広瀬すず×杉咲花×清原果耶「片思い世界」インテリアや衣装が“エモい”と話題 美術&衣装の制作秘話
2025年4月10日 17:00

広瀬すず、杉咲花、清原果耶がトリプル主演を果たした映画「片思い世界」(公開中)で、坂元裕二の脚本とシンクロした美術、3人の“チーム感”を表現した衣装など、唯一無二の世界観を表現した制作の裏側が明らかになった。
物語の主人公は、現代の東京の片隅、古い一軒家で一緒に暮らす、美咲(広瀬)、優花(杉咲)、さくら(清原)。仕事に行ったり学校に行ったりバイトに行ったり。家族でも同級生でもないけれど、互いを思い合いながら過ごす、楽しく気ままな3人だけの日々。もう12年、強い絆で結ばれているそんな彼女たちの、誰にも言えない“究極の片思い”が描かれる。大ヒット映画「花束みたいな恋をした」の脚本家・坂元(「怪物」「ファーストキス 1ST KISS」)と土井裕泰監督(「罪の声」)が再タッグを組んだ。

「私たち普通に生きよう」という美咲の一言から始まった、3人の大切な「普通の暮らし」。観客からは、「3人の衣裳やインテリアや小物がエモい」「私もあそこに住みたい」などの反響が寄せられている。個性と工夫が詰まった部屋と衣裳の制作秘話を、美術を担当した佐久嶋依里、衣裳を手がけた立花文乃が明かした。
屋根裏部屋のようなベッドルーム、一緒にごはんを食べるテーブルにそれぞれ違う椅子、毎年身長が記される柱、ホラー映画を見ながらぎゅうぎゅうになって座るソファ、時計がわりのラジオ――3人が暮らす古い一軒家には、懐かしさや温かさを感じさせる宝物のような家具や小物が詰まっている。

ごはんをちゃんと作ること、お風呂に入ること、洗濯物を畳むこと、誰も見ていなくてもトイレのドアは閉めること――誰よりも「普通に暮らすこと」を大切にする3人の個性溢れる“居場所”は、どのように作られたのか。佐久嶋は、「幼い頃から3人で身を寄せ合って暮らしてきた」という設定を受け、3人が住む家も、それぞれのキャラクターありきでイメージしたという。
佐久嶋「例えば、量子力学に興味を持つ優花は、幼い頃からおまじないや心霊現象などに関心を持ってきたのかもしれないと想像して、本棚に並ぶ本を選んでみました。水族館で働くさくらはきっと海の生き物が好きなはずなので、ベッドには魚のぬいぐるみがあって、手仕事が得意な美咲の近くには端切れ布やミシンなどがいつもあるのではないか、などです」

さくらの誕生日の朝、背比べをするシーンで登場する柱には、ある印象的なエピソードが。もともと、佐久嶋が描いたデザイン画では、リビングの真ん中に柱があり、構想段階から柱に、3人が背比べをした印をつけようと思っていたそう。まだそのアイディアを誰にも伝えていなかった段階で、脚本のなかに3人が身長を図って柱に印をつけるシーンを発見し、坂元との思わぬシンクロに驚いたという。

部屋と同じく、3人の生活を彩る衣裳を担当した立花は、最初に色のイメージを膨らませた。3人が集まった時に浮かび出る色のイメージについて、立花が「何となくですが、揺るぎのない赤と消えてしまいそうな青、という感覚がありました」と話す通り、3人のパジャマや普段着には赤と青が印象的に使われている。
まずイメージ画の作成から着手したという立花の頭に浮かんだのは、12年間を3人だけで生きてきた彼女たちの“チーム感”だったそうで、「それぞれに個性がありながらもお揃い感があるような、そんなチーム感がほしいと思いました」と語る。立花が描いたイメージ画には、優花がまとうベストに似たアーガイル柄を中心に、個性豊かな服を身につける美咲、優花、さくらの姿が。優しい色合いの赤と青の色彩のなかに、刺繍、パッチワーク、つぎはぎなどが施されており、同じではないが確かにつながっているようで、3人の強い絆が巧みに表現されている。また3人の衣裳には、必ずどこかに手作り要素が取り入れられている。
立花は「監督とは、彼女たちなりに生活を楽しんでいる感じが現れるといいんじゃないかと話しました。特に美咲は手仕事が得意で、自分だけでなくほかのふたりの洋服にも刺繍を施したりしているだろうと」と明かす。その言葉通り、劇中では工夫しながらも、唯一無二の着こなしを楽しむ3人の姿が、随所で描かれている。
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