南果歩「英語に対するコンプレックスを投影した」ミドルエイジ女性が異文化交流で生き方を変えるハートフルなコメディに拍手喝采【第2回沖縄環太平洋国際映画祭】
2025年2月25日 12:00

沖縄県・那覇市で開催中の第2回Cinema at Sea 沖縄環太平洋国際映画祭「特別上映」部門で、南果歩主演作「ルール・オブ・リビング」が2月24日に上映された。南のほか、監督で共演のグレッグ・デール、製作陣らが登壇しトークを行った。
49歳の美久子はバツイチのキャリアウーマン。介護中の母や海外を旅する娘、自分勝手な同僚たちに振り回され、心の余裕を失っている。再婚を勧められる幼馴染・光一との関係にも迷いがある中、突然娘の紹介でアメリカ人観光客ヴィンセントが同居を申し出る。最初は拒絶するも、厳しいルールの下で3か月間の滞在を許可。ヴィンセントも日本の生活になじんでいき、少しずつ心を通わせる二人だったが……という物語。

ブロードウェイで演技、演出を学び、日本でも活躍する演出家で俳優のグレッグ・デールの長編初監督作となる。人生の折り返し地点で新たな生き方を踏み出そうとする人々、日本に来た外国人が感じる驚き、英語が不得意な日本人とのコミュニケーションや交流をコミカルに、温かな視線で描き出した。「果歩と一緒に俳優として、監督として仕事をし、僕はずっとずっと楽しかった」とデール。

ブリランテ・メンドーサ監督作「義足のボクサー GENSAN PUNCH」、ダニエル・デンシック監督作「MISS OSAKA ミス・オオサカ」、世界的に高く評価されたApple TV+シリーズ「パチンコ Pachinko」など、近年、国際的な作品で活躍する南だが、「美久子の役はほぼ私の英語力。自分自身、英語に対するコンプレックスのようなものを持っていて、役に投影させた」と明かす。

そして、「人ってとても不思議なもので、素敵な王子様のようなボーイフレンドにはなぜか惹かれずに、バックパッカーでやってきたヴィンセントと人として惹かれ合う。その人が持っている空気感や心根は言葉以上にキャッチするもの。それは動物的な本能のようなもの」と異文化、異言語間でも通じ合える人間同士を描いた本作のテーマを語る。

この日の上映は、海外からの観客が多く集い、上映後には大きな拍手が上がった。自発的な感想や、日本での実体験が寄せられるなど多くの共感を持って受け止められたよう。「ラブホテルのシーン以外は、実体験を基にしています。コメディのために大げさにしています」と自身の日本での体験を、脚本に投影したとデールも明かす。

本作は、米国アリゾナ州の第30回セドナ国際映画祭で最優秀コメディ映画賞を受賞。プロデューサーのジェフリー・ロウは、日本での劇場公開決定についても言及した。
「第2回Cinema at Sea 沖縄環太平洋国際映画祭」は、3月2日まで那覇市ぶんかテンブス館テンブスホール、桜坂劇場などで開催。スケジュール、上映作品詳細は公式HP(https://www.cinema-at-sea.com/)で告知している。
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