛と勇気を描きます。
木村文乃さんが演じてくださる主人公・愛実は、真面目が故に生きることが下手くそな高校教師です。いつも張りつめたようにシャンと伸びた木村さんの背筋から、“正しくあらねば”と思う愛実の息苦しさがひしひしと伝わってきます。一方、
ラウールさん演じてくださるカヲルは、夜の世界を自由気ままに泳いできたホスト。時折ふと見せる憂いの表情から、愛に恵まれなかった過去が垣間見え胸を掴まれます。
全く違う世界を生きる愛実とカヲルですが、同じように孤独を抱えていることを知り、惹かれ合っていく…その少しずつ少しずつ愛が育っていく様を、異なる魅力を放つ木村さんと
ラウールさんが、可愛(かわい)らしく丁寧に表現してくれています。
誰かを愛することは、どうしてこんなにも難しく苦しく幸せなのだろうと、2人を見て感じる毎日です。早く視聴者の皆さんとこの気持ちを分かち合いたい! 井上さん、西谷監督をはじめとする精鋭スタッフ陣、そして木村さん、
ラウールさんほか豪華キャスト陣がチーム一丸となって物語の海を泳いでいます。7月の放送にぜひご期待ください!