第二回Cinema at Sea 沖縄環太平洋国際映画祭開幕! 「牡丹社事件」題材のドキュメントが世界初上映、ゲストが交流を祝福
2025年2月22日 22:49

沖縄県・那覇市を中心に開催される第二回Cinema at Sea 沖縄環太平洋国際映画祭が2月22日開幕し、開幕式が桜坂劇場で行われた。
本映画祭は「Cinema at Sea」をコンセプトに、優れた映画の発掘と発信を通じて、各国の文化や民族、個々人の相互理解を深めること、地元ビジネスを支援すること、そして地元の才能あるアーティストの作品を広く発信することを目指し、最終的には、沖縄が環太平洋地域における新たな国際文化交流の拠点となることを目指すもの。

昨年に引き続き、映画祭アンバサダーを務める俳優の尚玄は、映画館で映画を楽しむ意義を語り、「この映画祭を通して出会った人やゲストとの対話、または友人や家族と映画を通したコミュニケーションでつながってほしい。敷居の高い映画祭にはしたくなく、僕も期間中はずっと会場にいますので、気軽に話しかけてください。10日間浴びるように映画を見て語り合いましょう」と呼びかけた。

映画祭エグゼクティブディレクターの黄インイクは「この映画祭が沖縄の新しい文化産業の一大イベントに成長するよう着々と展開を進めております。今年は国内外から150名以上のゲストが来る予定です。開催時期も2月下旬に変更し、これからも日本国内で年の最初に開催される国際映画祭として、新しいイメージを確立させたい」と展望を語った。

スポンサーの笹川平和財団で太平洋島嶼国の研究に携わる塩澤英之氏は、自身の活動から「伝統文化や知識の保護、アイデンティティの確保というものに注目するようになりました。映画に関しては素人の視点からではありますが、映画はクリエイターの方々の持つ感情や力を現在の人に広め、未来の人々に伝えることができると信じております」と映画祭の役割に期待を込める。

オープニング作品として、台湾出身のション・フー(胡皓翔)監督による1870年代に起きた「牡丹社事件」を題材にしたドキュメンタリー映画「青海原の先 牡丹と琉球の悲歌」(Ocean Elergy :The Tragedies of Mudan and Ryukyu)のワールドプレミア上映が行われた。遭難船事故がきっかけで起きた、琉球王国と台湾の先住民族との運命や対立、明治維新以降の日本と清国の政治にも焦点を当て、膨大なリサーチから歴史を掘り下げ、歴史の真実と平和を希求する作品だ。

ション・フー監督は「このドキュメンタリーが、私たちにとって過去を振り返り、大切な歴史を心に刻み、そして対話を未来へつなげるきっかけになれば嬉しいです」とコメント。映画に出演している牡丹郷パイワン族の代表ファー・ヘンミン(華恆明)氏、宮古島方言指導の我如古清純氏が来場し、両側に持ち手がついた板を重ねて一体にし、立ち並ぶ2人が持ち、同時にお酒を飲む“連杯”という儀式を行い、映画祭の開幕と民族間の交流を祝福した。

上映後には、琉球大学の大浜郁子氏、沖縄大学の又吉盛清氏を交えてのトークが行われた。ファー・ヘンミン氏が「歴史は討論を恐れないものです。人それぞれがそれぞれの歴史と向き合い、私たちの歴史を切り開くことができる。私たちは同じく海洋民族であるからこそ、大きな心で歴史を理解し、相互理解を深め、より良い未来を自分たちの子孫に残すための第1歩を共に歩み出します」と祖先から受け継いだという言葉を紹介し、国境や民族を越えてつながる本映画祭初日を締めくくった。
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