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「IT'S NOT ME イッツ・ノット・ミー」先行上映イベント レオス・カラックス監督が11の質問に回答

2025年3月25日 14:00

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レオス・カラックス監督
レオス・カラックス監督

レオス・カラックス監督の新作「IT'S NOT ME イッツ・ノット・ミー」の先行上映イベントが3月24日、渋谷・ユーロスペースで行われ、カラックス監督が観客からの質問に応じた。この日の一問一答の抜粋、要約を紹介する。

IT'S NOT ME イッツ・ノット・ミー」は、パリの現代美術館ポンピドゥセンターはカラックスに白紙委任する形で展覧会を構想していたが、「予算が膨らみすぎ実現不能」になり、ついに開催されることはなかった。その展覧会の代わりに作られたのがコラージュによる、カラックスが初めて自ら編集したセルフポートレートだ。

――本作の構想は、ゴダールの死去とロシアのウクライナ侵攻が契機になっているですのか?

そうではありません。この映画を作り始めたのは、そういったことが起こる前でした。ポンピドゥから最初に言われたのは、10分ぐらいの自画像というか、セルフポートレート的なショートフィルムを展覧会用に作ってほしいということでした。私は1人で編集をする、そのプロセスがすごく好きなのです。それで、ホームムービーのように自宅で、犬や娘に囲まれて1人で作業しました。夜にイメージが色々浮かんでくるので、日中それを編集するという作業でした。で、そうやっている間にウクライナでの戦争が始まり、またゴダールが自分の命を終えるということを決意しました。もちろん、それらのことも、この映画に大きな影響を与えています。

画像5(C)2024 CG CINEMA • THEO FILMS • ARTE FRANCE CINEMA
――この映画では、あなたの過去作の多くもコラージュされています。編集する上で、懐かしさなどはありましたか? どのような感情が生まれたのか教えてください。

当初は、自分の映画をもう1度見たり、立ち戻ることは好きじゃない、そう思っていました。自分の映画はこれまでもあまり見返していませんでしたが、だけれども、実際にやり始めたら実は好きでした(笑)。そして、家で映画を作るというプロセスがすごく好きだったんです。とても不思議な感じがしますが、こういうことは皆さんやった方がいいと思うんです。特に子供に薦めたいです。2~3年おきに、カメラであれ、絵であれ、音楽であれ、表現方法はなんでもよいので、数年ごとに、自分を振り返って、自分自身を見る、あるいは、自分を取り囲んでいる世界を見るようなことをやるといいと思います。学校でやっても良いと思います。画家は、鏡を使って自画像を描きますよね。私はこれを作っている時に、鏡が自分の後ろにあって、後ろから自分を見ているような気がしたんです。私はノスタルジックになるのは好きではないんです。むしろ怒っていたいと思います。

――歌舞伎の黒子がパペットを動かすようなシーンがラストにあります。こちらのアイデアについて教えてください。

人形使いの2人は若いフランス人の女性と男性です。で、彼らが実際に人形も作っていて、私の「アネット」という映画のためにつくった人形で、私はこの2人が大好きなんです。人形もすごく好きだったので、また見たいという思いがありました。今回の映画では、20世紀と21世紀を自分の中で繋げたいという思いがありました。「アネット」は最近の作品で、この場面は撮影後使わないつもりでしたが、すごく美しく撮れましたし、人形師の2人とその作品への敬意、素晴らしい芸術だと思ったので使いました。

画像2
――過去作から引用以外の、新しい映像について。撮影監督のカロリーヌ・シャンプティエとどんな話をしてイメージを共有したのでしょうか?

最初は新たには撮影しないつもりでした。自分の今までの作品と、自分がiphoneで撮ったもの、あるいは夜に自分の声を録音したもの、それだけで作ろうと思っていました。でも、映画の中で、自分が何かをやって、それを相手に渡して、相手がまた何かを付け加えてっていうことをやってみました。そうすると、自分の絵がどういう風になってるかわからず自分の元へ戻ってくる、そんなゲームのような感じでやっていった時に、イメージで足りないものがあるとわかりました。その自分のほしいイメージが、手元にない時に、Youtubeから探したものを仮に使い、後で自分のものに取り替えました。そんなことをしている間に、ウクライナで戦争が起こり、若い女優に2人の子供のお母さんという状況を演じてもらいました。そして、ドニ・ラバンが演じたムッシュ・メルドにまた会いたくなったんです。即興でパリの地下鉄や公園で、10年~15年ぐらい前からともに仕事をしているカロリーヌ・シャンプティエと一緒に1週間で撮りました。

画像6(C)2024 CG CINEMA • THEO FILMS • ARTE FRANCE CINEMA
――まばたきについて言及するシーンに感動しました。また、あたたは多くの困難によりたくさんの作品は作れなかったと仰っていますが、映画を撮り続けています。その原動力は?

他にできるものがないからです。映画監督全員とは言いませんが、多くの人は多分映画作りしかできないと思います。私自身、セットをデザインすることもできないし、詩を書くこともできませんし。自分の人生を振り返ってみると映画を作っていない、作れない時間の方が長いですが、でも、それでもいいかなと思っています。

――過去に素晴らしい作品を作る上でジャン=イブ・エスコフィエ、ジュリエット・ビノシュとの衝突があり、かなわなかったとうかがっています。作品を作るうえで必要な衝突だったのでしょうか? 後悔はありませんか?

