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「マスクを買いに行く」父の言葉から生まれた“奇跡の展開” 「石門」コロナ発生時の中国をリアルに映し出した本編映像

2025年2月19日 09:00

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「石門」(2月28日公開)
「石門」(2月28日公開)
(C)YGP-FILM

“中華圏のアカデミー賞”と称される台北金馬獎(第60回)で日本資本の映画として初めて最優秀作品賞を受賞し、最優秀編集賞との2冠に輝いた映画「石門」(読み:せきもん)の本編映像が、このほど公開された。2020年に発生したコロナ禍に直面した中国を“リアル”に映し出している。

米レビューサイト「ロッテントマト」では、批評家が94%、一般観客は驚異の100%の高評価を獲得(12月14日時点)。監督は中国湖南省出身のホアン・ジーと東京出身の大塚竜治。中国と日本を拠点に活動する夫妻は、女性の性に関する問題をテーマに映画を共同製作してきた。新作「石門」は、望まぬ妊娠に直面した20歳のリン(ヤオ・ホングイ)を主人公に、女性の前にある様々な壁を静かに見つめる作品となっている。

画像2(C)YGP-FILM

映像は、突然のコロナ禍でマスクを求める人々が殺到している医療機器量販店から、大きな段ボールを抱えたリンと父親が出てくる場面から始まる。「あそこの黒い車まで運んで」と話すリン。2人が運んでいたのはやっとのことで確保した “医療用マスク”だ。

続いて、両親が経営する診療所のテレビでニュースを見ている3人の家族の姿が映し出される。画面では「国家衛生健康委員会は、1月22日ウイルス対策プログラムを……」とパンデミックに備えるアナウンス。帰ってきた父親に母が「テレビでやってる」と告げる。リンは「お母さん、おじいちゃんにお年玉を渡して」と旧正月を祝う赤い封筒を渡す。身重な娘を心配して「心配ないよ 私が説明しておくから。暖かくして家にいなさい」という母。リンが「マスクを2パックくれる?売る分はまだたくさん残ってるでしょ?」と父に声をかけ、両親が外出すると入れ違いで入ってきた客が「マスクはいくら?」と声をかける。

その間もテレビでは、新型コロナウイルスが、中国だけに留まらず世界中に感染拡大しているというニュースが流れ続けている。

石門」は“あらすじ”だけを頼りに、撮影時に起こった現象やキャストたちの当時の状況を盛り込んで製作されている。

大塚監督「我々はドキュメンタリー出身ということもあり、脚本は “あらすじ”しかありません。撮影の時の役者の状況に合わせて内容を変えて製作していきました。そのため脚本で設定した登場人物は、彼らの性格や職業、生活習慣に合わせ再度作り替え、シーンごとに役者と討論を交わし、実際に彼らの身の回りの起こっていることを取り入れます。台詞も彼らの言葉に変え、撮影しながら物語を再構築していきました」

妊娠から出産と同じ10カ月をかけた撮影期間中には、新型コロナウイルスの感染拡大が起こったため、物語に盛り込まれた。つまり、本編映像には、武漢に端を発したとされるパンデミックに直面した人々のリアルな姿が撮影されているのだ。

画像3(C)YGP-FILM

リンの父役を務めているのは、ホアン・ジー監督の実父だ。キーとなったのは、実父が発した「今からマスクを買いに行く」という言葉だった。ホアン・ジー監督は、歴史の証言ともいえる貴重な映像撮影の背景を語っている。

ホアン・ジー監督「私たちは急遽カメラを持って、ヤオ・ホングイも同行してもらい一緒についていきました。マスクを購入するシーンをゲリラ的に撮影しましたが、ちょうどストーリー上で主人公が物を売るという流れでもあったので、リンクして面白いのかなと思い、実際にエピソードとして取り込んでみました」
石門」は、2月28日より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、シネリーブル池袋ほか全国順次公開。

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