
――卓越した演技、ダンスとNTR Jr.さんの俳優としての魅力を十二分に堪能できる作品です。もともと芸能一家のお生まれとのことで、子供の頃からショービジネス界に進むのは当然のことだったのでしょうか?
NTR Jr.:自分の意志で始め、踊りは6歳から古典舞踊を学びました。もちろん、祖父、おじ、父も役者ですが、彼らからの影響ではなく、なぜそういう気持ちになったのか自分でもよくわかりませんが、自発的に役者になりたいと望みました。実際に役者になって、たくさんの美しい皆さんを楽しませられる機会を得て、とても恵まれている人生だと思います。

――監督におうかがいします。NTR Jr.さんとは今作「
デーヴァラ」以外にも作品を共に作られていますが、「
RRR」の世界的大ヒット後のNTR Jr.主演作とのことで、製作に関してプレッシャーはありませんでしたか?
シバ監督:僕たちは監督と役者という関係性ではなく、ブラザーフッドであり、15年来の友人なのです。しかも、彼(NTR Jr.)は役者であるし、脚本家、物書きでもあるので、彼は物語の感情というものをより理解できます。もちろん、プレッシャーはゼロとは言いませんが、それはどんな映画を作る時も同じです。
普通は脚本が完成してから役者に見せるものですが、僕らは違うんです。アイディアがなんとなく見えてきたら、まずは彼に話します。そうすると、物語をもっと書くための材料や、背中を押す何かをくれるんです。そして、自分のキャラクターだけではなく、その他のキャラクター像も膨らませるようなアイディアを出してくれるので、ほかの役者との仕事と比べても、NTR Jr.との脚本開発はより楽なのです。

――インド映画でこのような壮大な海洋アクションを観たのは初めてです。高度なCGI技術も使われていますが、水中を撮影した装置について教えてください。
NTR Jr.:壮大な海洋アクションとしてお見せしたかったので、すごく嬉しい言葉です。例えば、ロンドンには「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズなどが撮影された、水中シーンの撮影用の大きな装置があります。でも、インドの俳優、クルーを全員連れていくわけにもいきません。ですから、今後インド映画が世界的に見てもらえるようになるのなら、僕らのこの作品だけではなく、これから製作されるインド映画のためにも、そういった装置を僕らが作ろうと決め、最先端の技術を用いて、スタジオの中に大きなタンク状の装置を作りました。60メートル×60メートルくらい、水深も6メートルくらい。船のシーンも撮影できるよう、人工的な波を起こせる機械や、実際海に持っていけるようなリアルな船も作りました。多くの時間をかけてリサーチして、撮影のインフラから作ったのです。また、それとは別に、水中の撮影用に、水深5メートルほどのオリンピックサイズのプールも作りました。
シバ監督:NTR Jr.のために、水の温度調節もできるようにしたんですよ(笑)。
NTR Jr.:誰しも成長していかなければいけないと思うので、僕らも、映画を作るだけでなく、映画業界全体が成長してほしいし、社会的に盛り上げていきたい、そういう気持ちがあります。潮が満ちていくとすべての船が上がって行くような感じですね。

――NTR Jr.さんが
デーヴァラとヴァラという父と息子を一人二役で演じた理由を教えてください。
NTR Jr.:父と息子ということで、遺伝子的に当然似ているわけだし、観客も役者の演技の幅を見たいという気持ちがあると思います。自由な考えで設定した結果です。
シバ監督:インド人はスターを観るのが大好きなのです。父親役だけの物語であれば、誰か他の俳優でも良かったかもしれませんが、ちょうど父と息子の物語が半々くらい。誰もができることではないけど、その両方をこのスター(NTR Jr.)が演じるのを観たいと思うんです。息子役では若々しく、父親役では成熟を見せなければなりませんので、信憑性のある演技ができる役者が重要です。そんなことができる俳優はごくわずかでしょう。

――本作はテルグ語の作品です。インドでは地方によって言語が異なる作品が製作されていますが、言語以外にテルグ語映画ならではの特徴などはあるのでしょうか?
シバ監督:最近のインド映画は言語以外の隔たりはなくなってきていると思います。200分くらいの長さで、インターバルがある。まずはそういうフォーマットに合わせてストーリーを考えていきます。インド人はインターバルで部屋の外に出るのが好きですからね。前半の物語が盛り上がったところで休憩に入る。そして、スターと歌は欠かせません。昔ながらのインドの民話を楽曲に落とし込んで物語を語るという、口伝えのメディアでもあります。音楽、歌、ダンスは僕らの生活の一部であり、インド映画の一部です。あとは、インドでは家族を大事にするので、家族のドラマとして感動できるもの、それが今のインドの一般的な映画に共通するフォーマットだと思います。

――引き締まった肉体を維持し、キレのあるダンスやアクションを繰り出すには、多くのトレーニングが必要だと思います。セリフやダンスを覚える以外に、どのようなことを行うのでしょうか?
NTR Jr.:ある程度のフィットネスがなければ爆発的なダンスやアクションは出来ません。ダンスのためだけではなく、見た目も大事ですし、ケガを避けるためにも常に欠かさずにトレーニングをしています。僕は1週間のうち6日ワークアウトしています。有酸素運動、筋力をつけるためのベーシックなリフティング、関節のケガをしないようなトレーニング、動物の動きを真似るようなトレーニングもします。しかし、体形維持に大事なのは80%は食生活で、ワークアウトは20%というところでしょう。正しく健康的な食事を少量で摂ることを心がけています。日本料理もインド料理と同じくらい大好きなので、それがつらいですね(笑)。