「でっちあげ」綾野剛、三池崇史監督への厚い信頼を語る「知らなかった自分に出会わせてくれた」
2025年5月15日 18:00

綾野剛が、「でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男」で16年ぶりに再タッグを組んだ三池崇史監督に対する厚い信頼を語った。綾野のコメントと、本作で演じた小学校教諭・薮下の対照的な表情をとらえた場面写真を映画.comが独占入手した。
原作は、第6回新潮ドキュメント賞を受賞した福田ますみ氏によるルポルタージュ「でっちあげ 福岡『殺人教師』事件の真相」(新潮文庫刊)。日本で初めて教師による児童への虐めが認定された体罰事件をもとに、人間の静かな恐ろしさを描く。主人公の教師を綾野が演じ、「クローズZEROⅡ」(09)以来16年ぶりに三池監督とタッグを組んだ。共演には、柴咲コウ、亀梨和也、三浦綺羅、木村文乃、光石研、北村一輝、小林薫らが勢揃いした。
2003年、小学校教諭・薮下誠一(綾野)は、保護者・氷室律子(柴咲)に児童・氷室拓翔(三浦綺羅)への体罰で告発される。体罰とはものの言いようで、その内容は聞くに耐えない虐めだった。報道をきっかけに、担当教輸は「史上最悪の殺人教師」と呼ばれ、停職処分になる。児童側を擁護する550人の大弁護団が結成され、民事裁判へと発展。しかし、法廷は担当教諭の完全否認から幕を開けるのだった。

これまで、元プロサッカー選手や産婦人科医、不動産詐欺師など様々な役柄を演じてきた綾野。2024年には5本の映画が公開され、“歌が上手くなりたいヤクザ”というユニークな役柄を演じた「カラオケ行こ!」(24)では、日本アカデミー賞優秀主演男優賞に選出された。
今作で綾野が演じたのは、殺人教師と呼ばれた男・薮下。見るに耐えない行いを続けた“殺人教師”の存在は瞬く間に世の中を震撼させ、マスコミの標的となり、世間を騒がせる。しかし、薮下当人は法廷で「すべて事実無根の“でっちあげ”」だと完全否認。

日常の延長線にありながらも完全な危険人物としか見えない姿と、厳しい追及を受けて壊れていく姿を同時に見せる難役に挑んだ綾野は、「どう見せたいかではなく、“どう見られるか”という役でした。伝え方や受け取り方、状況や感覚次第で印象が変わる人物です。だからこそ、どんな方法も選択肢にありましたが、今回は役づくりをするというより、作品づくりに近い形が薮下を造形していくのではないかと判断しました」と役作りについて明かす。そして、「なにより三池監督がとても繊細に薮下という人物を見つめてくださったので、そうすることでより“薮下がどう見えるか”が生み出されていきました」と感謝。
綾野は「クローズ ZEROII」(09)以来、16年ぶりに2回目のタッグを組んだ三池監督に対し、「三池さんはとてもジェントルで、多弁ではないですが、ひとつひとつをとても繊細に紡いでいらっしゃる。その寛大な懐に飛びこんでいくのはとても心地がよく、緊張感もあり、幸せな時間でした」と語り、「今回も自分が知らなかった自分に出会わせていただきました。16年ぶりにご一緒しても新しい一面を見つけてくださる。薮下自身が知らなかった声も表情も私を通してみつけてくださる。監督の人間力と現場力にどの作品も救われ続けてきたんだなということを、改めてこの作品でも体感、実感し、結実したような思いです」と厚い信頼を寄せた。
三池監督も綾野について、「どこかに到達しようとしているように見えます。芝居って不思議だな、面白いなっていう、そういうタイプの俳優ですよ。いろんな現場を経験した結果を取り入れていこうという姿勢が感じられますね」とその魅力を語っている。
映画「でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男」は6月27日全国公開。
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