【インタビュー】柳楽優弥×笠松将「ガンニバル」完結編を“3つのキーワード”で語り尽くす
2025年3月20日 11:00

ディズニープラス「スター」の日本発オリジナルシリーズ「ガンニバル」シーズン2が、3月19日から独占配信を開始。原作は、累計発行部数400万部を超える二宮正明氏の同名漫画。「人が喰われているらしい」と噂される供花村(くげむら)を舞台にしたヴィレッジスリラーで、2022年12月末にシーズン1が配信されると、衝撃の展開と過激なアクション描写が生み出す、強烈な没入感が話題を集めた。
シーズン2は、供花村に封印された、血塗られた過去と真実が明らかになる完結編だ。都会から赴任し、村のタブーに切り込む元刑事の阿川大悟を演じる主演の柳楽優弥、村を支配する後藤家の新たな当主・後藤恵介役の笠松将が取材に応じ、【破壊と再生】【執念と狂気】【覚悟と挑戦】という3つのキーワードで、「ガンニバル」完結編を語り尽くした。(取材・文/内田涼、撮影/間庭裕基)
●1.【破壊と再生】大悟と恵介のスリリングな関係性

――「ガンニバル」シリーズは、大悟と恵介の関係性が重要な軸になっています。シーズン2では、大悟が自ら狂気に飲み込まれて、一方の恵介は一族を守りたい気持ちと、村の掟に対する疑念の間で葛藤していますね。その反転する関係性が、とてもスリリングでした。
柳楽:シーズン1は、対立の構図ですよね。大悟は「この村、何なんだ?」という疑問から行動しているし、恵介に対しても疑いや不信感を持っている。そういう意味で、大悟にとってのテーマは“破壊”だったと思います。ただ、シーズン2になると、図らずも(恵介に対し)同情したり、気持ちを察したりしてしまう瞬間も増えて、大悟と恵介が重なり合うような、互いに歩み寄るって言うんですかね。そういう関係性に変化していて、破壊から“再生”にテーマが移っていく感覚はありますね。
笠松:そうですね。シーズン2では、同じ方向を向いて歩きだすかのようなシーンもあって、それは恵介が覚悟する瞬間でもあるので、僕自身もそこは好きですね。誰しも、自分の正義を強く追い求めることって難しいじゃないですか。どこかで妥協してしまったりして。だけど、大悟はそれに耐えうる肉体と精神が宿っていて、つまり、柳楽優弥さんという俳優がそういう存在なんです。ご一緒して心強いのはもちろん、シーズン1で視聴者の皆さんが(柳楽に対して)感じたワクワクを間近で感じられるのは、自分の人生の大きな財産になりましたね。

――いま「大きな財産」と評された柳楽さんにとって、笠松さんはどんな共演者でしたか?
柳楽:僕も本当に大好きで。常に本気で、どうすればシーンを良いものにできるのか考えているし、フィクションの世界ではあるけど、それを面白くするために必要なリアリティを探るべきだという絶対的な価値観を持っているんですよ。自分もそうありたいと思いますね。
●2.【執念と狂気】こだわりを極めるクリエイティビティ

柳楽:現場のスタッフさんが、片山監督とずっと一緒に仕事をしてきた方々なので、「監督のためなら」という温かなチーム感が流れていましたね。過酷な撮影でしたけど、そのチームワークで乗り切った達成感もあり、「楽しかった」という印象が強くあります。監督もとてもフレキシブルで、こちらの提案も聞いてくれて。意見を言える環境がいいですよね。
笠松:現場で、柳楽さんと片山監督を見ていると、クリエイティブに対する向き合い方が、執念と狂気を放っていて。何かを壊しに行く勢いを感じました。ものづくりの本気を見せてもらい、こちらも「やばい、やばい」って刺激を受けて。

柳楽:いやいや、それは自分もでしょ?(笑)
笠松:いや~、柳楽さんと片山監督の作品に対するこだわりは、鬼気迫るものがありました。正直、僕はついていくのに必死でした。現場にいる全員が腐っていないし、すごく志の高いチームでした。こういう作品にまた出合えることってあるのかなと思うこともあります。とてもきつかったけど、その分すごく楽しくて。
柳楽:確かに。これは何回もはできない!

笠松:もう、この仕事(俳優業)いったん終わりにしていいかなって。
柳楽:なんでだよ(笑)!
笠松:もちろん、燃え尽きたというわけではなくて、そう思えるほどやりきったんだなと。とにかくすごくいい経験をさせてもらいました。
●3.【覚悟と挑戦】「いざという時、ジタバタしたくない」

――改めて「ガンニバル」がもつ物語としての魅力を教えてください。
笠松:この物語には、大悟みたいな強い人もいれば、後藤家みたいな裏で悪いことをしているけど、それで何かを保とうとしている人たちもいる。村人や警察といった、いろんな立場の人々が登場して「こういう人いるよね」「じゃあ、自分はどの立場なんだろう」と考えさせられます。社会や組織に属していれば、各々のキャラクターの悲痛な叫びに耳を傾けざるをえないと思うんです。


――今後ますます配信作品が注目を浴び、おふたりの“挑戦”も国内に留まらず、より国際的な視野で広がっていくと思います。
笠松:現場のクリエイティビティという点では、日本は世界に引けを取らないレベルだと思っています。特に時間やロケーションの使い方は、とても効率的です。それにものづくりの歴史、小説やコミックといった原作の層も厚いので、今後はもっと海外にアピールできるのではないかと思います。
柳楽:今回「ガンニバル」に出演させていただき、率直に「いい船に乗れたな」と思っています。笠松くんが言ったように、国内には国内の強みもありますし、そこは胸張っていいと思いますね。もちろん、映像業界全体の変化は感じざるを得ないです。何かが動き出し、いざという時、ジタバタしたくないので、挑戦の準備もしていますよ。

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