「不屈の精神で回復を遂げた」絶滅の危機にあったマオリ民族、マイク・ジョナサンがニュージーランド戦争描く長編初監督作【第2回沖縄環太平洋国際映画祭】
2025年2月24日 09:00

沖縄県・那覇市で開催中の第2回Cinema at Sea 沖縄環太平洋国際映画祭で2月23日、「Director in Focus」部門で特集するマオリ出身のマイク・ジョナサンの長編初監督作「マオリの魂:戦いの呼び声」が上映され、ジョナサン監督がQ&Aに応じた。
「Director in Focus」部門は、環太平洋地域の島々から注目の監督を取り上げ、当該地域の優秀な映像作家を紹介するもの。
マオリ族はイギリス人が入植する前から先住していた先住民族。タウマルヌイで生まれ育ったジョナサン監督は、30年以上のキャリアの中で、長編映画、ドキュメンタリー、短編映画、テレビ番組、ウェブシリーズ、ミュージックビデオを含む50以上のプロジェクトに携わり、2006年にはマオリによる物語を伝えることに特化したマオリ主導の制作会社「Haka Boy Films」を設立した。
この日上映された「マオリの魂:戦いの呼び声」は、ニュージーランド戦争中の1864年。ワイカト地方の戦いの中で生まれた、混血の少年兵とマオリの預言者の少女との予期せぬ絆を描く物語。イギリス軍とマオリ族の闘い、その悲劇がハリウッド映画さながらの迫力とドラマ性をもって展開する。

マオリ民族の言葉で、ニュージーランドはアオテアロアと呼ばれる。ジョナサン監督は、ニュージーランドに移り住んだマオリ民族の歴史を振り返り、太平洋の他の国々、例えばインドネシアや日本などの国々と言語的にも近い部分があることのほか、入植者によって疫病がもたらされたり、93パーセントの土地が奪われたことなど、「民族としても絶滅の危機がありましたが、我々の不屈の精神で回復を遂げました」と紹介する。
長編初監督作に歴史的なテーマを選んだ理由について、「ホラーやコメディ作品を作って、資金を作ってから自分のやりたいものを作るということではなく、最初からどうしてもこの物語を作りたかった」と強い意志を持って臨んだ。「この映画は、マオリ民族にとって、非常に意味のある映画です。私の先祖も、この映画で描いたワイカトの戦いの場にいました。その話を知る祖母も96歳で亡くなり、このような文化を深く掘り下げることが難しくなってきていますが、映画で後世の方々、世界に伝えていくことができて光栄に思っています」と述懐した。

観客からも多くの質問が寄せられ、混血の少年を主人公とした理由を問われると「今のニュージーランドには混血の方も多いので、アイデンティティの揺らぎを表現したかった」と回答。マオリの女性が、生き延びるために英国軍と酒を飲むシーンについては「女性だけでなく、男性でも英国軍側についたマオリもいました。歴史の事実として残っているので、(その行動を)肯定するしないというより、悲しい気持ちです」と史実に沿った物語を構築したと説明した。
2月25日には、ジョナサン監督の2作品、「舞台と部族: マオリのシェイクスピアの旅」(12)、「マオリ式英雄教育」(13)が上映される。「第2回Cinema at Sea 沖縄環太平洋国際映画祭」は、3月2日まで那覇市ぶんかテンブス館テンブスホール、桜坂劇場などで開催。スケジュール、上映作品詳細は公式HP(https://www.cinema-at-sea.com/)で告知している。
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