はい、それが人生だと思います。皆さんも同じだと思うんですけれども、大恋愛をして、喧嘩をして別れたり離婚したり、あるいは死別ということもあるでしょう。僕らはすごく若かったこともあります。あと、この映画はエスコフィエに捧げています。で、彼は私が最初に会った撮影監督で、最初の映画を一緒に撮って、その後3作撮りました。私より10歳年上で、自分にとってはお兄さん、あるいは友人のような存在でした。自分はいろんなものを彼に負っていると感じています。彼と別れ、そして彼は亡くなりました。彼が亡くなった時はまだデジタルが始まる前でした。エスコフィエとはフィルムで撮影していたので、彼が亡くなってからは私はフィルムから離れ、デジタルで撮るようになりました。

画像7(C)2024 CG CINEMA • THEO FILMS • ARTE FRANCE CINEMA
――あなたが見てきた映像のカオスのなかから映画製作のアイデアが生まれたのでしょうか? プロセスについてお聞かせください。

私自身がものすごくカオスなのです。それがいいにつけ悪いにつけ、自分自身が非常にカオスだと思っています。そういうカオスの中に生きていると、一緒に何かを作ってくれる、クリエイトしてくれる人たちが出てくるんです。そのカオスを理解してくれる人、あるいはそのカオスを共有してくれる人が出てきて、カオスに形を与えることを助けてくれるような人が出てきます。映画は1人でできるものではないので、一緒に作ってくれる、よい人たちに出会うチャンスをいつも探しています。また、そういう人たちに会える大きな運も必要です。ジャン=イブやドニ・ラバンに会ったのはもう20年以上前ですし、その後いろんな人に会いました。で、その人たちがいたからこういった映画が作れたわけで、彼らに出会わなければこういった映画はできなかったし、違う映画になっていたと思います。

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――監督ご自身が詩的な方だと思います。特定の文芸ジャンルから影響を受けている物があれば教えてください。

私が1番いいなと思うのは音楽なんです。で、音楽が人生にあると本当にすごく美しいと思います。音楽があれば、ピアノを弾いたり、作曲したり、それに合わせて歌ったり、踊ったりできます。私が夢見た人生で、それはできないけれども、映画を作ることが、自分にとっては、作曲しているような感じがするんです。イメージがあって、詩があって、音楽があって、それが映画の中でできるような気がします。本については、いつも2冊読んでいて、日中に読む本と、夜読む本があります。で、あまりにもたくさんの本を読みすぎているので、多くの作家が、自分にとってとても重要です。

――編集が素晴らしい作品です。作業では、フィーリングとロジックのどちらを優先していますか?

編集をすることで、音楽が作れたらいいなと思っています。私、25歳の時からずっと同じ編集者をと仕事していて、ずっとそばにいたんです。で、編集をしている時、なんとなく自分がちょっと作曲しているような気分になれたんです。で、そうですね、もし私が映画作れなくなったら、編集者になってもいいかなと思っています。

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――あなたのアレックス3部作は親のいない存在、孤児がテーマになっていると感じます。 あなた自身は孤児ではありませんが、映画史で孤立している存在だと考えても良いのでしょうか?

子供の頃、私は孤児になりたかったんです。孤児だったら素晴らしいだろうし、ひどいかなと。ですが、今、自分が父親になってみて、ちょっと違う視点になってきています。若い青年だった時、映画というものを発見し、それはすごく大事なことでした。また、私が映画を撮り始めた頃は女性監督は少なく、ほとんど男性でした。様々な映画を見ていて、サイレント映画だったり、日本の映画だったり、ヌーベルバーグだったり、アメリカ映画だったり……でも、作ってる人はもうほとんど死んでいて、シネマというのは美しい墓場のような感じがしたのです。

そこを見に行くと、自分の父を見つけることができたような気がしたんです。で、自分の父をそこで作り上げたような気がします。そういうことが全員に許されるべきだと思うのです。12、3歳の時に、私は名前を変えました。自分の姓、名前を変え、選択することを、全ての子供に許されるべきだと思っています。これが答えになっているかどうかはわかりませんが、今、思いついたことです。

――あなたが考える、主観について教えてください。

考えたことはありません。主観の反対、客観も考えたことないんです。私たちはみな、主観的な世界に生きていて、それが合っている、合っていないというサインがあったらいいんですが。その中で一体何がリアリティなのか、そのことを考え、道筋を見出そうとしている気がします。世の中が混沌しているという世界のカオスとは違う意味で、イメージの上のカオスを作ることがあります。そのイメージが、自分に押し寄せてくることがあります。今、本当に、クリーンな目やクリーンな耳を持つこと、しっかりしたビジョンを持つことが難しくなってると思います。そして、子供を見たり、木を見たり、動物を見たり……いろんなものを見ることがすごく難しくなっている。だけども、私たちはその努力をし続けなければいけないと思っています。

IT'S NOT ME イッツ・ノット・ミー」は4月26日から公開。

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